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ひとりごとエッセイ

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考えている事、いろいろ。
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記事一覧

お前はゆっくりに耐えられるか

お前はゆっくりに耐えられるか

「Xをやめる」と書きつつ、スッとログインしては、DMやリプなどだけ見て離れる…という日々です。
しかし、これまで基本的にXをポータルに、ニュースサイトに行ったりアーティストの公式を見たりしてたので、少し見るのを減らしただけでグッと情報が減りました。速報性のある話はほとんど入って来ませんが、まあ、このくらいでいいんだろうな〜と思います。
そんな何でもかんでも急いで知る必要もなければ、頭で処理できる容

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戦争とマンガと引力(のらくろの話)

戦争とマンガと引力(のらくろの話)

病気や生きづらさをテーマに据えた仕事が増える中「これまで、漫画はどのように社会問題に触れてきたか?」と考える機会が増えるようになりました。そこでいま、私ががぜん気になっているのは「のらくろ」です!!

のらくろの漫画は昔からときどき読んでいたんですが、ある時アニメをみていてふと「これは子どもにはどう映っていたんだろう」と気になりだしたのです。

自分の世代は当然「戦争は恐ろしいものだ」と教えられて

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面倒な話は不要な話ではないのだ(SNSのこと)

面倒な話は不要な話ではないのだ(SNSのこと)

長らく怪しまれていたXですが、いよいよ完全に怪しくなったので、基本をblueskyに引っ越すことにしました。
しばらくマルチポスト化すると思いますが、ぜひフォローよろしくお願いします!

それで、そのXの話…。
最初は他愛無い話が見られて面白かったんですが、Twitterの初期と比べて、かなり荒んでしまいましたね…。

SNSでは色んな人の言葉が知れますが、これまで聞こえなかった細かい声が拾われる

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“みんな”で出来たSNS

“みんな”で出来たSNS

先日の衆院選の結果について、いろいろ思うところはありますが、それはさておき…。
Xで、「うんうん」「そうだよね!」と共感出来るポストにいいねをしたんですが、徐々に同じ意見ツイートばっかり出て来るようになり「いや、よりによって政治の話で“みんなが同じ”なわけがない!」と気づいてちょっと怖かったです。

反対意見が出れば出るほど、この「でも他の多くの人は私と同意見だ」という錯覚は、効くだろうと思います

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生き物より生きる人形劇(プリンプリン物語の話)

生き物より生きる人形劇(プリンプリン物語の話)

人形劇がすごく好きで、あれこれとよく見ています。
その界隈(?)でしばしば名前を聞くことはあれど、ちゃんと映像を見る機会がなかったのが、1979年からNHKで放送されていた人形劇「プリンプリン物語」。

映像記録が少なくこれまで再放送が叶わなかったそうなのですが、なんと、今週から再放送が始まったのです。すごいPRっぽい導入になりましたが、違いますよ。PR案件はむしろ欲しいだけ。
そう、私はただの、

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病に良し悪しはあるか(自己表現展の話)

病に良し悪しはあるか(自己表現展の話)

どんどん報告が遅くなる「おでかけ記録」ですが、いいんです。記憶はいつも鮮度抜群なので…。

障害のある方のアート展を見かけると私は、嫌悪感ではないけどどうにも肯定しづらい、微妙な気持ちになることが多いです。ただ、造形教室の作品にはそういった気持ちを感じない。その理由を、作品を見ながらずっと考えてしました。
それは明るく健康な目線からの、いわば“健全ウォッシュ”が入っていないからなのだと思います。

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気持ちに名前をつけないぞ

気持ちに名前をつけないぞ

最近いろいろと、怒りに燃えたり、諦めて冷めたりしちゃうことが多く、落ち込んでおります。
しかしあまりにネガティブな話なので「人に向けて怒りを発散させるべきではない…」と、自分の中だけで沸騰させていたんですが、先日友達と話していたらうっかりその話になり、思わず身を乗り出し「いや、実はさあ!」と胸中を熱く語ってしまいました。
…が、なんかこれが、よかったんですよね…。

