Tokin

イラストレーター、漫画家。著書に「実録・解離性障害のちぐはぐな日々」(合同出版)。アニメ「おしえて北斎!」美術監督。お仕事のご依頼承ります。https://tokinweb.jimdofree.com/

Tokin

イラストレーター、漫画家。著書に「実録・解離性障害のちぐはぐな日々」(合同出版)。アニメ「おしえて北斎!」美術監督。お仕事のご依頼承ります。https://tokinweb.jimdofree.com/

マガジン

  • ひとりごとエッセイ

    考えている事、いろいろ。

  • 不安に打ち勝つわたしの日記

    漫画を書いています。制作における各種不安と焦燥感に負けないよう、日記をつけることにしました。

  • 絵日記やまんが

    アナログ絵日記や、日々のエッセイ漫画です。

  • お仕事報告

  • イベントのお知らせ

    出展・参加するイベントの情報や告知です

最近の記事

戦争とマンガと引力(のらくろの話)

病気や生きづらさをテーマに据えた仕事が増える中「これまで、漫画はどのように社会問題に触れてきたか?」と考える機会が増えるようになりました。そこでいま、私ががぜん気になっているのは「のらくろ」です!! のらくろの漫画は昔からときどき読んでいたんですが、ある時アニメをみていてふと「これは子どもにはどう映っていたんだろう」と気になりだしたのです。 自分の世代は当然「戦争は恐ろしいものだ」と教えられて育ってきており、戦争を描いた作品に触れることがあっても、反戦の意を込めて作られた

    • 面倒な話は不要な話ではないのだ(SNSのこと)

      長らく怪しまれていたXですが、いよいよ完全に怪しくなったので、基本をblueskyに引っ越すことにしました。 しばらくマルチポスト化すると思いますが、ぜひフォローよろしくお願いします! それで、そのXの話…。 最初は他愛無い話が見られて面白かったんですが、Twitterの初期と比べて、かなり荒んでしまいましたね…。 SNSでは色んな人の言葉が知れますが、これまで聞こえなかった細かい声が拾われるというのは、逆風も強くなるということ。 次第に「SNSはいつも細かい喧嘩ばかりし

      • “みんな”で出来たSNS

        先日の衆院選の結果について、いろいろ思うところはありますが、それはさておき…。 Xで、「うんうん」「そうだよね!」と共感出来るポストにいいねをしたんですが、徐々に同じ意見ツイートばっかり出て来るようになり「いや、よりによって政治の話で“みんなが同じ”なわけがない!」と気づいてちょっと怖かったです。 反対意見が出れば出るほど、この「でも他の多くの人は私と同意見だ」という錯覚は、効くだろうと思います。寂しい時ほど満たされる。 矛先は違えど、いわゆるネトウヨとか陰謀論とかってこう

        • 生き物より生きる人形劇(プリンプリン物語の話)

          人形劇がすごく好きで、あれこれとよく見ています。 その界隈(?)でしばしば名前を聞くことはあれど、ちゃんと映像を見る機会がなかったのが、1979年からNHKで放送されていた人形劇「プリンプリン物語」。 映像記録が少なくこれまで再放送が叶わなかったそうなのですが、なんと、今週から再放送が始まったのです。すごいPRっぽい導入になりましたが、違いますよ。PR案件はむしろ欲しいだけ。 そう、私はただの、通りすがりの人形劇ファン。今回はただ「人形劇っていいよね」と描きたいだけの記事で

        マガジン

        • ひとりごとエッセイ
          106本
        • 不安に打ち勝つわたしの日記
          243本
        • 絵日記やまんが
          74本
        • お仕事報告
          29本
        • イベントのお知らせ
          17本
        • ゾンビ道場
          10本

        記事

          病に良し悪しはあるか(自己表現展の話)

          どんどん報告が遅くなる「おでかけ記録」ですが、いいんです。記憶はいつも鮮度抜群なので…。 障害のある方のアート展を見かけると私は、嫌悪感ではないけどどうにも肯定しづらい、微妙な気持ちになることが多いです。ただ、造形教室の作品にはそういった気持ちを感じない。その理由を、作品を見ながらずっと考えてしました。 それは明るく健康な目線からの、いわば“健全ウォッシュ”が入っていないからなのだと思います。 かといって、健康であること、病んでいない状態の人に対して、強く牙を向くわけでもな

          病に良し悪しはあるか(自己表現展の話)

          お出かけ記録②ジャン・ミッシェル・フォロン展

          お出かけ記録の続きです。これは(これも)良い展示であった…。 恥ずかしながら作品を存じ上げず、チラシを見て「おお…」と思って来訪…。 柔らかい色合いやモチーフでありながら、映し出しているのは極めて現実的な社会問題。 「ファンタジー」というと、妖精や魔女を指してたものだと連想するけれど、本当の「ファンタジー」は想像力を通して現実を見ることなんだよね。 想像の手がかりとなり、気持ちと現実の橋渡しをするもの。 また、国際人権宣言のために描いたイラストレーションは、まるで祈りの

          お出かけ記録②ジャン・ミッシェル・フォロン展

          お出かけ記録①CLAMP展に行った話

          夏ですね!いや、夏は終わってしまいました。そう、それはつまり「夏に企画されていた展示が終わっていく」ということなのです。 というわけで、お出かけ記録を書くことにしました。 さすが、デビューから35年というのは伊達じゃありません!時系列やテーマに沿ってカラーイラストや原稿が展示されていたのですが、その精密で美しいこと! 私がいつもCLAMP作品を見て唸ってしまうのが、時代や流行に合わせて微妙に絵を変えているところです。 四人いるので、いわゆる普通の漫画家さんとは違いますが、そ

