静かな夜に

フリーデンの本を見つけ、その面白さに感嘆し、国際政治経済学を研究する。難病OPLLの手術を受け、歩行器にすがって歩き、ウォーキング、ランニング、フルマラソン、登山に挑戦した。父を癌で亡くし、認知症の母を介護する。定年退職を機に、少しでも社会に役立つ仕事で自分の命を尽くしたい。

静かな夜に

フリーデンの本を見つけ、その面白さに感嘆し、国際政治経済学を研究する。難病OPLLの手術を受け、歩行器にすがって歩き、ウォーキング、ランニング、フルマラソン、登山に挑戦した。父を癌で亡くし、認知症の母を介護する。定年退職を機に、少しでも社会に役立つ仕事で自分の命を尽くしたい。

最近の記事

大学講義ワンショット9 トランプ再選を考える

少し雨が降り始めたようです。 いつも講義の録画を公開していますが、 それでも数名の学生が、教室に来てくれます。 Zoomがつながらず困りました。そのまま話し始めます。 なぜ、ドナルド・トランプは再選されたのか?* すべての激戦州でトランプが勝利し、総得票数でも共和党の大統領候補が20年ぶりに勝ったのです。 教室のホワイトボードの左にD. Trump、右にK. Harrisと書きました。 トランプは支持層を拡大し、ハリスは支持基盤を固めるより、削り取られました。 それでも

    • 猫はえらい。

      さて、と、家に帰って、リビングのドアを開けると 猫がこちらを見た。 彼女は黙ったまま、ふたたび、庭を観る。 小さな、ほったらかしの庭だけれど、彼女には何か見えるのかもしれない。 山桃ノ木の枝が風にゆれる。 常緑の葉はざわめき、おそらく幹や枝にさまざまな虫を宿しているのだろう。 どこかで虫を狙う鳥たちの気配を、猫は感じているのかもしれない。 猫はえらい。 彼女の視線は鋭く、庭の地面を突き刺しているように思う。 土があれば、人には雑草が繁茂しているだけの地面でも、 何かの生

      • 大学講義ワンショット8 トランプ再選

        一人の人間が大惨事の前兆として怖れられるのはまれなことです。 トランプがアメリカ大統領に再選されたことを、どう考えたらよいのでしょうか? 選挙前の2つの意見が参考になるかもしれません。 H. James の記事*を読むと、暴力の蔓延や法・制度の侵食、独裁化の傾向を全力で阻む覚悟を、世界の市民は固めるべきでしょう。 選挙で勝利した後、トランプがこれから何をするのか、私たちは警戒しなければなりません。 ・・・ヒトラーは圧倒的多数の支持を得て権力を握ったわけではない。むしろ、彼の

        • 宮沢賢治とドナルド・トランプ

          毎年、数億羽の鳥がバードストライクで死んでいる、と知りました*。 ニューヨークだけでも25万羽です。 たまたまチャンネルを変えると、宮沢賢治の作品を解説している番組があり、その世界を知りました。 「こころの時代」宮沢賢治「銀河鉄道の夜」・・・ https://www.youtube.com/watch?v=c_tLeA2XXsg ドナルド・トランプがニューヨークのマディソン・スクエアー・ガーデンで、選挙戦のゴール直前、MAGA大勝利集会を開催したようです。 ・・・スタ

          大学講義ワンショット7 移民問題の解決

          移民をめぐる2つの記事がありました。 中東やアフリカから、難民たちが、戦争や飢餓、崩壊する社会秩序を逃れて、もっと平和な、働くことで豊かになれる土地を求めて、地中海を越えてヨーロッパに向かいます。 国境で阻むことはむつかしい。 グローバルな政治が重要だ。 Robert Skidelskyは考えます*。 国連の掲げたミレニアム開発目標は、2000年、国連加盟国191カ国が、1日1.25ドル未満で生活することと定義される極度の貧困を2015年までに半減させると約束しました。

          大学講義ワンショット7 移民問題の解決

          大学講義ワンショット6 別の惑星

          嵐の中で、政治は本質を現わすのかもしれません。 「・・・別の惑星にいるようだ。」 Marina Hydeは、その異様なコミュニティーを観察して思いました*。 火星への移住計画を唱えるイーロン・マスクが、 その前に、地球を別の惑星に変えてしまう。 人々はハリケーンについて、現実と全く異なる会話を交わしています。 イーロン・マスクの観るハリケーンは、もはや自然現象ではない。 彼とその仲間にとって、それはバイデン政権が作り出した大惨事だ。 連邦政府や危機に対応する公的スタッフは

          大学講義ワンショット6 別の惑星

          母さん、老荘思想を読むよ

          母さんと、30分の面会時間をどうやって過ごそうか。 そうだ、本を読もう、と思いました。 母の眼は、意識がしっかりしているときは、とても澄んでいます。 子どもにかえる、というのは、本当かもしれません。 ドリトル先生を読みたいな、と思いました。 動物と話すことができるドリトル先生は、第1次世界大戦に従軍した作家が、戦場で負傷し、射殺されて死んでいくだけの馬をみて、その痛みや悲しみを話す言葉があれば、と思ったことに始まるそうです。 家の本棚でドリトル先生を探しましたが、どうも

          母さん、老荘思想を読むよ

          大学講義ワンショット5 米中対立の意味

          アメリカ大統領選挙によって何が起きるのか? 何が変わるのか? そして、何が始まるのか? トランプが敗北すれば内戦が起きるかもしれない。勝利すればウクライナは敗北し、NATOもWTOも空洞化する。分裂した世界において独裁国家が小国を威圧する。 それは、正直、わかりません。それらが、ありえない、とは言えないのです。 11月の選挙で大統領が決まります。しかし、アメリカと中国の政治経済体制がどのように変化するか、決まるわけではありません。国際秩序にとって、もっと重要な問題です。

