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【漫画】『源氏物語』ってどんな話? — 不思議な予言に導かれ —
今年話題の『源氏物語』。実際どんなお話なのか1ページ漫画にまとめました!
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源氏を導いた予言の内容
『源氏物語』では、夢や占いに導かれ話が展開していくシーンがいくつかあります。中でも物語を貫く最も重要な占いが、第14帖「澪標」に出てくる宿曜の占いだと言ってもよいでしょう。
その占いは次のようなものでした。
御子三人。帝、后かならず並びて生まれたまふべし。中の劣りは、太政大臣にて位を極むべし。
(御子は三人で、帝、后かならず揃ってご誕生になるでしょう。そのうちの最も運勢の劣る子は、太政大臣になって人臣最高の位を極めましょう。)
現代語訳は瀬戸内寂聴。
この占いがあったからこそ、源氏は「将来天皇に嫁ぐことになるかもしれない娘を田舎で育てさせてはいけない」と考え、明石の君の生んだ子を手元に引き取るのです。
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ちなみに、この后になった娘・明石の中宮と、太政大臣になった息子・夕霧は名実ともに(という表現は間違っているかもしれませんが)源氏の子だと言えるのですが、帝になった息子・冷泉帝は、表向きは源氏の父・桐壺帝の子とされています。
源氏は、父・桐壺帝の妻であり、自分の義理の母にあたる藤壺に恋をし、父の目の届かないところで想いを遂げてしまうのです。
一方冷泉帝とは逆に、表向きは源氏の息子でありながら、実は違うというのが薫です。
源氏は晩年になって女三の宮を妻として迎えるのですが、この少女はどうにも幼く(実際13〜14歳程度なので無理はありませんが)源氏が心惹かれることはありませんでした。
しかし源氏にとっては魅力のない少女でも、他の者から見れば違います。女三の宮を垣間見て一目惚れしてしまった柏木は、隙を見て彼女の元に忍び込み、ついには懐妊させてしまうのです。
このことを知った源氏はもちろん心中穏やかではありませんが、数々の浮名を流してきた自分が妻を寝取られたなんて公にすることもできません。そうして不義の子・薫は世間的には源氏の子として育てられるのでした…。
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このように源氏の子どもの出生は複雑ですが、冒頭に紹介した占いでは、表向きのものではなく本当の源氏の子について言及されています。
そのためこの占いは一層真実味が増し、また、全ての真実を知る唯一の者である源氏と読者たちを強く結びつける一本の光として大切な役割を果たしてくれるのです。
ご覧いただきありがとうございました^ ^
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