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【短文レビュー/邦画新作】『劇場版 ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』佐藤東弥監督・・・人間の争う姿を見たがる悪魔が人間すぎる
トップ画像:(C)2024劇場版「ACMA:GAME」製作委員会 (C)メーブ・恵広史/講談社 監督:佐藤東弥/脚本:いずみ吉紘、谷口純一郎/原作:メーブ、恵広史 配給:東宝/上映時間:119分/公開:2024年10月25日 出演:間宮祥太朗、田中樹、古川琴音、竜星涼、嵐莉菜、金子ノブアキ、志田未来、小澤征悦 悪魔の用意するオリジナルゲームで人間が勝負するという、胸焼けを起こしそうなほど次から次へと出てくる"デスゲーム"ものの最新作。ややこしいルールは映像作品に向かないと
【映画本レビュー】『ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉: 都市と映画の物語 1980-2023』大森さわこ・著・・・独自色を求められない世の中でミニシアターが進むべき未来とは
1980年代初頭から現在に至るまでの、東京都内のミニシアターの変遷を追い、その時々の関係者にインタビューした記録本。まず東京のみという狭い地域の話であり、大局的な歴史の流れを追う以上は取り上げられているミニシアターの数も限られ、その点での物足りなさはある。しかし特にミニシアター勃興期における、上映作品の選定など各館の「いかに独自性を出すか」を追究する話は単純に興味深い。かつては『ニュー・シネマ・パラダイス』といえばシネスイッチ銀座、『トレインスポッティング』といえばシネマライ
【短文レビュー/邦画新作】『ピアニストを待ちながら』七里圭監督・・・『皆殺しの天使』と『ゴドーを待ちながら』を混ぜ合わせたような不条理劇
トップ画像:(C)合同会社インディペンデントフィルム/早稲田大学国際文学館 監督&脚本:七里圭 配給:インディペンデントフィルム/上映時間:61分/公開日:2024年10月12日 出演:井之脇海、木竜麻生、大友一生、澁谷麻美、斉藤陽一郎 隈研吾が手がけた村上春樹ライブラリーで全編撮影されている。最近局所的に話題になった人名が2つも出てくるので変に身構えてしまいそうだが、村上春樹ライブラリーは早稲田大学の敷地内にある施設だ。主人公は数年前まで早稲田の学生だったという設定らし
【短文レビュー/洋画新作】『シビル・ウォー アメリカ最後の日』アレックス・ガーランド監督・・・「もしもアメリカが内戦状態になったら」大喜利が連なる、『翔んで埼玉』アメリカ版
トップ画像:(C)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved. 監督&脚本:アレックス・ガーランド 配給:ハピネットファントム・スタジオ/上映時間:109分/公開:2024年10月4日 出演:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー、スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、ソノヤ・ミズノ、ニック・オファーマン 『翔んで埼玉』のアメリカ版である。と言ったらさ
【短文レビュー/邦画新作アニメ】『ふれる。』長井龍雪監督・・・最近のアニメ映画は登場人物たちを異空間に飛ばさないといけない決まりでもあるのか
トップ画像:(C)2024 FURERU PROJECT 監督:長井龍雪/脚本:岡田麿里 配給:東宝、アニプレックス/上映時間:107分/公開日:2024年10月4日 出演:永瀬廉、坂東龍汰、前田拳太郎、白石晴香、石見舞菜香、皆川猿時、津田健次郎 「ふれる」と呼ばれる謎の生物(?)の力によって、身体に触れることで相手の考えていることがわかるようになり親友となった3人の男子小学生。月日は過ぎ、成長して大人になって上京してもまだ、同じ家で暮らすほど親密なままでいる(「ふれる」
【短文レビュー/邦画新作】『Cloud クラウド』黒沢清監督・・・転売屋こそが、黒沢監督の考える最も"人間的"な存在なのかもしれない
トップ画像:(C)2024 「Cloud」 製作委員会 監督&脚本:黒沢清 配給:東京テアトル、日活/上映時間:123分/公開日:2024年9月27日 出演:菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、岡山天音、赤堀雅秋、吉岡睦雄、三河悠冴、山田真歩、矢柴俊博、森下能幸、松重豊、荒川良々、窪田正孝 相変わらず、黒沢清監督は人間それ自体に何も価値を置いていない。本作『Cloud』の劇中で最も人間的な躍動を見せるのは、通販サイトのウェブ画面なのだから。その次に人間的なのはコーヒーメーカー。
【短文レビュー/TVバラエティ】『内村プロデュース復活SP!!』テレビ朝日 2024/09/28・・・「当時と同じこと」をするための2段構え
トップ画像:(C) テレビ朝日 松本人志による性加害疑惑が週刊誌報道された2023年末、それまでのダウンタウンの悪行が掘り起こされると同時に「それに比べてウッチャンナンチャンは問題を起こさない聖人君子で・・・」という論調が主流になったことには、少なからず驚いた。もはや内村光良の結婚に至る経緯は忘れ去られたのかと。もちろん、性加害と不倫はまったく別の問題であるし、伝え聞く諸々の事情を鑑みれば、内村光良は断罪されるほどのことをしたわけではない。しかしまあ、『内村プロデュース』復
【短文レビュー/邦画新作】『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』阪元裕吾監督・・・監督の見せたいものとファンの見たいものが完全に一致している、非常に恵まれたシリーズ
トップ画像:(C)2024「ベイビーワルキューレ ナイスデイズ」製作委員会 監督&脚本:阪元裕吾 配給:渋谷プロダクション/上映時間:137分/公開日:2024年9月27日 出演:髙石あかり、伊澤彩織、水石亜飛夢、中井友望、前田敦子、池松壮亮 監督の見せたいものとファンの見たいものが完全に一致している、非常に恵まれたシリーズの最新作。アクションに関しては洗練の向こう側まで到達しており、特に至近距離からの銃弾を避ける動きのリアリティは、過去のあらゆるアクション映画よりも説得