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支援バカのつぶやき

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いち支援者としての気づきや考えを2021年から書き綴っています。まぁ、日記みたいなもんです。
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2021年3月の記事一覧

「考えてもらう」という支援

「考えてもらう」という支援

考える、というプロセスを踏んでたどり着く結論と、考えるプロセスを踏まずに同じ結論にたどり着くのはぜんぜん違う。
何故なら「考える」から自分ごとになっていく。考えないまま得る結論は「他人事」みたいになりやすい。

えらい小難しい話のようですが、そんな複雑な話ではなくて、要するに人間は何事も自分の経験を通じたほうが成長する、という話です。

これは「就労移行」という場所だからかもしれませんが、毎月月末

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「行動する」って簡単じゃない

「行動する」って簡単じゃない

これは、いわゆる障がいの有無に関わらないことかも知れませんが、今までとは違う「行動」、今まで起こさなかった「行動」を起こしていくって、勇気が要ることなんです。

よく聞くんです。「この行動を起こして失敗したら・・・と思うと踏ん切りがつかない」って。
他にも「誰かを傷つけたり迷惑をかけたら」とか、「やったことないことだから」とか。

それに対して、「行動を起こさないと何も変わらない」とか、「そのまま

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立ち返る

立ち返る

【長くなります】
ちょっとだけ個人の思い、主観たっぷりなんですが、自分の立ち返りと思って書いています。
気が向いたらお付き合い下さい。

 
 

今僕は「障がい者支援」という分野にいますが、その前は介護、更に前は子どもが僕の支える対象者でした。
僕にとって対象者がどういう立場で誰か、なんてどうでもいいんです。
それは対象者を軽んじている、という話ではないし、その都度自分なりにではありますが本気で

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「受け止める」という力をつけるための支援も必要

「受け止める」という力をつけるための支援も必要

もし、自分がやったことが上手くいった時は嬉しいですよね。
そして、上手くいかなかったらガッカリしたり凹んだりしますよね。
 
 
自分の行動や、自分の直接の行動じゃなくても日々身の回りにはいろんな事が起きます。
言い換えると、毎日暮らしている中でいろんな結果を迎えるわけです。
ちょっと大げさな表現をすると毎日何度も一喜一憂をする機会がある、ということでもあるんです。
 
 
 
 
さて、ここから

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「自己責任」とか「自立」の定義

「自己責任」とか「自立」の定義

今週は、大半の記事が、僕の運営している就労移行支援事業の中で、社会の中で生きていく上でどうしても必要な要素について書かせていただいていました。

「自分なりに考える」(相談する事も含めて)

「自分なりに行動する」

「よくても悪くても結果を受け止める」

これは、それぞれが独立しているものではなく、繋がっている考え方なんです。

よく「自己責任」とか「自立」とかいう言葉を僕らの業態の中では耳にし

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成長の速度

成長の速度

就労移行支援に勤めていてこんな事を言うのははばかられるのかもしれませんが、人の成長って「期限」や時間の単位だけでは括れないですよね。

何の因果が分かりませんが、うちの事業所には本当にいろんな背景を持った方が訪れます。
うち、制度的に「2年間」っていう利用期限の縛りがあるんですが、その中には必ずしもその期間で卒業できるかどうか分からない方もいらっしゃいます。

他の機関で通えなかった人、10年単位

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相談支援は「相談を引き出すこと」と「整理」から始まる

相談支援は「相談を引き出すこと」と「整理」から始まる

いつもバタバタしていることが多いんですが、珍しく今週は事業所で手が空いていることが多くて、昨日はほぼ1日利用者さんの相談支援を行っていました。
今日はスタッフの相談に乗っていましたが笑。

