とこなつの旅人

2020年8月5日、旅に出る。

とこなつの旅人

2020年8月5日、旅に出る。

最近の記事

旅ログ067 東武練馬〜東長崎

快晴だ。 活気のある商店街を東へ歩き出した。 陽の当たるところは暖かく、影のところは寒い。 じっとしていると寒いが、歩くと温かい。 そんな季節だ。 すぐに「環状8号線」に行き当たり、私はおよそ1年ぶりにメトロポリスへ足を踏み入れた。 ここからしばらくは、人の多い土地を旅することになるだろう。 南東へ進むと、葉の色づいた木が並ぶ公園へやってきた。 風が吹いて葉が舞い落ちるこの季節ならではの景色を、しばらくぼーっと眺めてしまった。 そして公園の南側には川が流れていた。 こ

    • 旅ログ066 和光市〜東武練馬

      薄寒い曇り空の下、東へ向かった。 また随分と長く和光市にとどまってしまい、季節がかなり進んでいる。 道端には、冬の神聖なお祭りで使う飾りを売る小さな屋台が出ていた。 くねくねとした住宅街を歩き、川を越えた。 そしてさらに東へ向かい、ひっそりとした公園に入った。 芝生はまだ濃い緑色なのに、そこに落ちている葉は赤や黄色で、配色が美しい。 公園の東側には、何かを祀っているらしい、小さな小さな滝があった。 ここは何か神仏にゆかりのある場所なのかとふと周りを見渡して、私は驚い

      • 旅ログ065 新座〜和光市

        はるか西のほうから台風が近づいてきている、ということは承知の上で歩き始めた。 空には雲が立ち込めている。 コスモスが咲いていて、きれいだけど、もう夏は終わりなのかと少し寂しく思う。 北東へ進むと栗畑があった。 初めて新座市に足を踏み入れたときも栗畑を見た。 産地なのだろう。 ここの栗畑はずいぶんと芝生が手入れされているなと思ったら、ゴルフの練習コースを兼ねていた。 なんという土地の有効活用だろう! しかしこのあたりの土地は、かなり雑然としている。 住宅、畑、商店、工場が

        • 旅ログ064 所沢〜新座

          歩き始めると、雨がぱらぱらしてきた。 今日はまだ所沢(ところざわ)の町にとどまったほうがいいかもしれないと、少しだけ思った。 でもこの季節にしては気温が低く、かんかん照りの日よりもむしろたくさん歩けるような気がした。 このまま小雨でいてくれれば、という期待に賭けて、私は進むことを決めた。 北へ進むと川が流れていた。 東川(あずまがわ)という川らしい。 泡が浮いていて、水はあまり澄んでいないようだ。 でも湿気を吸い込んで元気そうな植物を眺めるのと、流れる水の音を聞くのが心地よ

          旅ログ063 武蔵大和〜所沢

          武蔵大和の駅から、北へ向かってぐんぐん坂を上った。 そして降った。 多摩川の向こうの山の国からはだいぶ離れたけれど、起伏の激しい土地のようだ。 のどかで、小学校の敷地からは水泳の授業ではしゃぐ声が聞こえてくる。 小さいけれどきれいな川に行き当たったので、川沿いを下流へ進むことにした。 鯉が泳いでいた。 川沿いで見つけた掲示によると、1000年以上前に人が住んでいた跡が残っている土地らしい。 水が豊かな証だ。 小さな踏切をわたると、その向こうは森になっていた。 ここより

          旅ログ063 武蔵大和〜所沢

          旅ログ062 高松〜武蔵大和

          昨日は夏至であり、梅雨入りの日だった。 今日は雨が上がり、蒸し暑い。 車体が線路を抱えて走っている列車は「多摩モノレール」という名前らしい。 高松の駅からしばらく、その線路の下の道を北へ進んだ。 賑やかな施設がたくさん集まる土地のようだ。 その道をそれて住宅街へ入ると、急に静かになった。 学校の前には、東京都の指導者を選ぶ選挙の掲示板が立っていた。 やがて私は、川に突き当たった。 これまで幾度となく出会った人口の川(旅ログ005/016/023/034)の、今までで1番

          旅ログ062 高松〜武蔵大和

          旅ログ061 谷保〜高松

          谷保の町から北へ進むと桜並木の街道があり、新緑が美しかった。 その道を歩いてもよかったのだが、1本北側の静かな細い道を選び、西へ向かった。 子ども心が刺激されるような看板を見つけた。 先日膝を痛めてしまったので(旅ログ60)、今日は体のようすを見ながら歩きたい。公園のベンチで、少し長めに休憩をした。 このあたりは道や公園にごみがなく、町が上品な感じがする。 メトロポリスとはだいぶ違う。 そこからまた北へ進むと、なんだか細長い公園があったので、その中を歩いた。 公園が終

          旅ログ061 谷保〜高松

          旅ログ060 京王永山〜谷保

          今日は北へ進むことにした。 川沿いに植えられた桜が満開を少し過ぎて散り始めていて、とても美しい。 このときこの場所に春が凝縮されているようだ。 シジュウカラとウグイスがやたらと鳴いているのが聞こえる。 季節を満喫しながら、息がきれるほどの坂を上り、降った。 そしてそのひと山を最後に、私は多摩川様のこちら側、山の国を離れることにした。 久々に橋をわたり、旅を始めた北の土地へ。 河川敷には菜の花が咲き乱れていた。 橋の上から南西の方を眺めたら、すごい数の山が連なっているのが見

