【RIJF2019 ライブレポート】 BUMP OF CHICKEN、3年ぶりの帰還。「ひたちなか、アイラブユーだぜ!」
【8/10(土) BUMP OF CHICKEN @ 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」 GRASS STAGE】
「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の長い歴史において、数え切れないほどのハイライトを彩ってきたBUMP OF CHICKEN。 このフェスの20周年を祝福するために、4人が3年ぶりにひたちなかに戻ってきた。
今回のステージは、現在敢行中の全国ツアー「aurora ark」のモードを色濃く反映したものであった。
しかし言うまでもなく、ロックフェスは彼らのファンのみならず、不特定多数の観客が集まる場である。
今日、初めてBUMP OF CHICKENの音楽に出会った人もたくさんいただろう。そして、数年、十数年ぶりに、彼らの音楽に触れた人も少なくなかったはずだ。
それでも、全ての参加者を、等しく、優しく、大らかに包み込む普遍性が、今の4人が鳴らす音楽には確かに宿っていた。
"天体観測"も"車輪の唄"も"ray"も、そして"記念撮影"も、同じように温かく、切なく、そして、同じように輝かしい。
僕は、全国ツアー「aurora ark」の初日公演を観たが、その時と比べても、より圧倒的に開かれたコミュニケーションが成り立っている光景に圧倒された。それも、このフェスの場で、である。
ステージの上に立っているというのに、そして、約20年にわたって邦楽ロックシーンの王座に居座り続けているバンドだというのに、不思議なほどに等身大である。まるで、同じソファーに座る親密な友人が優しく語りかけてくれているかのようだ。
2013年頃からだろうか。BUMP OF CHICKENは、楽曲の構造とコミュニケーションの回路を意識的に変革し続けてきた。それは、まだ出会ったことがない「あなた」と繋がるために他ならない。
その4人の勇気が、覚悟が、意志が、この夜、一つの結実の形を見せた。 特に、"新世界"が切り開いた歓喜の光景は、言葉を失うほどに美しいものだった。
今日、初めて彼らの音楽に出会った人が羨ましい。この出会いには、きっと「あなた」にとって、かけがえのない意義があるはずだ。
アンコールで披露されたのは、"カルマ"、そして"ガラスのブルース"。長年にわたりBUMP OF CHICKENの音楽と共に生き続けてきたファンは、報われるような想いを抱いたことだろう。
藤原基央は、こう語った。
「このフェス、20年も続いてるってすげえことで。簡単なことじゃない。一人ひとり、あなたみたいな、君みたいな、音楽が大好きな君たちが支えてくれているおかげで、ロックフェスは続いていく。本当にどうもありがとう。」
感謝の気持ちを伝えたいのは、僕たちのほうだ。
「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」にとって、いや、この国のロックシーンにおいて、BUMP OF CHICKENの存在が、いかに大きなものであるか。
この夜、改めて思い知った。
【関連記事】