【短文レビュー/邦画新作】『矢野くんの普通の日々』新城毅彦監督・・・構図から何から定型を外してくる亜流の学園ラブコメ
トップ画像:(C)2024 映画「矢野くんの普通の日々」製作委員会 (C)田村結衣/講談社
監督:新城毅彦/脚本:杉原憲明、渡辺啓、伊吹一/原作:田村結衣
配給:松竹/上映時間:106分/公開:2024年11月15日
出演:八木勇征、池端杏慈、中村海人、白宮みずほ、伊藤圭吾、新沼凜空、筒井あやめ
いつも怪我ばかりするので何もできず自信を無くしているイケメンに、普通の学園生活をしてもらおうと主人公の女子高校生が奮闘する、学園ラブコメとしては亜流の構図。告白が授業中なのも、中盤から現れる「イケメンの過去を知る女」が辛気臭いのも、いずれも定型を外している。状況も心情もセリフで全て説明してしまうのには辟易したが、イケメンがいつもつけている眼帯を取ったときに見た目の印象が激変するのは純粋に驚いた。イケメン役の役者について、素材としての魅力がここまで発揮されるのもまた、実はこのジャンルでは珍しい。