【短文レビュー/邦画新作】『十一人の賊軍』白石和彌監督・・・誰しもが最善を尽くそうとするがゆえに充満する“論理的な狂気”
トップ画像:(C)2024「十一人の賊軍」製作委員会
監督:白石和彌/脚本:池上純哉/原案:笠原和夫
配給:東映/上映時間:155分/公開:2024年11月1日
出演:山田孝之、仲野太賀、尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力、野村周平、玉木宏、阿部サダヲ
何度も裏切りを繰り返す山田孝之を筆頭に、いずれもが自分のための最善を尽くそうとするがゆえに異常な行動をせざるを得ない状況が何度も発生し、“論理的な狂気”が作中に充満していた(唯一、話の都合で動かされていたのは木竜麻生くらいか)。老中を演じる阿部サダヲのビー玉のような黒目((c)田中裕二)が、その一端を如実に表している。白石監督曰く笠原和夫の原案から阿部サダヲの役割を大きく膨らませたらしいが、大成功であろう。