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「ライブストリーミング・ショッピング」は「タッパーウェア販売モデル」をデジタル化し得るか?
ここ一年間くらいなのだけど、小売業界の流れで一番気になっているのが「ライブストリーミング・ショッピング」の静かなる台頭だ。
ライブストリーミング・ショッピングは中国ではもうすでにビッグで、パンデミックがこれに(当然のことながら)拍車をかけたといわれる。ロックダウンで店舗の休業を強いられた個人店舗のオーナーが急遽ライブストリーミング・ショッピングに切り替え、顧客とチャットしながらお店で接客するのと
「ダラー・ストア」はフード・デザート(食の砂漠)の救世主になりうるのか?
今、すごく気になっていることのひとつに、英語(アメリカ)では「ダラー・ストア」と呼ばれる、「エクストリーム・ディスカウンター」の存在がある。名前が示すとおり、「ダラー」、つまり、日用雑貨を中心に1ドル程度の価格で販売する小売店舗フォーマットのことだ。日本でも知られているウォルマートやターゲットが、従来的な意味での「ディスカウンター」であるとするならば、彼らよりも価格帯を低く設定して、徹底的に価格で
もっとみる「サステナビリティ(SDGs)」のビジネス好機
自分が創設した会社(「ダイパーズ・ドット・コム」のブランド名で知られる「クイッツィ」という会社)をアマゾンに買収された挙句潰され、自らも数年アマゾンで働いたけど(被買収企業の役員を買収後数年はリテインするというよくある契約だ)そののち「打倒アマゾン」を掲げてマーク・ローリーがオンライン・マーケットプレイス「ジェット・ドット・コム」を立ち上げたときには、まるで復讐劇のようだなとビジネスのロマンを感じ
もっとみるチョバニIPO(株式上場)への懸念
今、個人的にとても気になっていることがあるので、今日は「それ」について書くことにした。
「それ」とは、アメリカで「ギリシア風ヨーグルト」をポピュラー化した「チョバに」という会社の株式上場計画のことだ。
過去10年以上(正確にいうと12年間くらい)の間、僕の研究分野のフォーカスはアメリカのインターネット・ビジネス(特に流通)に加えて、企業文化と新しい経営思想のトレンドだった。その関連で、ザッポスの
ペット用品と「コミュニティ/ソーシャル」の関係
今朝(米国時間2月11日)、ビジネス・ニュース・サイトを見ていて、「あれ?」と思ったニュースがあった。
P2Pのオンライン・マーケットプレイスとして大人気のポッシュマークが、ペット・カテゴリーに参入するというニュースだ。
「P2Pオンライン・マーケットプレイス」というのをもう少しかみ砕いていうと、僕らのような一般生活者で、「売りたい」ものを持っている人と、「買いたい」人をつなげてくれるサイトだ
「情報の中抜き」、その行方は?
過去20年間にわたる「インターネット・ビジネス」の観察・研究の中で、個人的に最も興味をもったビジネス分野をひとつあげるとすると「デリバリー」だ。「デリバリー」という言葉は広範囲にわたるサービスおよび業態をカバーする。古くから日本にある「出前」や「酒屋さんの御用聞き」が定期的にお酒やお米を届けてくれるサービスも「デリバリー・ビジネス」だし、アマゾンなどのネット通販も「デリバリー・ビジネス」だ。また、
もっとみる米ネット・スーパー市場、成長の落とし穴
コロナ感染症の拡大抑止のため、僕の住むロサンゼルスが「ロックダウン」になったのが昨年(2020年)の3月、それ以来、いわゆる「ネット・スーパー」を利用することが増えた。
と、いうのも、ロサンゼルスでは、日々の新規感染者数(検査の結果、感染者だと「確定した」人の数という意味だ)が1万5,000人、死者が200人を超える日もあったからだ。とくにスーパーは感染リスクが中の下から中の上と言われていて、さ