大学講義ワンショット2 移民が猫を食べている
「子供を産まないネコ好き女」を攻撃するトランプやヴァンスの暴言に応えて(?)、テイラー・スウィフトが、かわいい猫を抱いた写真を添え、カマラ・ハリス支持を表明しました。
スプリングフィールドではハイチ人たちが「猫を食べている!」
政府(ハリス)の移民政策について、トランプは怒りを爆発させました。
そんな事実はない、と地元政府や知事がいくら否定しても、トランプ支持者と共和党は、さらに大規模に、この虚言を広めているようです。
アメリカ中西部オハイオ州のこの町が、製造業を失って衰退した後、ハイチ難民を吸収して復活した、とKenan MalikやPaul Krugmanは述べています。
「スプリングフィールドはアメリカの他のどの大都市圏よりも多くの高所得者を失い、多くの低所得者を獲得した。町は、アルコール中毒やオピオイド中毒の増加から自殺者数の増加まで、現在多くの他のポスト工業化労働者階級のコミュニティを悩ませている絶望の病に悩まされるようになった。」
市議会はプログラムを作成し、食品サービス会社や物流会社、アマゾンの倉庫、マイクロチップメーカーなど、投資を誘致しました。雇用が増えても、その多くは低賃金です。
勤勉な労働力が足りない中で、それを埋めたのはハイチ人コミュニティーであり、自然災害*やギャングによって秩序が崩壊したハイチにアメリカ政府が認めた難民枠で合法的に入国した人びとでした。
*2016年のハリケーン・マシューと2021年の大地震により壊滅的な被害を受けました。
「移民の流入は、衰退しつつある町を復活させるのに役立った。また、住宅や医療サービスへのアクセスがさらに厳しくなり、緊張も生み出した。人種差別主義者や極右団体はこの問題に飛びつき、町を破壊する「侵略」を口にして緊張を憎悪に変えようとした。主張はますます過激になり、最終的にはハイチ人が人々のペットの犬や猫を食べていると非難するに至った。」
移民は経済成長を促進します。そのために必要な政策と追加の資源、まともな賃金でまともな仕事を作りだす、社会インフラへの圧力を和らげる方法について議論するときでした。しかし、トランプやマスクのような著名人は、卑劣な極右の陰謀論、都市伝説を広め、人種差別的な憎悪を煽ります。
衰退する地域、極端に不平等な社会では、グローバルな経済統合と民主的な政府の役割が、きびしく問い直されます。
石破茂が自民党総裁選挙に勝利しました。しかし、ミリタリズム(軍事力強化・最優先)の勝利ではない、と思います。
地方で苦しむ人たちに心を寄せ、強い言葉で、政治の復権を説きました。
富裕層への課税や、大企業の内部留保に批判的な、「新しい資本主義」の理念を継承し、被災地の支援強化、働く者・貧困層の救済を唱えます。
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