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支援バカのつぶやき

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いち支援者としての気づきや考えを2021年から書き綴っています。まぁ、日記みたいなもんです。
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#支援バカのつぶやき

支え手として立ち返ること

支え手として立ち返ること

あまり予定も詰め込まれていなかった珍しい1日。
久しぶりにゆっくりと、でもしっかり向き合って利用者さんと話す時間がありました。
 
 
そんな中で感じた話です。
 
 
 
障害福祉の仕事をするようになって、障害者と呼ばれる方が社会に出ていくための支援をするようになって何度も感じた事ですが、少なくとも社会参加の支援を行うステージに来られる方で、本当に障害そのものが彼らの足を止めていることってほとん

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障害者の性について考えておきたいこと

障害者の性について考えておきたいこと

先週、いわゆる「性」の支援で、当事者の方を障害者対応可のデリヘルの利用に付き添ったり(利用中は外で待ってましたが)、異性と話ができない、という事でスナックに連れてったりしました。

すごく地味ではありますが、現場支援の中でこの数年間やってきていることです。

全然不勉強だし、あくまで自分の周囲の環境のみを見て思う事なんですが、障害を持たれている方の性の問題って結構生きづらさに繋がっているなぁ、と思

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「見て学ぶ」に「調べる」は、ある種の生存スキルかも知れない

「見て学ぶ」に「調べる」は、ある種の生存スキルかも知れない

僕も昭和生まれなんでその名残の文化の中で育ったんですが、今でも日本的なひとつの習い方に「見て学べ」という風習というか慣習が残ってます。特に少しご年配の方などはそれが物事の習得方法のスタンダードだったので、それが色濃く残っていたりします。
 
 
これは僕の勝手な仮説と自分のうっすら残っている感触からの私見なんですが、今までの「見て学ぶ」という学習概念というのは、いわゆる職人的な技能指導のようなとこ

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生きづらさを抱えてるのは本人だけじゃない

生きづらさを抱えてるのは本人だけじゃない

6月から生活訓練の事業を始めています。
HOMEという名を名乗っていて、実際に家を使って行っています。
 
 
ここには、自立を目指してバリバリ訓練するぞー!な方だけじゃなくて、今まで支援の手がなかなか届かず、一歩前に進むきっかけが得られてない方にとって、きっかけや入り口になるような場所でもありたいと思っていて、少し家にこもりがちになっている方などにも出てこれる場所を作っていこうと思っています。

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向き合う事と付き合うことは、違う

向き合う事と付き合うことは、違う

支援、という観点から見るとあまり褒められたもんじゃないのかもしれないですが、就労移行支援って、当事者の方が就労を通して「社会の中で生きていく」ことに向かうための場所だなぁ、と思っています。
ある程度自分の裁量で判断しながらいろんな物事と向き合わざるを得なくなるのが実際だろうな、と思うんです。
 
 
それを踏まえて、僕は利用者さんとの話の中で「向き合う」という言葉をよく用います。
もしかしたら厳し

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福祉にはこれから何ができるだろう?

福祉にはこれから何ができるだろう?

就労移行という支援を行なっていて痛感することがあります。
もしかしたら就労系の支援に携わられている方でも感じられたことがある人もいるかも知れないんですが、「支援」というものの定義が少し変わるような感覚が伴うようになるんです。
  
 
障害者支援の大きな目的・ベクトルは「自立支援」です。
わかりやすく言えば、障害をお持ちの方が社会に飛び出して、福祉の支援の手が離れても暮らして行けるようになることが

