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【保存版】HSPと不安障害の違いや発症原因診断など

最初に

HSP(The Highly Sensitive Person)とは、日本語では繊細な人、過敏な人、敏感な人という意味です。最近では繊細さんと呼ばれることもあります。



HSP(繊細さん敏感さん)とは

【HSPの概要】

HSPとはThe Highly Sensitive Personの略で、日本語では過敏すぎる人、敏感すぎる人、繊細な人、動揺しやすい人、感受性の高い人という意味です。「繊細さん」と呼称することもあります。また、子どものHSPをHSC(The Highly Sensitive Child)と呼びます。

HSPは、ちょっとした物音や出来事などに強く反応してしまい、それによって苦痛や問題が生じてしまう人たちを指します。

例えば、救急車や消防車などがサイレンを鳴らして道を走っているとしましょう。普通の人であれば、そういった音については聞こえているな、ぐらいの認識でしょう。しかし、HSPの場合には、そのサイレンの音が非常に大きく聞こえたり、針で突き刺されるような苦痛として体験されたりします。

または、服の素材がザラザラしていたり、ベタベタしていたりすると、それだけでHSPは不快になり、そうした服を着ることができなくなってしまいます。

その他にも、味や臭いに非常に鋭く、普通の人であれば、分からないぐらいの味や臭いを敏感に感じ取ったりもします。

こうした五感(聴覚、触覚、味覚、嗅覚、視覚)が非常に鋭いのが特徴で、その鋭さゆえに苦しんでしまっている人です。そして、それが高じて生きづらさになってしまうこともあります。




【HSPの原因】

HSPの原因についてはまだ解明されていませんが、生物学的な素質、遺伝、元々の生まれ等によるものといわれています。そして、HSPの特徴である感覚過敏や感受性が強いのは偏桃体に原因があるといわれています。

偏桃体とはアーモンドの形をした神経細胞の集まりで、感情の処理の機能があります。HSPはこの偏桃体の働きが一般人よりも強いようです。これが感受性の強さや感覚過敏の原因ではないかといわれています。

こうしたことがあるので、HSPを病院などで医学的に治す、ということが難しいのが現状です。治すのではなく、HSPがより生きやすいように対処法を身に付けていくことが大事になります。カウンセリングも対処法の一つです。




【HSPチェックリスト】

以下はHSPに関する23項目のチェックリストです。自分でHSPかどうかを確認できるセルフチェック方式になっています。

それぞれの質問項目に「はい」か「いいえ」でお答えください。


1.自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ。
2.他人の気分に左右される。
3.痛みにとても敏感である。
4.忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる。
5.カフェインに敏感に反応する。
6.明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などにに圧倒されやすい。
7.豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい。
8.騒音に悩まされやすい。
9.美術や音楽に深く心動かされる。
10.とても良心的である。
11.すぐにびっくりする(仰天する)。
12.短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう。
13.人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)。
14.一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ。
15.ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている。
16.暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている。
17.あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる。
18.空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる。
19.生活に変化があると混乱する。
20.デリケートな香りや味、音、音楽などを好む。
21.動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している。
22.仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる。
23.子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた。


この診断テストで12点以上の場合には、HSPである可能性が高いです。

もし自身がHSPかもしれず、それによってしんどいことが多いようであれば、以下の個別相談から相談やカウンセリングをお申し込みください。





HSPの種類


【HSS型HSPとは】

HSS(High Sensation Seeking)とは刺激探索型といわれます。知的好奇心が強く、刺激を求めます。衝動性も高く、考えるよりも先に行動してしまいます。
そのHSSの特性を備えたHSPを、HSS型HSPと言います。HSS型HSPは刺激に過敏で、傷つきやすいのにも関わらず、強く刺激を求めます。外交的なHSPといえるでしょう。



【HSE型HSPとは】

繊細ではあるけれど、社交的でもあるHSEの特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。具体的には、次のような特徴があげられます。
● チームワークを必要とする作業が好き
● 人と会ったり話したりすることで元気になれる
● 独りになると不安になるため、家に閉じこもることを嫌う
● 自分の気持ちを誰かとシェアしたいと思っている

