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旅ログ053 練馬春日町〜新井薬師前

「環状8号線」をわたってメトロポリスへ入った。
街道沿いには盛りをちょっとだけ過ぎた彼岸花が続いている。

そこそこ幅のある川を越えて南東へ進んだ。

さらに線路をくぐって南西へ進む。

すると今度は「環状7号線」に出会った。

8号線から7号線がこんなに近いとは。
王の住む城に辿りつく日もけっこう近いのかもしれない。
私は7号線を越えて、よりディープなメトロポリスへ入っていった。

ほどなく、鼓を打ち鳴らす音が聞こえた。
おそらく何人もの人が、いくつもの鼓を、息を合わせて叩いている。
音は森の中から聞こえた。

私は森の中へ入っていったが、高い柵があり、どうしても音に近づけなかった。

やがて鼓の音は誰かが演説する声に変わり、それが終わるとまた鼓の曲が聞こえた。
残念だが、選ばれた者たちだけが柵の中で行う儀式なのかもしれない。
私はあきらめて、水が少ししか流れていない、妙な色の川に沿って歩くことにした。

川沿いには、決まりの厳しそうな公園があった。

自転車とペットの禁止。
そして漢字だらけの案内板。
さらに園内の立札には「思想」だの「概念」だの…。

「人間の心情には狸に類するものがあり…」?



まったく理解できないまま公園を抜けて、にぎやかな商店街を歩き、工事中らしき「新井薬師前(あらいやくしまえ)」の鉄道駅で旅のログを終えた。


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