最先端神経治療「ニューロフィードバック」
ニューロフィードバックの治療対象
ニューロフィードバックとは
ニューロフィードバックは主にアメリカと韓国で発展してきた脳神経の医療です。
特にアメリカでは、副作用がほぼないことからとっくに保険適用になって高い実績を上げているようですね。
以前紹介したデイヴ・アスプリーなどは自宅に専用機器を持っているらしいです。
医療カテゴリ的にはバイオフィードバックといわれる治療法の一分野です。
バイオフィードバックは、自分の身体反応に関する情報をリアルタイムで確認(フィードバック)することで自己調節を訓練する方法で、筋電図や心電図などが使用されます。
つまし、過緊張やパニックに陥っている時、本人はそのことを認識できないことが問題の根本にあるわけですが、生理的な情報を数値で客観的に把握して、精神症状が出る兆候に気づけるようにしたり、あるいは無意識に正常な精神状態を保つことができるようにする医療的トレーニングです。
ニューロフィードバックはそれを脳波で行い、精神状態のコントロールを行う訓練をします。
ニューロフィードバックの原理
過去の僕が受けた治療では、脳波を測定後にセラピストがプロトコル(治療法)を選択し、PCの画面に映る映像を15~30分程度見続けるというセッションを、5~6回繰り返しました。
耳や頭部に機器を付け、リアルタイムで脳波を計測しながら行います。
(単に計測しているだけなので電流が流れたりするわけではありません)
脳波の状態が正常に近づくと、画面に映る画像が鮮明になったり、あるいはゲームの画面がサクサク進み、見てて心地よい状態になっていきます。
ちょうどいい姿勢になるように寝返りをうつ。
奥歯に野菜の切れ端がはさまっていたら、舌を動かして取り除こうとする。
人はこういう事を何も考えず行っています。
自覚すらないこともあります。
その性質を脳波の状態を安定させるために利用するのが、きわめてシンプルなニューロフィードバックの原理です。
うつ病、発達障害、てんかんといった、神経や精神の病名がついていなくても、自分の精神状態をコントロールすることはとても難しいことです。
なので、自分で感知できない「脳がどんな状態にあるか」を見える化し、それを単純な映像や音に関連付けることにより、無意識に学習をさせていくことがニューロフィードバックです。
腕のいいセラピストのもとで施術を受ければ、何も考えずとも無意識に神経が動き、日常できない精神的の安定や集中のコントロール(いわゆるゾーンに入る等)が容易になります。
治療効果と前提条件
以上の理屈でニューロフィードバックという神経医学的療法は成り立っていますが、理屈と現実を結びつけるのは治療実績に他なりません。
これが正しい意味でのエビデンスです。
そこに関してどうやって素人が判断すればよいでしょうか?
論文は様々にありますが、それらの中の統計的な情報を読み取ることは学会と業界全体の事情にかなり詳しくないといけません。
が、ここに関しては欧米ですでに保険適用になっていることから症例研究の量は十分でしょう。実情としては、単に日本に情報が入ってきづらいだけです。
(もちろん精神科の処方薬も保険適用ですが、こちらは症状緩和が目的であり、治療のためのものではありません。)
後はいかに優秀なセラピストを見つけるかです。
僕が推すのは、東邦医大の田崎美弥子先生です。
世界中にたくさんあるニューロフィードバックの資格認定団体ですが、BICA(バイオフィードバック認証国際同盟)の資格を持つ数少ない日本人の方です。
ここの資格を取るのは大学の研究者レベルの人なので医師になるより難しいと思います。
ただし、下記の記事でも述べましたがすぐに治療を受けることはできないケースが多いと思います。
なぜか?
内科的治療(脳と身体の治療)がひと段落ついていることが前提条件だからです。
内科的・化学的な治療で脳と身体の状態を正常化したのちに、本来ポジティブな経験によって回復・成長していく人間の精神の強度を神経治療で補うのがニューロフィードバック・ニューロモデレーションの理想的な活用だからです。
そしてまた、それらを心理療法と並行していくことも早期完治のための大切な条件です。
発達障害/精神疾患等の治療の全体像について詳しく知りたい人は下記の記事を読んでみてください。
僕は初めて田崎教授と連絡を取った時、腸の状態を確認するために子どものころからの食生活等をつぶさに尋ねられました。
結果、すぐには受けられないことが分かり、バイオレゾナンス医療(および自己流療法)による腸壁の修復と心理療法によってクローズド就労に持ちこんだ経緯があります。
その後に満を持したつもりでニューロフィードバックを受けたのですが、僕の方で重要な見落としがあり、満足な治療効果を得られませんでした。
腸壁の修復はできていたのですが、それまでに体内に取り込んだ有害物質の排出が全くできていなかったことによります。
複数ジャンルの医師に指摘されていた脳内の重金属(水銀、パラジウム、鉛、アルミニウム等)の問題を放置していたからです。
(重金属の影響があるとニューロフィードバック・ニューロモデレーションの効果があまり得られないことは教授自身の見解でもありました。)
なので今後、内科的な治療を完璧に終わらせたのちに、僕が真っ先に受けたい神経治療でもあります。
つまり、発達障害/精神疾患の範囲だけではありませんが、いかに有能な医療従事者を見つけることができても、治療の成否を握るのは最終的に自己の判断なのです。
検査結果の何を渡すべきか、どんな症状をどうしてほしいのか、必要にして十分なことを伝えることができるかにかかっているわけです。
あなたのことを一番よく知っているのは、あなた自身に他なりません。
次章では、ニューロフィードバックを受けた時に体験した感覚と、他の神経治療(TMS等のニューロモデレーション)との違いについて解説します。