(短歌)思い出のない八月
夏の窓 東の騒ぎに耳寄せてくぐもる声吐き朝の挨拶
屋根の上の淡色の布巾 かぜも無く間も無く一日が翌日を知る
月から金隣の国にも足掛けて表面アイスクリーム溶けてく
点在する穴に目を向け夜を聞き出でる時には放射状の人
夜行バスもあさがほの鉢もここにあり放射状の穴ひっそりと伸びる
ここ数日晴れてばかりの平坦にさらなる晴れ間のようなあじさい
殊勝なる最も消えないこの消しゴム立ち尽くす僕と君が共に持つ
わけわからぬまま周回する夜行バスのじっとりが頭のなか占拠して
デニム地の重みをめくり人ていう桃色のこれは幾千の傷
映し込み過ぎたものたち帰らないこの目を言うなら鬼の気持ちで
偉そうなことひとつさえも言わないの1on1ミーティングの雪原
やっと手に入れた舟なら出来高制 古びた思い出手繰り寄せて漕ぐ
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