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疲れない歩き方や走り方の秘伝は左右非対称の片踏みという走歩行の身体動作!

江戸時代の日本人は、左右対称の歩き方では無く、片踏みという歩き方をしていたようです。

片踏みというのは、右足を前に踏み出すときに右手側の体も前に出る動きで左足を送るときに、その左足が右足を追い越して前に出ることなく、常に右足が先立って踏み込む歩き方のことをいうのですね。

右足が先立つのか左足が先立つのかは、人によって当然ながら個人差はあっただろうけど、長距離を歩くときには左足が先に立つ歩き方が疲れにくいという理由で用いられたようです。

わかりやすい例では、飛脚の走り方やカゴかき人足の歩きや走り方を想像してもらえばわかりやすいと思います。

また、馬術を経験している人には常識だと思うけど、馬も走るときには左右非対称の走り方をするのです。常に前肢のどちらかが先に出て、片踏みの状態で走るのです。

馬にとって、(現代人の歩き方のような)左右対称の走り方より、楽でスピードも出しやすいのが、片踏みの走り方なんでしょうね。

左右非対称の歩き方で、右足前の半身に比べて、左足前の半身が長距離に向いているというのも、剣術や農耕、運搬などにおける動作をみると、納得できるのですね。

剣術では、刀を振り下ろして斬るときに、手前に引く動作で斬ることが日本刀の持つ機能と特性を、最大限に活かせる斬り方になるようです。

農作業でクワやスキを使って畑を耕すときも、右足前の半身の姿勢が一般的だっただろうというのは、現代でも同じようなカラダ使いで畑を耕している姿をみても、納得できますよね。

その手前に引くときの姿勢は、右足前がもっとも力が入りやすく、身体動作上の特徴でいうなら右足側はブレーキの役割を持っているので、引き込むときにパワーを全開にしやすいのです。

反対に左足前の半身だと、前方方向への踏み出し(進行)をスムーズにする役割を持っており、左足前の半身はカラダを前方に押し出すパワーを出すときに有効で、その点では攻撃の姿勢ともいえるわけですね。

人力車の車夫や、荷車を引く人の姿勢を見ると、力が入りやすいのは左手が前のかじ棒を握り押し、右手を後ろにして引くという姿勢で、押す手は左で引く手は右手というのが一般的なようです。

ボクシングにおけるオーソドックススタイルの構えも、左前で構えるところに通じるものがあるのではないかと。

江戸時代に人たちが、片踏みで歩いていたと推測できる根拠の一つに、小泉八雲の残した記述が挙げられます。

「日本の下駄は、それをはいて歩くと、いずれもみな、左右わずかに違った音がする──片方がクリンといえば、もう一方がクランと鳴る。だからその足音は、微妙に異なる二拍子のこだまとなって響く」

小泉八雲

この記述によると、「いずれもみな、左右わずかに違った音がする」下駄の足音こそ、片踏みで踏み出す下駄の音と、後足で送るように踏み出す下駄の音という、左右非対称の歩き方による音の違いになっているのでしょう。

残された史料で判明していることは、江戸時代の人にとって一日に35㎞程度の距離を、10時間ほどかけて歩くことができたという記録が、相当数残されています。

今また、江戸時代の日本人が行っていた身体動作に、健康面や運動力学や身体動作のパフォーマンス向上の側面から、スポットが当てられています。

膝の痛みの解消といった健康面や、スポーツ競技のパフォーマンスアップにその身体動作のメカニズムを活かせるなら、積極的に取り入れたいもの。

文明の進歩で、ありがたい利便性を手に入れたかわりに、私たちはその代償として、人・動物としての運動機能や身体能力を失ってしまったのです。

そのことに気づけば、あとは失った運動機能や身体能力の回復に、取りかかる時期になったのではないでしょうか。


ってことで、今回は
疲れない歩き方や走り方の秘伝は左右非対称の片踏みという走歩行の身体動作!」現代人が忘れてしまった歩き方こそ合理的な歩き方だった話。😊
※見出し画像のイラストは、メイプル楓さんからお借りしました。


では!

片踏みで  楽に歩こう  のほほんと


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