このように、HSEは社交性がとても高いですが、HSPと比べると外的刺激に触れる機会が多くなるため、精神的・身体的に疲れやすいといった特徴もあります



【HSCとは】

HSC(The Highly Sensitive Child)とは子どものHSPのことです。子どもは一般的に大人よりも感受性が高く、すぐに刺激に反応してしまいます。しかし、HSCの子どもはそうした傾向が一般よりも強く、そのため、さまざまなトラブルを起こしてしまいます。

友人との関係が上手くいかなかったり、教師の指導がうまく伝わらなかったり、家庭の中で親と感情的に対立してしまったりなど、非常に大変な状況になることもあります。



【エンパスとは】

エンパス(empath)とは、共感性(empathy)からきている言葉です。HSPの中でも共感性が高い人達のことです。エンパスは相手の感情や苦痛を自分のこととして過度に感じてしまいます。それによって刺激に左右され、人に振り回されてしまいます。

また、空気を過剰に読んだり、相手の気持ちに過度に合わせたりするため、非常に疲弊してしまいます。




HSPの特徴

HSPには大きく分けて4つの気質的な、性格的な特徴や傾向があるといわれています。そのそれぞれの頭文字をとって「DOES」といいます。


【処理の深さ(Depth of processing)】

HSPは感覚的な刺激を強く、深く受け取り、処理する傾向があります。そのため、長い時間考えたり、物事を深く掘り下げて考えたり、生真面目に受け取ったりします。

あまりにも深く考え込み過ぎてしまい、うつ症状になってしまうという傾向もあります。



【刺激の受けやすさ(Overstimulated)】

人間は無意味な刺激や過剰な刺激にはフィルターをかけ、あまり感じないようにします。そして、重要な事柄のみキャッチし、把握します。しかし、HSPはこうしたフィルターが弱いため、全ての刺激が心の中に入り込んでくるという特徴があります。

そのため、一度にたくさんの情報を処理しなければならないので、疲労感や倦怠感などの症状ができることもあります。



【情緒的な反応と高い共感性(Emotional reactivity and high Empathy)】

感情や情緒が揺さぶられやすく、強く反応してしまう特徴があります。人の考えや気持ちを察知し、同情や共感をしてしまい、相手に入り込んでしまう傾向があります。そのため、人との関係に巻き込まれたり、巻き込んだりしてしまい、トラブルになってしまいます。感情不安定といった症状になることもあります。

反面では、芸術や文化に強く惹かれ、感動することができます。また人の傷つきを理解しやすいため、人に対して優しく接するといった良い特徴も見られます。



【些細な刺激に対する感受性(Sensitivity to Subtle stimuli)】

刺激をキャッチする五感の感度が非常に強く、通常であれば知覚できないような感覚もキャッチしてしまいます。そして、キャッチした感覚を長い時間にわたって感じ続けてしまう傾向があります。

そのため、大きな音や騒がしいところでは非常に苦痛を感じたり、疲れてしまったりします。人から言われた些細な事柄にひどく傷つき、それを引きづり、後々にわたるまで覚えていたりします。

それが時にはうつ症状や不安症状になったりすることもあります。




HSPの克服方法

自分自身がHSPである場合と、家族などの身近な人がHSPである場合の2つについて、HSPの改善方法・克服方法・治療方法を解説します。


【HSPが自身で行えること】


●活動と慣れ


敏感さがあるからといって、刺激をさけ、安全にだけを気を付けて生活をすると、さらに刺激に弱くなっていきます。ですので、反対に、活動し、趣味を見つけ、外に出ていくことが必要です。刺激に徐々にさらすことによって慣れていくでしょう。

ただ、これは鍛えれば良いということではありません。ただ苦痛を受けるだけでは無意味です。大事なことは、その活動に何らかの意味や面白さを見つけて克服していくのです。


●睡眠


過敏性のため、ちょっとした物音で起きてしまい、熟睡できないことがあります。そして、また寝られないのではないかと不安になり、それによってますます寝られなくなります。

そうした時、寝ることができないのであれば無理に寝ようとせず、ただ眼を閉じてじっとしているだけでも良いでしょう。それだけでも周りからの刺激を減らすことができ、睡眠に近い状態にしていくことができます。