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まずは「生きやすく」生きたらいい

まずは「生きやすく」生きたらいい

今日から新しい事業が開始しました。
生活訓練という事業です。
読んで字のごとく生活能力の訓練を行う事業なんですが、趣意として
 
「暮らす、は生きる」
 
を掲げています。
広めの民家をお借りして、少し「居場所」みたいなものに本格的に踏み込んでいくことを見越した設計をしています。
 
 
まぁ、その話に直結するかどうかは分かりませんが、僕らは仕事柄「生きづらさ」というものに向き合っています。
分野

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言葉にならない声を聴く

言葉にならない声を聴く

仕事柄、コミュニケーションが少し取りにくい方と関わらせてもらうことは少なくありません。
ご相談をいただくケースの中でも、「ひとりでは喋れないんです」とか、前任の方が「話し声を聞いたことがない」とか言われるようなところから対応させてもらうこともあります。
 
 
僕は多分引き出しが多くないんでしょうね。
なんとか話したいと思うんです。本人の声を聴きたいと思うんです。
同席しているご家族の代弁を聞きた

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支援の「責任」

支援の「責任」

一応福祉の業界でお仕事をさせていただくようになってそろそろ20年近くを迎えようとしています。
今は経営や運営に携わることも増えてきていますが、それでも現場支援、というか利用者さんの支援にはまだまだ携わらせてもらっています。
現場が好きなので、全く離れてしまうことはどうやらできそうにない非常にコスパの悪い性分なんですが。
 
 
 
特に僕が今いるフィールドは、障がいを持たれた方が社会に出ていくため

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支援したくてもできない日はやってくる

支援したくてもできない日はやってくる

noteを書く時間がなかなかとれないんです。

正確に言うと、noteに「ある程度まとまった文章」として書いていく時間が録れないな、という感じです。

書きたいけどなかなか手を付けられなくて、そのまま放置していることも若干ストレスになっていたところふと気づきました。

僕最近毎日ブログ代わりに自分のFacebookに日々の気付き、みたいなものを書いているんですね。仕事終わりにチャチャッと書いている

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何をすることが「支援」なのかを定義づけておく

何をすることが「支援」なのかを定義づけておく

久しぶりにうちの事業所に新人さんが入ってきたので、毎日業務をお伝えしたり利用者さんの情報をお伝えしたり、僕なりの支援についての考え方をお伝えしたり、ちょびちょびと所長らしいことをしています。

そんな中で、また改めてきちんと伝えないといけないなぁ、と感じたことがあります。

何をすることが「支援」なのかっていうことの【定義】です。

例えば利用者さんに訓練用の作業のやり方を指導するとします。
僕ら

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理由や起因を「障がい」のせいにはしない

理由や起因を「障がい」のせいにはしない

今日、たまたま結婚した利用者さんの旦那さんが、色々と自分の相談に来られたり、カップルの利用者さんのいつもどおりの痴話ゲンカを見ていたりしていてふと感じたんですが、友人関係であっても恋人関係であっても、夫婦になっても、利用者さん達はよくコミニュケーションがすれ違って喧嘩になってみたり、落ち込んでみたり怒ってみたり、やたらといつも悲喜こもごもなんです。

それぞれ受け止め方や伝え方の部分で、言葉が足り

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どんな人にも「伸びシロ」がある

どんな人にも「伸びシロ」がある

身体障がい・知的障がい・発達障がい・精神障がい。
障がいと呼ばれているものはそれぞれの特性(症状)があります。

医学的根拠に立って示されているもの、数値化して表されるものなど様々です。
身体に症状が現れる疾患、脳の発達の遅れや発達バランスの乱れ、ホルモンや伝達物質の分泌異常などなど、もしかしたらそれ自体は確かになかなかコントロールできるものではないかも知れません。

僕ら障がい福祉の世界でも、身

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「掛け算」で生まれるもの

「掛け算」で生まれるもの

昨日は「ウサギ食堂」っていう、障がい児を持つお父さんの集いに、当事者支援者として(一応)行ってきました。

支援者、といいながら、そんなに肩肘張った話なんてしてなくて、お父さん達と一緒になって自然に生まれる会話、対話の中で、「専門職の相談支援」みたいな雰囲気じゃなくて、ほんとに食堂でお客さん同士が盛り上がってるような空気感で、ただただゆるやかな時間を過ごしました。

普段事業所の中だけで利用者さん

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