シェア
WataL
2024年5月8日 12:14
翌朝の冷えたる鍋をこそげとるスプーンの柄かたき泣き笑いから終日を鍋煮ゆることに費やせる後ろめたさとともに渋い茶もうひとり自分が居ると華やいだ鍋の底覗く君の声して煮ゆる鍋のかさ減ることをいとほしむ生まれ変わりも朝 冬の入り最後まで…、口にせぬまま君の背に飼い犬来たりて朝はベル鳴る寒いほど打ち明け話の弾みたるラーメンすする皆で前向き煮凝りに差し掛かる話題川下に聞き流したれば今日
2024年5月8日 12:20
君にすべて合わせてみてもいいなはるけきブレイクファースト王国つくるすべてを話してみたくなる よき理解者だったみたく感じ始めていたむかしばなしがにおいたつふたりでもさびしいとき あるいはよる理想の国 ぴんとこなかったな 何かが足りないもしくはあり過ぎていて障害というゆずの歌みたいなのを彼は持ち、かけ上がるのを見るハムスターにえさをあげて過ごす晴天 それが毎日 こんな結婚居るだ
2022年9月23日 10:40
向き合ったせいで挨拶はこぼれてくはろー、メリークリスマスというからだどうしようかなという感じで来ただけなのに明日も草生えているこのとこ寂しいていう感じもないけど少しの心配で草を生えさす悩みや欲求もないことないが、太陽があるそのせいで草生えてくる一人称はおおかみのすがたいっぴきといっぴきが群れをなす草はら愛しがたいのはなぜなのだろう田舎の草いきれを吸う胸のなか土のにおいがする
2022年5月24日 11:05
これから何になるの、と聞かれて明日seaになるかもと言う切符の欠けを手が気にしていて、気にするたびに汽車は出ていく写真こぞうがあざみを撮るリズムのなかわたしたち無人駅の駅内に居るそれは前景と言えるようだった初夏風の音 君の汗 その馴れ初め似合わないシャツを着てどこかへ出向く美しいは心の内にある英語をみんな片仮名に変えて行く心地季節のなかでもう羽化をする(insect)T
2022年4月5日 11:32
1,銀色宇宙船の母体へSOSのラベリングが貼られていくS、O、Sの種を撒くしつけのある動物として水を撒き続けていた無垢な遊びをひがなしていて風邪をひくように体温を分つきれいに靴を揃えて来る兄弟は、楽器のような音で主張をする 男の子って理解できない 今日はヴァイオリンがこだまする部屋酔っ払いの会場で単色になる夜みな顔ばかりほてらせる罪細い指、サンドイッチを手掴みするとき
2020年12月29日 11:56
ここのように見えないだろか皆の居るベンチの上に置く文庫本朝人の靴と車の音ばかり五限目は皆が会ったっきりだ存在が時に希薄になる夜雨待つと待たれるで人を統べる濃紫の錨を鯨が吐くだろう君を思えるときの心持ち電灯に大き未来が見えるかな私たちの方に根を張る赤ん坊胃の中に降り積もる音ピーナッツひとつが眠る雪の最中に小児科が内と外側を分けるなか上着を脱ぐ様に冬の雨降る一時間は五十九分
2020年11月13日 15:59
さようなら まだ今日のまま麦畑は雨後の意味なる旅客機の広み口閉ざし色絨毯の上に待つビークル犬はたいようの温み一片の折り紙の色の果てしなさクリスマスイブを知りきれぬひと淡い酒飲む温度帯で肩を抱こ猫もいて猫以外も居る世にまくらべに固きズボンを置いて寝る蒼い山さえあると信じてぱんだなる白黒の群れに遭遇すまた彩りを剥いでしまおか秋雨は青の絵の具が擦り切れる幟はためくあたらしい町向かい窓に君は
2020年3月27日 16:20
スローモーションをひとたびむすんだ僕たちが競技場内だけで満ちてゆき 結ばれたのは永遠の一部まじりけのないパスタ君とともにゆであげ 宙返りはいっしゅんでおわり飲みほし終えるまでの人生 入れ替わったり立ち回ったりこのところ太陽もさしあたってきてさびしい なろうでつかさどる世界 かたまってしまった君を見ている 映し終わった朝きょりばかりなため花におはようと言う どこか
2020年3月17日 06:57
夜のサイレンはしろかった窓のそと もうさくらがさき始めているのが見えるどうしてか見えないところでさくらさくあかりすこしずつかさまして行く行けないだろう目の奥に輪郭結ぶとさくらわたしは川の一部をきいているいくつかの防波防水防彩でぷつりとはじく春はわたしをみづ そう思えばトラックも街を左右とわけへだてゆくこのひと 人のなかにある当たり前をへいきでわけもなく隔たりとして二人が似てきた
2019年11月13日 10:29
両の手を塞いでしまえば愛のこと考えざるを得ない大きさのぞきこむその人が二卵性になる夜なら月が浮かぶだけの歌ゆるくたつ逆さまにゆめのとりがくるしらなみ僕らがゼリーと呼んで砂の上書いたものからさらわれて残照とあつい信頼を見るしたいだけの燃えているだけの蝋燭もその静寂の白い粘りけいくつかの種を真綿に並べ置きひと粒がミルク紅茶に沈むみずうみの映しを期待とふれ回りその二度ともを澄み渡
2019年9月30日 14:32
大木の群生の中で白樺の夢見のようなアルファ派を追う 地下鉄へゆく入り口を探しては描く背中ならもう何処にもない 触れられない程を真中と呼ぶならば寂しさは真中分からぬ広さ とっぷりは身ひとつのあやこの夜の真中にたてば水音立てる 風が吹くそのふたたびに顔見せる草はらが装った再会 炊飯器の目盛り手測りしてるまま起こされ秋のはじまりはみず 風邪菌の(ねむりなさい)という声
2019年9月30日 14:30
夏の窓 東の騒ぎに耳寄せてくぐもる声吐き朝の挨拶 屋根の上の淡色の布巾 かぜも無く間も無く一日が翌日を知る 月から金隣の国にも足掛けて表面アイスクリーム溶けてく 点在する穴に目を向け夜を聞き出でる時には放射状の人 夜行バスもあさがほの鉢もここにあり放射状の穴ひっそりと伸びる ここ数日晴れてばかりの平坦にさらなる晴れ間のようなあじさい 殊勝なる最も消えないこの消しゴム立ち尽く
2019年9月16日 16:00
うしろ指さしてときどき褒めてくるやわらかい色教育は絹ダースベイダーも一人で並ぶレジ前のたまごやき数個入りのあたたかぐんじょうのビー玉のぞき込む子ども 申し訳ない外側の世界提出をはかった皆んなも初めてはしたたかな飛翔 来てくれそうかどたんばの自己紹介を覚えてる花束埋もれそうあのはつはる上糸と下糸の織り下等なる生き物も食うひかりのなにか水道の業者はシールにされてしまいこの本心が
2019年8月12日 19:09
火は消せり 蕗の香の立てるキッチンできみどりのものひとつと数えてからからにかわいたのどにせんぱくのしょかんのもっともかそけき波くる うがいすれば未だ更新の頼りなさ洗面所の薄い影群に立つ ぶらんこの足ふれぬままの地は救う すくわれぬも無くみどりが生えし 泡の下見すかすように臍見せたる僕等の若き誇りていふもの 止まらない吐気が僕を圧迫す孤独はおおきな月の腹なり目瞑って大人となり