こうしたことで睡眠を改善することで、結果的に気持ちや心にゆとりが生まれます。それが結果的にHSPの克服に繋がります


●安全基地を持つ


HSPは強い刺激にさらされており、その苦痛と疲労はとても大きいでしょう。だからこそ、自分だけの安全基地を持つようにしましょう。疲れたとき、苦しいとき、傷ついたときには、安全基地に逃げ込み、自分を癒し、大事にし、エネルギーを蓄えましょう。

これは引きこもりとは違います。引きこもりは長期にわたるものであり、それによって社会的な機会をたくさん失ってしまいます。安全基地は一時的で、部分的なものです。回復すれば、また安全基地から出て、頑張っていくのです。

安全基地を持つという改善方法は非常におすすめです。



●距離をたもつ

HSPは人の言動や感情に振り回されてしまいます。そのために疲弊してしまいます。人は人、自分は自分と分けて考えていきましょう。

そして、人に対してできることとできないことを見極め、できることはし、できないことはしないと割り切れると良いかもしれません。

これは人に対して冷たくするということではありません。自己中心でもありません。自分の人生の方を大切にできるのも効果的な改善方法・克服方法です。



【HSPの周囲の人が行えること】


●HSPの特徴を知る

まず、HSPの特徴を知ることが一番大事でしょう。HSPとはどういう特徴があり、どういう行動傾向があり、どういうことに弱みがあり、どういうことに強みがあるのか、を理解することで見えてくることがたくさんあります。

また、HSPの特徴だけではなく、その人の個性も含めて理解できると良いでしょう。理解され、受け入れられるという体験はHSPだけではなく、どんな人でも多かれ少なかれ、心地よい体験となります。

こうしたことがHSPの人の改善や克服を手助けするのです。



●HSPの良いところを褒める

HSPは弱みもあれば、強みもあります。弱みだけを見てしまうと、改善させようとか頑張らせようとかいう意識になりがちです。それは存在そのものを否定することになってしまいます。

敢えて強みに目を向け、頑張っているところや良いところを見つけ、積極的にそれを称賛し、評価し、伸ばしていくようにすると良いでしょう。それによって自信がつき、さらに積極的な行動になっていくことでしょう。

そうすることによって、HSPが自発的に改善に向けて、克服に向けて、治療に向けて、自ら動き出すでしょう。



●HSPをそっと見守る

HSPは強い刺激によって疲れてしまいやすいです。疲れてしまっているときには関わることを避け、そっとしておいてあげましょう。HSPは一時的にひきこもることにより、疲労を癒し、回復しようとしているのです。

ただし、そっとしておくことは、ほったらかしにするということではありません。注意や関心は向けつつ、今どうしているのかは観察しながら、適切な時に声をかけることも見守る内に入ります。

こうしたことがあるとHSPもエネルギーを補充することができます。そして、改善に向けてまた取り組むことができます。



●HSPとの穏やかなコミュニケーション

HSPと会話をするときには、ゆっくりとしたスピードで、やわらかい口調で、はっきりと伝えると良いでしょう。こうしたように周りの人が改善することもできます。

HSPは人の感情や気持ちに敏感で、時には被害的に受け取ってしまうこともあります。ですので、ある程度自己開示をし、こう思っているよ、とか、こんな風に感じているよ、とか、怒っているわけではないよ、といった思いや考えをHSPに率直に伝えると良いでしょう。

