知らぬが仏で信じ込むことが幸運を招き得がたいご褒美につながることもあるという話。【前編】
この記事は、たくさんのスキをいただいた過去記事の中で、もう一度紹介したいと考えた処世術のことをお伝えする話になります。
なので古いお付き合いの方にはデジャブ感があると思いますが、ご容赦くださいね。(^_^)b
私たち夫婦は20歳と21歳という年齢同士で若くして結婚したのですが、私が22歳で彼女が23歳という起業したての頃の遙か昔の話になります。
当時の私たち夫婦は、地元鹿児島でも最大の規模を誇る全国的にも著名な観光ホテルの中にある、お土産物を中心としたショッピングアーケードの一角で売店コーナーを運営していたのですね。(^_^)b
そのショッピングアーケード内に、以前から出店していたお土産品の売店コーナーの権利を受け継いで、私たち夫婦ともう一人、居残りでそのまま手伝ってもらうことになった年輩女性を雇う形で、細々とながら3人で売店を運営していたのです。
売店コーナーがある観光ホテルは、規模といい設備といいなかなか立派な構えのホテルで、大分の別府温泉にある「杉乃井ホテル」と双璧といって良いほど、日本国内でも有数の規模を誇っていた存在でした。
そんな規模のドデカいホテルの地下にあるショッピングアーケードで、売店コーナーの権利を受け継ぐことができたなんて、22歳と23歳の若い夫婦にとってもの凄くラッキーなことだと思うでしょ?
ところが、どっこい!
そんなウマい話でも、ラッキーな話でもなかったんですよ、これが・・・。😭
実はこのホテルの契約方式の特徴ともいえるんですが、売店コーナーのテナント料を、毎月の売上から一定のパーセンテージで徴収するという、賃料契約方式だったんですよね。😓
そういう契約方式なものだから、売上が振るわない売店コーナーは半年ごとの見直しで退去させられてしまい、新規に発掘してきた店舗や売り込んできた有望そうな売店コーナーに取って代わられるという、弱肉強食の世界だったんですよ。😢
売上が確保できる売店コーナーは安泰だけど、売上があまり良くなくて低迷してる売店コーナーには、とても厳しい仕組みだったんですね。😭
はい、そういうことで私たち夫婦が受け継いだ売店コーナーも、例に洩れず真っ先に退店させられるほどの売上不振が続き、退去宣告まで受けしまいまさに風前の灯火状態だったらしいのです。
えぇ、後から聞くと、そういう緊急事態、逼迫した瀬戸際で引き継いだことになったわけですね。😨
譲渡話を持ちかけてきた前の経営者が、そんなことを露ほども洩らさずに私たち夫婦に、退去期限が迫っている売店コーナーを体よく押しつけたっていうのが本当の事情のようで、退去の際の後始末や面倒な手続きなどを代わりにやらせようという目論見だったんですよ。😓
私たち夫婦はそんな風前の灯火みたいな状況を知らされずに、その売店コーナーをそっくり受け継いだわけですが、ホテルとの契約を活かす関係で売店の権利を持っていた前のメーカーの嘱託を受ける形で、売店運営を引き継ぐことになりました。(^_^)b
観光ホテル側から見たら、退去が決定している売店コーナーの権利契約をしている会社の、雇われ店長夫婦というポジションを与えられたことになりました。
観光ホテルのショッピングアーケードの部門責任者を、従業員は支配人と呼んでいましたが、支配人を含めてホテル側のスタッフは全員、退去寸前なのに新しくやって来た新婚夫婦に驚いたらしいですよ。🤣
なんといっても売上不振で退去が決まっている売店コーナーに、すぐ退去させられてしまうという事情も知らずに、若い新婚夫婦が意気揚々とやって来たわけですから、なに考えてるんだろってなもんですよね。😅
当然のことですが、ホテル側から通告を受けて退去寸前であるという事情を噂で知っている、アーケードの他の売店コーナーの店員さんたちも興味津々で注目していたらしいのです。😓
そういう環境下でこちらは何も知らずに、首の皮一枚がつながっているだけのそんな状況とも知らされずに、落ち込んでいる売上をどうやって立て直そうかと、着任早々あれこれと毎日知恵を絞っていたわけですよ。
聞いた話と違って売上が悲惨な状況だというのも、実際に売店コーナーを引き継いでから売上台帳で判明したのですが、あきれることに聞いていた話の2分の1の実績しか無かったのですよね。🤣
月間の売上金額の数字を、約120万くらいの売上があるのだと聞かされていたけど、実際は半分の60万円程度の売上しか実績が無いのですよね。
どこへ行っちゃったんだ、残り半分は・・・ってなもんです。🙄
引き継ぐ前に聞いていた話と違うことを、引き継いだ相手に伝えると「おかしいなぁ・・・。確かそのくらいの売上があったはずだけど・・・。」と歯切れが悪いのですよ。😓
そこですべての帳簿を引っ張り出して、オープン当初まで遡ってみたら確かに過去の月間最高売上が、120万近くになった月が1回だけ見つかったけどそれも、年間で一番稼ぎ時であるハネムーンの季節の瞬間風速の売上記録。
それもたった1回だけの祈念すべきメモリアルセールスですよ・・・。😰
察するに過去の最高売上金額を、さも平均売上であるかのように誇大に話して聞かせたんだろうけど、現実の売上金額とのあまりの乖離の大きさに愕然としたのは確かです。
