マガジンのカバー画像

#エッセイ集

49
趣味や興味のあることと、自分との間に発生する大切なもの。それを言葉にしたエッセイ集。
運営しているクリエイター

#価値観

時間の経過を楽しむ。

時間の経過を楽しむ。

自分に起こった出来事が、自分の中に染み込んで、じんわりとゆっくり発酵することで形を変えていく。そのようなプロセス無しには受け止められないこと、意味の分からないことがある。

「気付く」「分かる」というのはきっとそのような時間の経過を必要としていて、それは「生きる」ことと丁度同じことだと思う。

人生で発生する様々な出来事の価値、自分にとっての意味というものは後から振り返ることでしか分からない。

もっとみる
日本酒コミュニティの距離感と多様性。

日本酒コミュニティの距離感と多様性。

「さけのわ」という日本酒レビューのSNSがあり、ぼくも昨年12月頃からやっています。

飲んだ日本酒の味わいを記録して文章(メモ)と写真を投稿する、というのが基本的な使い方なんですが、

純粋に個人的な記録用として詳細数値(日本酒度や酸度等)だけをメモする人、解説文無しで写真だけをひらすら投稿する人、その日本酒の味わいから想起される過去の記憶を辿って散文調にまとめる人、など実に多様な人がいます。

もっとみる
素直と従順のはざまで。

素直と従順のはざまで。

数年前に、数万人規模の大きな会社から数百人規模の小さな会社に転職しました。

他人から見たら「一つの転職」に過ぎないのですが、自分にとっては人生を少し平らな場所に戻してくれた、大きな出来事だったと感じてます。

今回は、この転職を機会に「素直」と「従順」、そして「違和感」をテーマに考えた思考の記録です。

1.大企業時代数年前まで勤めていた従業員 数万人規模の大企業。同期入社組だけでも数百人という

もっとみる
転職して、「他人の評価」というモノサシは「納得感」に変わった。

転職して、「他人の評価」というモノサシは「納得感」に変わった。

「仕事ができない」と言われる人の中にも本当に思いやりのある方は沢山いるし、逆に「仕事のできる」人の中にも人間的には参考にしたいと思えない方も沢山いる。

仕事で結果が出ないからといって、ぼくらの人生や人間性が損なわれるべきではないし、ぼくらの人生には仕事のほかにも大切なものが沢山ある。

このような見方ができるようになったのは数年前に大企業から小さな会社へ転職してから。

大企業に入る人というのは

もっとみる
心をこめて丁寧に。

心をこめて丁寧に。

手を抜くと、なんだか疲れる。

仕事でも、ヒマな時は妙に疲労感が残るし、逆に忙しく動き回ってる時の方が身体が生きている感覚がある。

*******

何をするにしても、全身全霊をこめてなすべきだ。
納得のできるいい結果を生み出すためにではなく、自分自身をないがしろにしないためだ。 全力で行なわなかったり、ところどころ手を抜いたり、いいかげんに行なって放置したりするのは、結局

もっとみる
ぼくは、怖くて仕方ない方の道を選びました。

ぼくは、怖くて仕方ない方の道を選びました。

・「平均点の高い」「均質な」人材育成を狙った高等教育を受ける。
・出来るだけ大きな会社に入って将来を安泰に過ごす。

もう20年以上前の話だ。

こんなギチギチの狭い価値観の上に築かれたレールの上を行くこと、それが日本社会での成功体験とされていた。改めて言葉に起こしてみて、時代は大きく変わったと実感する。

かく言うぼくも、そのレールの上をひた走っていた。人よりも「早く」「効率的に」「上手

もっとみる
違いを前提として。英語から見た日本社会。

違いを前提として。英語から見た日本社会。

「あの先週言ってたあれ、進捗どうなってる?」

日本で仕事をしていて、上司からこんなフォローを受けることないですか?

日本語、日本の文化というのはとても不思議なもので、こんな曖昧さたっぷりな内容でコミュニケーションが成立する、

ということになっている。

少なくともこういう言葉を発している人は、詳しく説明しなくても分かるでしょ?って思ってるはず。

そして仕事であれば、部下の立場からす

もっとみる