雨上がりの苗場で、ELLEGARDENを観た
【7/26(金) ELLEGARDEN @ 「FUJI ROCK FESTIVAL'19」GREEN STAGE】
ELLEGARDEN、11年ぶりのフジロック出演。
編集者/ライターとして、あまりにも無防備なこの言葉を使うのを憚られる気持ちになるが、正直に伝えたい。
まるで、夢の中にいるような時間だった。
彼らの活動再開の報せが届けられてから、約1年2ヶ月が経つ。昨年のツアー「THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018」を経て、今年に入ってからも、ELLEGARDENの4人は「当たり前」のようにライブを敢行している。
それでも、いやだからこそ、この表現を使わせて欲しい。2019年の今、ELLEGARDENのライブを観ることには、どうしたって「特別」な意義が宿る。
今回の公演は、熱心なリスナーが集まるワンマンライブや主催ツアーとは異なり、不特定多数の参加者が集うフェスのステージだ。
だからこそ細美は、バンドの個の物語を語ることを遠慮しながらも、ELLEGARDENを信じて待ち続けてきた僕たちリスナーへ向けて、真摯にこう語りかけた。
「せっかく時計の針が動き出したんで、ガキの頃には思いつかなかった新しい夢を一緒に見ましょう。」
そう、彼らの活動再開は、決して一過性のものではない。この先の未来へと、物語は続いていくのだ。
「新しい夢」という言葉に、どれだけ多くの人が心を打たれただろうか。どれだけ多くの人の想いが報われただろうか。そして、どれだけ多くの人が救われただろうか。
「あり得ないんじゃねえかってことも、起こるんだよ。俺たちの人生には、たくさん。」
その言葉の意義を深く味わうような、あまりにも美しく、輝かしい時間であった。
雨上がりの客席エリアは、数え切れない参加者たちの涙と笑顔で満ち溢れていた。その光景に、胸がいっぱいになる。
《I am dreaming of a girl rocked my world/南北へ続く高架線/この先にはきっとあるとささやいてる》("高架線")
《雨の日には濡れて 晴れた日には乾いて/寒い日には震えてるのが当たり前だろ/次の日には忘れて 風の日には飛ぼうとしてみる/そんなもんさ 僕らは ほら》("風の日")
《いつだって君の声がこの暗闇を切り裂いてくれてる/いつかそんな言葉が僕のものになりますように/そうなりますように》("ジターバグ")
《積み重ねた 思い出とか/音を立てて崩れたって/僕らはまた 今日を記憶に変えていける/間違いとか すれ違いが/僕らを切り離したって/僕らはまた 今日を記憶に変えていける》("虹")
《Make a wish You'll be fine/Nothing's gonna let you down/Someone's there next to you holding you/Along the paths you walk》("Make A Wish")
言うまでもなく、この物語の主人公は、ELLEGARDENの4人、そして、僕たちだ。
「新しい夢」を、みんなで一緒に見たい。
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