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美しい日々

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この物語はフィクションです。
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記事一覧

突然「今日から入院」と言われる(初日)

 カルテを見ながら、ああ、だめだねと冷たい声で医者は言った。  「あなたね、今日から入院…

友山奏也
4年前

最後の牛丼を食べる

 自宅。この景色もしばらくの間見納めかと、しばらくソファに佇む。妻の携帯に電話したが出な…

友山奏也
4年前

何の決意もなく入院する

 気持ちとは裏腹に道は空いていて、すぐに病院に着いてしまう。午後になり外来の患者も減った…

友山奏也
4年前
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薬を大量に出される

 「先生からお話があります」と院内放送で呼び出され、三階のナースステーションに向かう。 …

友山奏也
4年前

うんちの回数を教える(2日目)

 六時半に朝の検温に来た看護婦に、肩を揺すられて目が覚めた。朝の検温時は、昨日の尿と便の…

友山奏也
4年前

病棟を徘徊する

 朝食のあとで、病棟内を少し歩いてみた。三階はエレベーターを降りるとまずナースステーショ…

友山奏也
4年前
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検査でたらいまわしにされる

 午後は検査がいくつか続いた。二階の面談室でまず視力検査と聴力検査を受け、続いて胸のCTを撮り心電図と血ガスの検査も受けた。  視力検査はおなじみの、円の上下右左どこに穴があるかを答えるものだった。視力は幼少の頃から落ちておらず、両目とも一番小さな円まで答えられて、眼鏡をかけた女性検査官に「素晴らしい」と褒められる。  聴力検査は掃除用具入れのような狭い箱に入れられ、方耳だけヘッドフォンをつけて音が聞こえたらスイッチを押すものだった。次第に検査音と耳鳴りの区別がつかなくな

急に妻が来る(4日目)

 朝食のあと、ひとり屋上に上がると、北北西に富士山が見えた。病室の冷房温度はそれほど低く…

友山奏也
4年前

鏡を見て泣き出しそうになる

 妻を見送り、部屋に戻ると、無人の病室でカーテンが風に揺れていた。廊下から「風呂だよ」と…

友山奏也
4年前
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女子高生の幽霊を見る(11日目)

 「何それ」  夜、モリオのベッドのサイドテーブルに数十冊のマンガが積んであった。表紙は…

友山奏也
4年前
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幽霊の正体を推理する(12日目)

 「見舞いに来た人に、もう来なくていいって言うのって、どんなとき」  幽霊より嫌なものを…

友山奏也
4年前
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いじめを目撃してしまう(17日目)

 妻の誕生日を忘れていたことを二日前になって気づく。プレゼントは退院後に渡すとしても、花…

友山奏也
4年前
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夜中に病院を抜け出そうと誘われる(20日目)

 深夜に病院を抜け出してどこかへドライブに行こうと言い出したのは浅田さんだった。いかにも…

友山奏也
4年前
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夜中に病院を抜け出して海へ行く

 三階担当の夜勤が寺池だということが、夜七時の検温で判明した。寺池は見周りの際、カーテンを開けて患者の顔を確認しない。らしい。  「それじゃあさ、十一時過ぎたら、ひとりずつトイレのすぐ横の階段を降りて、職員玄関を出たら大沢君の車に集合ね」  夕食後のトランプがお開きになった際、念を押すように二瓶さんが言った。  「車の鍵を持ってる大沢君が最初に部屋を出るんだよ。もし見つかっても、トイレどこでしたっけ、とか言ってごまかすんだよ」  深夜の見廻りは消灯時、十一時、深夜二時