就労移行支援事業所という建て付けだから、というところもあると思いますが、僕利用者さんの支援については相当な比重で「相談支援」や「対話」に重きをおいています。

多分僕はあまりにも専門的な支援スキルが不足している

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人を責める前に、まず環境や仕組みから見直す

人を責める前に、まず環境や仕組みから見直す

僕は利用者さんに、自分ごととして何事も考えていただく促しとしてよく言うことがあります。

「最終的に行動をするのは皆さん自身ですよ。」と。

介助的な事を除いて、最後の最後まで全部してあげること、というのは一時的なものであればともかく、恒常的な支援ではないと考えてます。
ま、一応就労移行なので、社会に出てしまうとほとんどの自己決定と行動をご自分でしていかなければならない環境になるので、そこに向けた

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支援の構築はどれだけ「切れるカード」を持っているかにかかっている

支援の構築はどれだけ「切れるカード」を持っているかにかかっている

僕はソーシャルワーカーではありません。立派な資格も持ってはいないし、膨大な社会福祉の知識も持っていません。

知らない制度もたくさんあるし、知らない法律もたくさんあります。
もっと勉強すればいいんですが、あてのない勉強はどうしても苦手で、いつも支援の場で壁にぶち当たったケースの時に教えてもらったり勉強したりしてかれこれ20年近く経ちました。

今でもちょいちょい皆さんにいろんな知識を教わりながらな

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経験という名の財産を奪うな、と思う

経験という名の財産を奪うな、と思う

これは「支援」という枠組みだけの話ではないんですが、世の中は何故かややもすると「短期的な結果や成果」に偏重しているような気がするのは僕だけなんでしょうか?
短期的な、というよりも因果の輪っかが単純でシンプルなものにばかり目が向きがちな感じでひどく結論を急いで出したがっていて、単純なアクションでスパンと成果を得たいのだろうか、と思えることが多いなぁ、と感じます。

僕は大学を家庭の事情で中退していま

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自分にしかできないことがある

自分にしかできないことがある

特にボリュームのある話ではありません。もしかしたら福祉や支援というものとも関係ないかも知れません。
ただ、少なからず「人」に携わっている者として胸に刻んでおかないといけないかな、と思って記しておきます。

僕らがやっている仕事というか役割というのは「支援」です。
対象者は職種によってジャンルによって様々で、いつだって僕らが目の当たりにしているのは社会の中で生きづらさを抱えている人で、支えや助けを必

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やんわりと見守り続けられる環境や状態を創ることが「支援」なのかも知れない

やんわりと見守り続けられる環境や状態を創ることが「支援」なのかも知れない

表題で完全に結論を述べてしまったので、これ以上興味ない方は読まなくていいと思います。我ながら下手くそな表題をつけたものです。

支援、ってなんですか?先日も少しだけ自分のブログやFacebookにも投稿したんですが、この問いに明確に答えられる人ってどれだけいるんだろう、と考えます。

支援とひと口に言ってもそりゃいろんな形があります。
対象者が変われば内容も変わるし、僕らのような同じ障がい者支援と

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「自分の仕事」をするのが支援じゃない まず業務の手を止めろ

「自分の仕事」をするのが支援じゃない まず業務の手を止めろ

最近立て続けに新人スタッフがうちの事業所に入ってきました。
本来ならば僕は彼らを支援者として指導したり教育する立場なんだと思うんですが、なかなかバタバタしていて十分に伝えられていないことも多いと思っています。

ということで、自分でも改めて現場のいち支援者としての基本に立ち返りながら、大事なことを整理しておこうと思って、文字通り「支援バカのつぶやき」を書こうと思います。

いわゆる「ハコモノ」と呼

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現場の支援、て何なんだ?

現場の支援、て何なんだ?

昨日「業務」を一生懸命するんじゃなくて「支援」をしようね、っていう記事を書いたんですが、いわゆる支援事業所での「支援」ってそもそも何だっけ?ということについてまでは触れきれていなかったので、引き続き少しずつ書いていこうと思います。

もし時間が許すようであれば、まずこれを読んでみてほしいな、と思います。手前味噌なんですけど。

これはあくまで僕の流儀なので一般的ではないのかもしれないけど、現場での

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