          大学講義ワンショット5 米中対立の意味

          母の感染と退院

          グループホームから連絡を受けて、驚きました。 ・・・コロナウイルスに感染しました。これから入院します。来てもらえませんか?・・・ 私は驚き、怖れました。 母は94歳です。認知症で、自分が誰か、ここはどこか、自分の子どももわかりません。 病院では医師と看護婦がてきぱきと動き、検査、診察してくださいました。 幸い、母のコロナウイルスは軽症でした。 しかし、予想以上に母の退院までには日が経ちました。 そして、認知症がさらに進んでいました。 退院後、姉と面会に行きましたが、母

          母の感染と退院

          大学講義ワンショット4 ジミー・カーターの再評価

          ジミー・カーターが100歳の誕生日を迎えた、と知りました。 カーターは1977年から、81年の1月にロナルド・レーガンが就任するまで、4年間、1期のみの大統領として、これまで評価の低い大統領でした。 国際経済学者、Jeffrey Frankelが、PSでカーターの再評価を求めました。 当時、中東紛争と石油価格の高騰、インフレと高金利、景気悪化に苦しむアメリカ国民にとって、カーターの再選を好む理由はなかったようです。 しかしフランケルは、インフレを起こしたのはカーターではな

          大学講義ワンショット4 ジミー・カーターの再評価

          こどもたちのための紙芝居

          退職したら、図書館の紙芝居を借りて、 ボランティアで紙芝居をしてみたい、と思いました。 もし、こどもたちがいっぱい集まってくれたら、お菓子を買ってもらう。 私が子どものころは、お米を持っていくと、ザラメとともに混ぜて圧力をかけ、爆発?したらお菓子になる! そんな行商のおじさんが、恐竜のように大きな機械を引いて、細かい裏通りを歩いていました。 ネットで調べてみると、 ・・・荒川区のポン菓子製造機販売 ありますね。 通りで観る子どもたちは少なくなりました。 どうしてでしょう

          こどもたちのための紙芝居

          大学講義ワンショット3 テロ後の秩序

          開始時間に来てくれたのは一人だけでした。 1限で、雨とはいえ、かなり心細い講義です。 何千ものポケベル爆弾によるイスラエルの国家テロに驚きました。 ヒズボラは、スマートフォンによる位置情報がイスラエル軍にターゲットを教えてしまう、と懸念していたそうです。 すでにイスラエルはハマス幹部を暗殺していました。 報道によれば、イスラエルは、続いてヒズボラ本部と1000か所以上の軍事拠点、武器庫を空爆しました。 それは北部国境地帯にミサイル攻撃を続けるヒズボラを排除し、黙らせるもの

          大学講義ワンショット3 テロ後の秩序

          すばらしい老人たち

          電車に乗っていると、近頃、席を譲ってもらうことがあります。 外観、姿勢、容貌として、老人は老いていきます。 しかし、老いてはいても、人には必ず夢や志があります。 すばらしい老人を見ました。 それは見事に白髪の、カジュアルな服を着た男性が、座席で英語(?)の用語集を勉強している姿でした。 今は、新聞をたたんで読む人はいなくなりました。電車で文庫本を開く人もあまりいません。 皆が、独りで、スマホをのぞいている。 沈黙した車両で、その人の座席には明瞭な意志のきらめきを感じました

          すばらしい老人たち

          大学講義ワンショット2 移民が猫を食べている

          「子供を産まないネコ好き女」を攻撃するトランプやヴァンスの暴言に応えて(?)、テイラー・スウィフトが、かわいい猫を抱いた写真を添え、カマラ・ハリス支持を表明しました。 スプリングフィールドではハイチ人たちが「猫を食べている!」 政府(ハリス)の移民政策について、トランプは怒りを爆発させました。 そんな事実はない、と地元政府や知事がいくら否定しても、トランプ支持者と共和党は、さらに大規模に、この虚言を広めているようです。 アメリカ中西部オハイオ州のこの町が、製造業を失って

          大学講義ワンショット2 移民が猫を食べている

          大学講義ワンショット1 成長のための戦略は?

          今の仕事は大学教員です。 朝、1限の講義に行きました。 自民党総裁選挙でも、立憲民主党の党首選挙でも、日本の経済が成長し、雇用が増え、賃金が上がる、という話を聞きたい人が多いと思います。 加藤氏が「所得倍増」、 石破氏が「地方創生」、と言っても、・・・どうかな? 日本経済が活気をとりもどし、高成長国に変身する、とは容易に信じられません。 枝野氏の「ヒューマンエコノミクス」、立憲民主党の各党首候補が「人への投資」「教育」と言うのも、 それが正解なら、どうして今までやれなかっ

          大学講義ワンショット1 成長のための戦略は?

          定年後の仕事は?

          定年後も働きたい。 ボランティアではなく、有給の職を得たいです。 高齢者の求職は難しい。求人サイトを観ると、介護・福祉、倉庫のピッキング・梱包、工場の簡単な作業、交通整理や警備、・・・。 他にもありますが、社会福祉士、保育士、栄養士、司書、・・・さまざまな資格が求められます。 ソーシャルワーカーなどの知識とスキルを学ぶ機会をハローワークで探すのがよいかもしれません。 スーパーマーケットでカートを集めて並べる仕事。1日で2万歩の作業に十分な体力を求められます。 きびしい

          定年後の仕事は?