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テュル活マガジン

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テュル活とは、テュルク的活動のこと。「日常に、ほんの少しテュルクがあると、少しだけ幸福感が増す。」という趣旨でやっている、趣味と実益を兼ねたライフスタイルともいえましょう。 こ…
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2021年7月の記事一覧

そこにあるだけで優勝の世界:オフィスぴの吉所蔵の辞書を紹介してみる

そこにあるだけで優勝の世界:オフィスぴの吉所蔵の辞書を紹介してみる

土曜日ということで、気軽に読んでいただくために今日はライトなネタを一つ。

ちょうどどういうわけだか、ツイッターのハッシュタグで「私の辞書を紹介します」というものがあったので、そういうのなら乗っかりやすいなということで、以下の通り2回に分けてツイートをしました。

辞書ではないものも写っているのはご愛嬌ということで。基本的に本棚にある本全体の8割くらいは語学関連、ざっとみた感覚で7割がテュルク諸語

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【テュル活】『星の王子さま』から入るテュルク諸語(4): サハ語の遠さに触れる

【テュル活】『星の王子さま』から入るテュルク諸語(4): サハ語の遠さに触れる

さてさて、ついにサハ語に言及する時がやってきましたか。先日入手した、星の王子さまテュルク諸語編。サハ語訳も手に入りました。

サハ語。またの名をヤクート語とも言いますが、前者のほうが名称としても浸透しつつあるのかなという印象を持っています。これももちろんテュルク諸語のひとつで、ロシアのサハ共和国の公用語として使われています。

改めて地図で見てみると、むしろ日本のほうが距離的には近いのですよね。た

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「実際のしくみ」の続き(1): 「スポーツをしなさい」

「実際のしくみ」の続き(1): 「スポーツをしなさい」

日頃からけっこういろんなところで自分で宣伝しているのでアレなのですが、以前トルコ語の導入のためのエッセイのような本を書いたことがあります。

おかげさまで現在でもそこそこ好評の(当社比)この本なのですが、本当にいろんなことをはしょりました。書く作業が辛かったのではなく、はしょる作業のほうがつらいのだということを教えてくれたお仕事だったように思います。

それはさておき。
そんなわけで、いろんな細部

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【テュル活】アゼルチャイ(Azərçay)を全力で推す

【テュル活】アゼルチャイ(Azərçay)を全力で推す

知る人ぞ知るアゼルバイジャンの紅茶。バクーに出張などで訪れた際には、必ずティーバッグを買ってアンカラに戻っていました。

それくらいアゼルバイジャンの紅茶はおいしいのです。異論は認めない!(力説)

私は極端なコーヒー派で、紅茶大国トルコに行ってもそれは変わらず。あの、個人当たり消費量が世界一(らしい)の国に滞在してもそれは変わりませんでした。もちろんトルコのチャイはチャイで、よきものなのですが。

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【テュル活】『星の王子さま』から入るテュルク諸語(3):カラカルパク語への小さな未練を思い出す

【テュル活】『星の王子さま』から入るテュルク諸語(3):カラカルパク語への小さな未練を思い出す

昨日手に入れた、『星の王子さま』の訳本。ここ最近で一気に5言語追加しました(お金こそ多少飛んだがね!)。先日のカライム語、カラチャイ・バルカル語に続いてカラカルパク語、サハ語、そしてトルコ語アンテプ方言。

さて、みなさんはカラカルパク語という言語の名前をお聞きになったことはあるでしょうか。

そう、これも知る人ぞ知るテュルク諸語のひとつで、カラカルパクスタン共和国という、ウズベキスタンの国内にあ

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【テュル活】テュルク諸語版『星の王子さま』たち収集の旅は続く

【テュル活】テュルク諸語版『星の王子さま』たち収集の旅は続く

note読者のみなさまにおかれましては、私(@オフィスぴの吉)がテュルク諸語にまつわるあれこれをとにかく集めているという趣味をきっとご存じのことと思います。

『星の王子さま』もその一環。
トルコ語をはじめとして、テュルク系諸言語に翻訳されたものをとにかく集めてみようということで、なけなしのお金を集めまして収集に努めております。最近も、ネタにしたばかり…

そして昨日。追加で注文していたぶんがまた

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連休もテュル活(という名の原稿書き)に

連休もテュル活(という名の原稿書き)に

昨日から始まった、幸か不幸か4連休。今日の趣旨は、タイトルの通りです。本文必要?というくらいですね…。

溜まっている仕事があり、それを借金にたとえると大変な額になってしまうという状況。改めてたとえるのも恐ろしいほどで、それを少しずつでも返さないといけません。

幸か不幸か、この時期に行われるらしい大規模スポーツイベントには個人的には心惹かれる要素がほぼ皆無。立場上というか仕事柄というか、国際交流

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「トルコめしちょっとは作れるおじさんを目指すプロジェクト」(仮)