でもすでに事は進んじゃってるし、今さら後戻りもできないから前に進むしか無いと、この時点で覚悟を決めたんですよ。🤔
まさか、退去寸前という非常事態が発覚するなんて思いもせずに、やる気満々で頑張り始めた出鼻をくじかれた格好でしたね、夫婦とあと一人の3人ともどもで。😥
さて、悲観だけしているわけにもいかないので、気を取り直して頑張ることにしました。🤗
ここからの話は、売上アップの事例にもなると思うので、ビジネスをやっている人、ご商売に関心のある人、起業独立に興味のある方はじっくり読んでいただき、活かせる人はご自分なりに参考にしてくだされば幸いです。
まず私たち夫婦が引き継いだ売店コーナーの弱点を、しっかり分析するところから始めることにしました。(^_^)b
私たちの売店コーナーで扱っている商品というのがマイナー過ぎて、誰も見向きもしないような孟宗竹を加工して、丸い筒状のまま絵付けした竹製コケシがメイン商品なわけですね。
竹製コケシといっても古くから伝わっているといった、伝統のあるような名物や特産品でも無く、製造して売り出し始めてからまだ数年という新興製品のお土産物だったわけです。😓
竹製コケシ以外にも、クスノキ材やタブ材を旋盤加工して作った茶托や銘々皿、お盆といった品が主な扱い品目で、中には大きい赤ん坊の頭ほどの軽石を削って「田の神様」に仕立てたものまであるという・・・なんともなお店。
そうそう、学校の先生が新婚旅行で泊まったときには、生徒へのお土産として喜ばれたのが、葉っぱの葉脈だけを残して色づけした栞が軽いしかさばらないし、一点が安いしということで、まとめ買いされましたね。
あとね、ゲテモノみたいなお土産では、ウツボの皮を使ったお財布や小銭入れというのが比較的高額品・・・・といっても、1,500円~3,000円程度でしたがたま~に売れていました。😓
そんな中でも取り扱いのメイン商品は竹コケシで、特長として言うなら竹の素材を活かして中は空洞だから、竹製コケシの頭に被せてある部分の蓋を取ると、小物入れとしても使えるという実用品に早変わりするわけですよ。
そんな実用的な器としても、竹コケシって活躍するのです。🤣
そこで竹製コケシの材料になっている孟宗竹の由来や、竹の種類別の特長を調べてみると、孟宗竹の意外な由来を見つけることができたのですよ。
それがなんとなんと、ちょっと前にNHKの大河ドラマで人気となった、お馴染みの西郷どんが、島津斉彬公と相撲を取ったシーンで出てきた仙巌園という島津別邸があるんですが、視聴した皆さんであればその仙巌園を覚えておられると思います。
あの西郷どんでも舞台になっていた、島津別邸でもあり世界文化遺産でもある仙巌園が、竹製コケシの材料になっている孟宗竹が日本で最初に植えられた場所である、という由来を書いてある文章を見つけたんですよ。🧐
もちろん諸説あるだろうけど有力な説としては、台湾から琉球を経由する形で薩摩藩の島津別邸に植栽された、という記録が残っていたわけですね。🤗
で、せっかくのこれを使わない手は無いぞとばかりに、それからはその由来を大きめの短冊に書き出してコーナーに陳列することで、お客様に孟宗竹が鹿児島名物の特産品である謂われを見せながら、せっせと超マイナーすぎる竹製コケシの販売に励んだわけですよ。🤣
それでも頑張って、やっとこさ売上倍増程度の売上しかつくれなかったのですが、支配人たちはというとその売上倍増に目を点にしているわけですね。何といっても退去するまでの猶予期間が残り少なかったものだから。
そうやって私たちが着任してからは、頑張って売上がうなぎ登りに増えたものだから、ホテル側も驚きを隠せないという事態で見守っておられたようなんですが、退去の決定事項は覆らないと言う状況に変わりはないのです。
もちろんその時点でも、退去の期限が迫っていることを知らされないままで日々は過ぎていくわけですが、売上を上げるための方策はないものかと知恵を絞り続けていたわけです。
何とかして売上を上げる方法はないものかと、そう考えて、考え抜いたわけですね、のほほんとしているようにしか見えない、この私が。🤣
そしてついに起死回生のアイデアが閃いたんですが、ここまででだいぶ長くなってきたので続きは後編としてお届けしたいと思います。(^_^)b
いえいえ、記事を分割して記事数を稼ごうなんて、そんなさもしい魂胆ではありませんからね。😅
せっかく読んでいただくのに1記事あたりの文字数が多すぎると、読みに来てくださった皆さんの負担が大きいと思ったので、分割しますね。
ここまでで文字数が4,300文字を超えちゃっているので、後半は明日にでも続けて投稿いたしますね。(^_^)b
何とか売上を上げようと考え抜いたあげくに、やっとこさ閃いたアイデアを実行に移す話を後編で引き続きお読みくだされば嬉しいです。🤗
■後編がこちら
ってことで、今回は
「知らぬが仏で信じ込むことが幸運を招き得がたいご褒美につながることもあるという話。【前編】」という目先を考えずに頑張れば良いこともあるという話。※見出し画像のイラストは、メイプル楓さんからお借りしました。
では!
ご褒美を 欲しがらないで のほほんと
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