感情的になってきつい言葉をぶつけたり、言っていることと行っていることがバラバラだったり、一度にたくさんのことを言ったりすると、HSPは混乱してしまいます。

周りの人の改善や克服に手助けするためにこうしたコミュニケーションを実践できると良いかもしれません。




HSPの治療とカウンセリング


【HSPの生きづらさに対するカウンセリング】

HSPによって、生きることや生活することに絶望し、自身の人生を否定してしまっている場合もあります。
もしくは、スムーズに生きることができないことのやるせなさを強く感じてしまうこともあるでしょう。
周りの人は楽しく生活できているのに、HSPだからこそ、一つ一つにこだわってしまって、それが楽しさを半減させてしまいます。
そのため、生きづらさを感じ、全てが嫌になってしまっているかもしれません。
これまでの人生を振り返れば、理解できます。しかし、過去の人生をすべて否定してしまうと、生きる希望もなくなります。
人生に絶望し、楽しみもなく、気分が落ちて、意欲もなくなってしまっているのであれば、専門家に相談し、カウンセリングを受けると良いでしょう。
私が実施しているカウンセリングでは、これまでの過去の人生を振り返り、あらたに見直し、別の見方がなかったのかをカウンセラーと一緒に探すことができます。
HSPの問題だったのか、それとも関係なく個人の問題だったのかをカウンセラーと一緒に検討して、区分けしていくことも有効でしょう。
これは悪かった部分を否定するわけではありません。良い面も悪い面も両方取り上げ、自身の人生をあらたに捉えなおしていく作業です。
こうした作業は時には大変苦しい思いをすることもあるかもしれません。
ですので、カウンセラーはHSPの立場に立ち、苦しみを一緒に背負い、HSPのペースに合わせて、カウンセリングをしていきます。




HSPと混同される他の障害


【不安障害】

不安障害は過度な不安とそれによる不適切な行動をしてしまうという特徴があります。不安が強いため、些細な事柄にも過敏に反応してしまいます。過敏さや敏感さというところで非常に似ているといえるでしょう。

不安障害は薬物療法や非合理的な認知の修正などの治療が必要になります。であるにも関わらず、HSPと診断してしまうと、こうした必要な治療が受けられなくなるのは問題かもしれません。

具体的にカウンセリングでは認知行動療法などを用いて、認知の修正などに取り組みます。




不安障害とは

不安障害には、パニック障害・強迫性障害・社交不安障害・心気症・恐怖症といった種類があります。その不安障害の原因、症状、種類、治し方、治療などを解説します。


【不安障害の原因】

不安とは非常に苦痛な感情ではありますが、人間が進化の過程で獲得した、生存のためには重要なものです。不安があるからこそ、危険なことを避け、死のリスクを下げることができます。

そうした意味でも不安は危険信号、アラームのような役割をはたしています。しかし、そのアラームが何らかの原因で誤作動を起こしてしまうことを不安障害と言います。



【不安障害の種類】

パニック障害(特定の場所や状況でパニック発作を起こすことや、そうした場所や状況を回避する)

  • 強迫性障害(落し物や不潔など些細なことが気になり、何度も確認したり、何度も洗い流そうとしたりする)

  • 社交不安障害(人からの視線や評価を過度に気にしてしまい、それを避けたりする)

  • 心気症(自身が何か大きな病気になっているのではないかということを過度に気にしてしまう)

  • 恐怖症(閉所、暗所、高所、尖端、動物など特定の物体や場所を過度に怖がること)


上記のいずれも不安の強さゆえに、その不安を感じさせるものを遠ざけようとしたり、避けたりしてしまい、結果的には避けることのほうが日常生活の支障となってしまいます。

たとえば、パニック障害であれば、パニックになることを恐れ、電車やバスに乗らないようにすることで、通勤や通学ができず、ひきこもってしまったりします。ひきこもっている間はパニックは起きないのですが、パニックを起こさないようにするための引きこもりのほうが社会生活の問題となってしまいます。



不安障害の治療

不安障害の治療についての概要やポイントを解説します。不安障害に対しては大まかには2つのアプローチがあります。



【不安を和らげる】

一つは不安を和らげる方法で、薬物療法やカウンセリングになります。抗不安薬は素早く不安を和らげます。しかし、対症療法なのでその場しのぎになりかねません。また副作用があります。

カウンセリングでは、不安なことを話し合うことにより、不安が低下し、客観的に物事を見ていけるようになるでしょう。長期的に根本から治したい方はカウンセリングがいいのかもしれません。




【不安に曝露する】

2つ目のアプローチは不安を和らげることとは反対のことをします。つまり、逆に不安を高め、その不安に直面し、不安に慣れて行くという方法です。エクスポージャー法や曝露法とも言われ、認知行動療法の中の一つの技法として位置づけられます。

不安なものに直面していくのは最初は非常に恐ろしいですが、繰り返すことにより徐々に慣れて行くことができます。


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