「自分らしさ」とは何なのか? 自己を知る大切さとは
「もっと自分らしくいた方が良いよ」
友人や知人との悩み相談でよく見聞きするアドバイスですね。この「自分らしさ」という言葉、冷静に考えると、いまいち掴みどころがないようにも思います。
自分らしさとは何なのか、自分らしくあるとどんな良い事があるのかについて考えます。
「自分らしさ」とは
「自分らしさ」という言葉の意味は、「自分の価値観を大切にして、自然体で言動が行えること」という意味です。
「らしさ」はそれ自体の特徴をよく表している状態。その「らしさ」に「自分」がついて、「自分の特徴がよく現れている状態」とも言えるでしょう。似たような言葉に「個性」「キャラクター」「独自性」などがありますね。
つまり「自分らしさ」とは、周りの環境や他人に関係なく、自分のありのままの良さが表れている事を言うのではないかと思います。
人が決めた枠 or 自分らしさ
「自分らしさ」の重要性を理解する上で、ディール・カーネギー著の「道は開ける」にヒントとなるエピソードがあるのでご紹介します。
神経質で肥満気味のあるご婦人のお悩みのお話。自分に自信がなく、自分の殻に閉じこもり、自信のなさから友人からも逃げ、玄関のベルが鳴るのさえ怖がるようになります。自分を出来損ないと思い、やがて自殺を考えるようになります。
そんな彼女に夫の母が伝えた一言が人生を変えたそうです。それは「どんな場合でも自分らしく振る舞うように」というアドバイスでした。
この「自分らしく振る舞う」という言葉から、この婦人はこれまでの不幸の原因はすべて、順応できない型の中へ自分自身をはめ込もうとしていた点にあったと気づいたそうです。
そこから自分らしさを見つけるために長所を考察し、服も体型にあった自分に適したものを学んで選ぶようになりました。そうなると気持ちは外に向き、コミュニティにも入っていけるようになり、人間関係の中で楽しさを感じるようになったそうです。まるで別人の様に幸福感に包まれながら日々を過ごせるようになったとのこと。
このエピソードは「自分以外の誰かにはなれない」という事を教えてくれているように思います。自分以外の誰かではなく、自分の人生を自分で選んで生きる。そのためには自分とはどんな人間なのかを学ぶ•知るというプロセスがとても大切という事ですね。
「自分らしく振る舞う」とは簡単に聞こえますが、自分で自分を良く知っていないとできない事です。意外に多くの人ができていないのではないでしょうか。
自己を知り、自己に徹する
この書籍の中には己を知るという事の素晴らしさと難しさの両方が記されています。
人間の中に潜む力はもともと「新鮮」であると説きます。そして、自分に何ができるかを知っている人間は自分以外にいないこと。さらに、自分でさえ試みるまでは分からない、とも書かれています。
先に紹介した婦人のケースも正にそうです。自分の強みや、自分に身の丈に合わない枠を捨てる事で「新鮮な自分の強さ」を発見したという事です。
ここで、インスピレーションをもらえる一節をご紹介します。
丘の上の松が無理ならば谷あいの低木になれ。
だが、小川のほとりにある最も美しい低木に。
ー
木になれないなら、藪になれ。
藪が無理ならば、一握りの草になれ。
そして大通りを楽しくやれ。
ー
大通りが無理ならば、ほんの小路でもよい。
太陽が無理ならば、星になれる。
成功と失敗を分けるのは大きさではない。
何になろうと最上のものになれ。
この一節は、何かの型の中でその他大勢の一人になるのではなく、他人とは違った自分である事が大切であると説いています。そして最後の一文にある「最上のものになれ」の一言。最上と言うととんでもない存在になるって事かと思われてしまいますが、私は「自分で決めた最上の状態」を目指せと言っているように思います。
「自分で決めた最上」であれば自由に考えることができますし、人目を気にして縮こまる必要もありません。しかし、これをする上で一つやらなければならない事は「自分で今の自分と向き合う」ということ。そうしなければ「最上の自分」は見えて来ないからです。
やはり、自分を知る、という内省が大切だということですね。
まとめ
人間は考え方ひとつで行動も表情もまるで変わる、不思議な生き物です。
私たちを悩みから解放し、平和と自由をもたらす心構えを養うためには、「誰かの真似をするのではなく、自分を知り、自己に徹すること」が大切ということですね。
人に対して「自分らしくいよう」とアドバイスした経験を持つ人は多いのではないでしょうか。それは「他人から見たその人らしさ」です。外から見ると自分の良さはよく見えるものの、意外に自分で自分の良さを掴むのは難しいものです。
難しく、面倒がゆえに疎かにしがちです。しかし、そこに対峙した時に、自分らしい人生のヒントを掴めるのかもしれません。
このお盆休み、なかなか外出しにくいムードになっていますが、自分自身と向き合う良い機会かもしれません。
自分の強みや、なりたい姿、他人の型ではなく身の丈に合った自分像を思い描いてみてはいかがでしょうか。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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