旅ログ065 新座〜和光市
はるか西のほうから台風が近づいてきている、ということは承知の上で歩き始めた。
空には雲が立ち込めている。
コスモスが咲いていて、きれいだけど、もう夏は終わりなのかと少し寂しく思う。
北東へ進むと栗畑があった。
初めて新座市に足を踏み入れたときも栗畑を見た。
産地なのだろう。
ここの栗畑はずいぶんと芝生が手入れされているなと思ったら、ゴルフの練習コースを兼ねていた。
なんという土地の有効活用だろう!
しかしこのあたりの土地は、かなり雑然としている。
住宅、畑、商店、工場がひしめき合っているというか、秩序が整う前に建てたものたちがそのまま残っているようだ。
ふと、光が丘やひばりヶ丘などの整然とした町と比べてしまって、そうか、ここ新座はむしろ戦争で焼かれなかったから古いままの区画が残っている幸運の町なのかと思い至った。
やがて急な下り坂にさしかかり、坂の下には川があった。
久々の黒目川だ。(旅ログ023/050)
相変わらず水が澄んでいて、釣りをしている人もいるから魚がとれるのだろう。
今日は川沿いは歩かず、そのままわたって東へ向かった。
途中、吊り橋のある公園でひと休みした。
その後も相変わらずくねくねと東へ進み、もう1本小さな川を越えて、「和光市(わこうし)」の鉄道駅で旅のログを終えた。
この町で台風をやり過ごすことになりそうだ。