「トルコめしちょっとは作れるおじさんを目指すプロジェクト」(仮)

ここnoteで記事更新を少し真面目に取り掛かりだしたころ、こんな記事を書きました。まだトルコから日本に本帰国して、1年も経っていないころです。

当地にいながら、食べてばっかりだったこと。肝心の作り方を、ほとんど覚えてこなかったことはやはり悔やまれます。今後誰かと会ったとき、たとえばトルコ語講座で受講生の方と話す機会でもあった日には…

「5年もアンカラにおられたのですか。じゃあ、トルコの料理もお

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【テュル活】語学サークルにアゼルバイジャン語のマテリアルをご寄贈してみた

【テュル活】語学サークルにアゼルバイジャン語のマテリアルをご寄贈してみた

先日、カザフ語の例の方が「トルコ語かアゼルバイジャン語をやりたいな」と書いてあるのを見つけたので、ならばアゼルバイジャン語のほうを見ていただくのがよいかと思い、手持ちのマテリアルの中からもうあまり使わなくなっていたものをご寄贈させていただきました。

こうやって記事のネタになるなら儲けもん…という冗談はさておき、テュルク諸語に関心を持つ若い世代のサークル活動ということで、お役になてるなら、というこ

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「外国を感じる要素」考:オンラインで足りる要素と足りない要素

「外国を感じる要素」考:オンラインで足りる要素と足りない要素

ああ…アゼルバイジャりたい…。(・ㅅ・)

冒頭、一文の文末表現、および顔文字は内輪ネタです。欲望をありのままに書き出す@asaokitanさんに敬意を表しつつ。

いいですよねえ。私ももう10年近くウズべいてない…ウズベキたい… というか、さすらいたい…

それはさておき。
岡山大学の堤良一先生が興味深い記事を書いていらっしゃいます。

今朝、自分がもし同じこと(「日本と外国との違いはなんですか

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「ブルグル」をキメたい欲

「ブルグル」をキメたい欲

bulgur (名) 挽き割り小麦、精麦、またはそれを調理したもの

みなさま、「ブルグル」はご存知でしょうか。ご存知ない?それは可哀想に…(煽)

私はトルコに行って初めてそれに出会いました。まあただの小麦の一種でしょう、と言われればそれまでなのですが、このブルグルのピラフを口にした瞬間、世の中にはこんなおいしいものがあるのかという衝撃を受けたものです。

もっともこのブルグル、そもそもこの素材

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オンライン雑談会に参加してみます

オンライン雑談会に参加してみます

最近フォローしていただいた、ちゃわんさんが面白い企画をしていらっしゃいます。毎月一度くらいのペースで「オンライン雑談会」というのをやっていらっしゃるそうです。

今月のテーマが偶然「海外旅行・海外生活」で、欠員が一人出たと言うのを見てああ、じゃあ参加してみようかなというので申し込みしてみた次第です。

なるほど、テキストだけじゃなくてオンラインでの音声・映像を伴う雑談ですね…言われてみればなるほど

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「カリキュラムにない言語」への道

「カリキュラムにない言語」への道

昨日、とある研究会にオンラインで参加しました。界隈で話題の、この本をめぐるお話。あまり作品そのものへのご言及がなかったのは残念でしたが、それはまた別の話ということで…

さて、この28言語というのは、東京外国語大学で専攻語として開講されている言語の数ですね。この数字をみて、私たちはどう思うでしょうか。つまり、

28言語もあると思うのか、あるいは28言語しかないと思うのか。

世界で話されている言

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【テュル活】『星の王子さま』から入るテュルク諸語(2):ワイ、カライム語とも出会う

【テュル活】『星の王子さま』から入るテュルク諸語(2):ワイ、カライム語とも出会う

「危機に瀕した」カライム語昨日、『星の王子さま』のテュルク諸語への翻訳版としてカラチャイ・バルカル語訳とカライム語訳の2冊が到着した話を書きました。

ということで今日はもう1冊、カライム語のほうの話を。

カライム語にも下位方言があり、そのうちの一つリトアニア方言が、トラカイのユダヤ教コミュニティで話されているということだそうです。自然に、ヘブライ語の影響下に置かれた言語ということになるとのこと

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