というのは、怒りの発散というよ

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差別の奥に安心はあるか(ハンセン病資料館に行った話)

差別の奥に安心はあるか(ハンセン病資料館に行った話)

最近「差別がないのは理想ではあるけど」と前置きしつつ「障害がある人が、普通の人と同じように暮らせないのは仕方ないと思うんだよね」と話す人に出会いました。そういう事を言う人とは思わなかったので、瞬間、私の頭はフリーズ。「差別する人は自分が差別しているとは思っていない」というのを直に感じて、ぞっとしました。

そんな中。
先日、国立ハンセン病資料館に足を運びました。
人権を守るとか優生思想に陥らないと

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「未来」の背中

「未来」の背中

最近、思ったことをカジュアルに言葉にしてから「失敗したかも」と後悔することが増えました。
例えば「男の人はこういう考えの人が多いから…」と性別で何かを言い表したり「あの人可愛いよね、細いし…」と、見た目で何かを判断したり。言葉にしたあとで、“男性=こう言う考え方”とか“華奢=美人”とか、簡単に言っちゃうのは良くないな、と、思い直すんですね。

そのような場面に出くわすたび、しみじみと、刷り込まれた

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あなたと話している

あなたと話している

SNSやネットが広がってから、リアルの会話にネットからの情報を持ってくる場面が増えました。

そんな中、自分の感想や意見より前に、SNSでの他人の反応や、それについて検索した結果の話をする…という話の流れが最近とても気になっています。例えば「こういう事があって、それに対してネットではこういう反応があった。一方でこういう反応もあったんだよね(うんうん)」という感じ。
私はこういう場面になるとなんだか

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英訳をして頂いたハナシ

英訳をして頂いたハナシ

Xだけでのお知らせになっていたんですが、先日、アメリカの漫画家・イラストレーターのEm hooverさんが「解離性障害のちぐはぐな日々」の一部を英訳、ご自身のSNSで紹介して下さいました。
(事前にご連絡があり、出版社の方からも許可を頂いています◎)

日本の漫画を出版しているSevenSeas社への、英訳出版リクエストになるんだそうです。
私があまり理解していなくて、直前で恐縮なのですが、なんと

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推し活と消費と終わらないお祭り

推し活と消費と終わらないお祭り

ここ数年「趣味の推し活が楽し〜」というのを私はあちこちで言ってますが、最近、疑問を感じることが増えてきたので、ここに書いてみることにしました。
作品本体ではなく、その消費についてです。
(こんな話もう識者の人が語っとるわ!って話かも。そう思ったらそっと見守ってあげてください)

大体どのコンテンツにも、グッズやイベントなどがありますが、ある程度の規模や人気があるとその数がかなり頻繁になってきます。

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最近の美術展いろいろ…

最近の美術展いろいろ…

更新頻度がめっきり減ったのは、ゾンビ道場を書いているからです!
私はある時気づいたのです。ここに漫画を書き続けていると、ゾンビ道場の作業が進まなくなるということに──。

というわけで、ここしばらくで見た展示の感想を書きます。ちなみに全て会期は終わっています。いつも行くのが、ギリギリなんだぜ…。

もじイメージgraphic展 (21_21Design sight)

60〜80年代ころのグラフィ

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「こわれ者の祭典」のこと

「こわれ者の祭典」のこと

依存症専門オンラインメディアAddiction Reportさんで、こんな記事がアップされていました。

月乃光司さんは、心身障害者パフォーマンス集団「こわれ者の祭典」主催の方です。
私はかつて「こわれ者の祭典」にかなり人生を救われていたので、久々にその名前をメディアで見て、おおっ!と嬉しくなってしまいました。

私が、このイベントに出会ったのは20歳くらいの頃。
もともと出演者の友人だったのが始

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