マガジンのカバー画像

【SF小説】生き残されし彼女たちの顛末 第2部

20
天体衝突の脅威から逃れるため、「武漢三鎮」、重慶、成都、そしていよいよ最大の都市上海へと、わたしたちは協力の輪を広げた...事情があって削除した作品を、一部再構成して再投稿します。
運営しているクリエイター

記事一覧

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 ~あらすじ~

 恒星間天体「マオ」の衝突に備えた「ターミナル・ケア」が失敗して生き残されたわたしは、大…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 ~あとがきと第3部予告~

第2部をお読みいただいて、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。 いくつもの関…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第36章 勝負服

[あとは、条件についてだ、張子涵。今回の件で、我々にはどのようなビジネス・チャンスを提供…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第35章 張子涵、交渉する

 さらに3日遡り、9月16日月曜日。  武昌支団の幹部会に続きマオ委員会。ビデオ会議で漢…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第34章 艶姿

 アシスタントの女性が大会議室の扉をノックする。9月19日木曜日の16時少し前。 [お客…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第33章 いとこ同士(2)

 翌9月11日、武昌の3人にとって実質最終日となる上海は、朝から空が晴れ上がった。  4…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第32章 幹部たち(2)

 翌9月9日の月曜日、前日に昼、夜とたらふく飲み食いしたこともあって、4人とも朝はコーヒーのみですませた。  朝から本降りの雨。気温はそんなに高くないが、かなり蒸す。  周光立の自宅から第9支団オフィスに向かう道すがら、ヒカリが周光立に尋ねた。 「昨日は、李勝文さんたちに結構お話ししちゃったけれど、大丈夫でしょうか」 [一応「極秘」ということは言っておいたからね。あの人たちなら無茶はしないだろう] 「でも特に朱菊秀さん。決して悪い人じゃないんだけれど、あんな感じだから…」 [

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第31章 ヒカリ、再会する

「そのときの黄建文の顔ったら、みんなに見せてあげたかったですわ」と、ビールの酔いもあって…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第30章 長老たち

 鶴雲楼は第1地区の東側、南北西一路から少し入ったところにある、上海でも一、二を争う高級…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第29章 幹部たち(1)

 翌9月6日、ダイチが再生した自分のビデオメッセージを見て、周光来は高儷に言った。 [い…

WK2013
3か月前
1

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第28章 いとこ同士(1)

 清炒蝦仁(チンチャオシャーレン:エビの塩炒め)、芹菜魷魚(チンツァイヨウユー:セロリと…

WK2013
3か月前
1

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第27章 会見

 茶を一口啜っていると、奥の扉が開いて、杖をついた老人が入ってきた。4人を案内してくれた…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第26章 上海ふたたび

 武漢から長江をさらに1200kmほど遡ったところにある重慶は、武漢の繊維・衣料品に対し…

WK2013
3か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第2部 第25章 ヒカリ、夏バテになる

 漢陽と武昌の体制が変わった頃から、ヒカリの体調がすぐれなくなった。全身に倦怠感を覚え、熱っぽく、しばしば立ちくらみがして食欲が湧かない。  8月19日の幹部会の日、朝から近くの診療所で診察をうけたところ「夏バテ」との診断だった。数日間安静にして水分をしっかり取って様子を見るように、との医師の指示で、栄養剤と食欲増進剤を処方してもらった。その日は幹部会もマオ委員会も欠席して静養することとし、MATESグループにメッセージを送った。 真っ先に反応したのが陳春鈴。「大丈夫?」のス