          旅ログ060 京王永山〜谷保

          旅ログ059 稲城〜京王永山

          北西へ向かって歩き出し、ぐーっと坂を下った。 どうも本能的に、下りすぎると不安になって高い方へ進みたくなる。 なので階段を登る道を選んだ。 登りきったら桜が満開だった。 春だ。 稲城の町は美しい。 いつか訪れたひばりが丘(旅ログ002)や光が丘(旅ログ037)と似た人口的な雰囲気があるのに、人が少なくて土地がゆったりしている。 勾配があるのも美しさにはプラスなのかもしれない。 「多摩ニュータウン・ファインヒルいなぎ」と書かれた看板を見つけた。 看板のひび割れがすごい。

          旅ログ059 稲城〜京王永山

          旅ログ058 生田〜稲城

          生田の駅のすぐ南には川が流れていた。 流れがゆるやかで少し濁っている気もするが、この川沿いを上流へ、西へ向かって歩くことにした。 空気は冷たいけれど、桜か桃か、春らしい薄紅色の花が咲いている。 しばらくして川から北にそれると、急な上り坂になった。 そして、舗装されていない山道に入った。 どうやら多摩川のこちら側は、山の国らしい。 また左右どちらとも土地が低くなっていて、ここが尾根道なのだろう。 1kmほど林の中を歩き、舗装された土地に出たら、何か強そうな名前の人たちが

          旅ログ058 生田〜稲城

          旅ログ057 和泉多摩川〜生田

          南へ向かって歩き出した。 歩き始めが遅い時間になってしまい、すでに太陽が少し低い。 前にわたったことのある多摩水道橋をわたり、再び神奈川県に入った。(旅ログ041) そのままずっとまっすぐ、車通りの多い道を進んでいたら「東生田自然遊歩道」という案内地図が現れた。 おもしろそうなので、しばらくこの道筋を辿ってみることにした。 (なぜかGPSのログが南へ少しずれてしまっている) すると竹林の山道に入った。 軽く汗ばむほど登った。 竹林を抜けるとまた舗装された道に出たが、右手

          旅ログ057 和泉多摩川〜生田

          旅ログ056 千歳船橋〜和泉多摩川

          この季節にしてはとても暖かい。 南へ向かって歩いた。 10日前に降った雪の残りを見つけたが、今日のこの気温では、あと1時間も経たずにすべてとけてしまうだろう。 しばらく住宅街を歩くと、大きな道路に出た。 「環状8号線」だ。 私はわたった。 今日、実に5か月ぶりに、メトロポリスの外へ出たのだ。 さらに南へ進むと、大きな公園があった。 午後になり強くなってきた南風が、大きな杉の木を激しく揺らしている。 さぞかしたくさんの花粉が舞っているのだろう。 杉の花粉を感じとる能力のあ

          旅ログ056 千歳船橋〜和泉多摩川

          旅ログ055 代田橋〜千歳船橋

          今日は南西へ向かった。 11月にしては気温が高く、空気に湿り気がある。 なんだかちょっと眠くなるような陽気だ。 大きな公園があり、焚き火をしている人たちがいた。 公園を西へ抜け、街道を歩いた。 今のうちに断っておくが、今日は紹介する写真があまりない。 心を動かされるような景色や動植物にほとんど出会えなかった。 眠気覚ましにカフェオレを買った。 そろそろ今日の旅程を終えようという頃に、やっと少し趣のある緑道に出会って、そこを進んだ。 緑道はすてきだ。 緑道だけを特集した写

          旅ログ055 代田橋〜千歳船橋

          旅ログ054 新井薬師前〜代田橋

          からっとした秋空のもと、南へ向かった。 朝から何も食べていないまま歩き出してしまったので、何かおなかに入れたい。 しかし新井薬師前の商店街は、焼肉屋やこってりしたラーメンの店ばかりで、ここ何日か胃腸が弱っている私には不向きだった。 なので商店で握り飯を買って、どこかに座って食べることにした。 途中、蒸気機関車を展示してある公園があったのだが、ごみが多くていまいち落ち着かなかった。 そこは通り過ぎ、さらに南へ進むと、元は川だったのだろうと思われる緑道があった。 ここは雰囲

          旅ログ054 新井薬師前〜代田橋

          旅ログ053 練馬春日町〜新井薬師前

          「環状8号線」をわたってメトロポリスへ入った。 街道沿いには盛りをちょっとだけ過ぎた彼岸花が続いている。 そこそこ幅のある川を越えて南東へ進んだ。 さらに線路をくぐって南西へ進む。 すると今度は「環状7号線」に出会った。 8号線から7号線がこんなに近いとは。 王の住む城に辿りつく日もけっこう近いのかもしれない。 私は7号線を越えて、よりディープなメトロポリスへ入っていった。 ほどなく、鼓を打ち鳴らす音が聞こえた。 おそらく何人もの人が、いくつもの鼓を、息を合わせて叩

          旅ログ053 練馬春日町〜新井薬師前

          旅ログ052 地下鉄成増〜練馬春日町

          きつねうどんで小腹を満たしてから、成増(なります)の町を出た。 細い遊歩道を南へ向かった。 日陰はだいぶ涼しい。 歩きやすい季節の到来だ。 遊歩道を抜けると、大きな公園に入った。 人が多い。 特に子どもが多い。 人々があまり子どもを産まなくなったと嘆く声をよく耳にするが、こんなに子どもたちが集まっているところを見ると、本当なのか疑ってしまう。 今日は日曜日か。 公園を抜けても人が多く、商店には多くの客が出入りしていた。 おいしそうな焼き芋を売っているのが見えたが、腹はうど

          旅ログ052 地下鉄成増〜練馬春日町