          お出かけ記録①CLAMP展に行った話

          気持ちに名前をつけないぞ

          最近いろいろと、怒りに燃えたり、諦めて冷めたりしちゃうことが多く、落ち込んでおります。 しかしあまりにネガティブな話なので「人に向けて怒りを発散させるべきではない…」と、自分の中だけで沸騰させていたんですが、先日友達と話していたらうっかりその話になり、思わず身を乗り出し「いや、実はさあ!」と胸中を熱く語ってしまいました。 …が、なんかこれが、よかったんですよね…。 というのは、怒りの発散というより、なんとなくカウンセリング的な感覚があったからです。 気持ちの内訳が整理ででき

          気持ちに名前をつけないぞ

          くやしさの台風!だが!

          台風だからさっぱり予定が決まらず、前日からずっと出かけるか否かとか、備えとか警報とか、イベントの可否とか、どじょっことかふなっこで疲れてしまいました。夜があけたと思うべな。 「帰れなくなったら大変」という気持ちと「後悔するのは大変つらい」という気持ちがせめぎ合ったんですが、結局、まあなんとかなるだろうというフィーリング(?)が勝ちました。 仕事も出来たしライブも行けたし結果的に最高。人間、切羽詰まった気持ちというのは大事なんだと思います。たまには!たまには、ですよ…。いつも

          くやしさの台風!だが!

          差別の奥に安心はあるか(ハンセン病資料館に行った話)

          最近「差別がないのは理想ではあるけど」と前置きしつつ「障害がある人が、普通の人と同じように暮らせないのは仕方ないと思うんだよね」と話す人に出会いました。そういう事を言う人とは思わなかったので、瞬間、私の頭はフリーズ。「差別する人は自分が差別しているとは思っていない」というのを直に感じて、ぞっとしました。 そんな中。 先日、国立ハンセン病資料館に足を運びました。 人権を守るとか優生思想に陥らないとか、本来なら当たり前のことが揺らいでいる昨今。差別や偏見からの壮絶な苦しみ、それ

          差別の奥に安心はあるか(ハンセン病資料館に行った話)

          耳鼻科のピュアネス

          毎月行っている耳鼻科の話です。 いや、この漫画では全然表現できてないんですが、なんというか、年齢にしたがって出てくるはずの、人生の場数感というか、すれた感じというか、そういうのがないのです。すごい。普通に羨ましいです。 ところで「星飛雄馬の姉っぽい」という表現は通じるのでしょうか? 精神科もですが、病院のエピソードってなんか漫画に描きたくなっちゃいます。 まじめな場だからこそ、何かゆるいポイントを無意識に探してしまうのかもしれません。

          耳鼻科のピュアネス

          八王子まつりに行った話2024

          ヘイ、みんな、暑いけど調子はどうだい? 最近なかなか、絵がアップ出来ていなかったけどね。今日は、みんなにどうしても言いたいことがあって絵日記を描いてみたんだ。(おもむろにギターを手に取る)(じゃら〜ん) ちょっと恥ずかしいけどな、ふふっ、まあ、聞いてくれ。「八王子まつり」。 四方八方から登場する巨大な山車は、さながらデコトラの光を放ち、我先にと神輿に群がる屈強な男たち、その喧騒をものともせず鳴り続けるお囃子、踊るおかめの向かいではひょっとこが踊り、打ち鳴らされる太鼓、その直

          八王子まつりに行った話2024

          漫画の掲載&ゾンビ道場のこと

          昨年、「こころの元気+」(発行・NPO法人コンボ)にご掲載いただいた漫画をポートフォリオに公開しました。この号の特集「私の自慢話」に合わせ、アタクシの最高の自慢を書いています。だいぶ珍しく、直接メンタルヘルスの話ではないものを書けて新鮮でした。 普通のお店で買うのもいいんだけど、可愛い服がなさそうな場所で、可愛いものを探すというのが面白いんだよね。フリマも大好き!宝探し感覚です。 ゾンビ道場のはなしnoteにあまり書いていなかったのですが、ゾンビ道場31号、皆様のご協力に

          漫画の掲載&ゾンビ道場のこと

          「未来」の背中

          最近、思ったことをカジュアルに言葉にしてから「失敗したかも」と後悔することが増えました。 例えば「男の人はこういう考えの人が多いから…」と性別で何かを言い表したり「あの人可愛いよね、細いし…」と、見た目で何かを判断したり。言葉にしたあとで、“男性=こう言う考え方”とか“華奢=美人”とか、簡単に言っちゃうのは良くないな、と、思い直すんですね。 そのような場面に出くわすたび、しみじみと、刷り込まれたものを更新する難しさを痛感します。 過去の価値観から脱していこうと世の中はアッ

          「未来」の背中

          生命はすごい、私もすごくなりたい

          更新の間隔が開けば開くほど「久しぶりなんだからちゃんとした投稿を…」と思いすぎてしまうので、本当〜…に小さい話を載せる事にしました。 誰に言うでもないけど誰かに言いたかったのです。 こういうのを見たり、かさぶたが治るのを見るたびに「身体ってすごい」と感動します。 ところでこの間、神代植物公園に行ったのですが、その時も結構「命ってすごい」という気持ちになりました。 動物や植物を見てると、その進化の過程の壮大さ、またそれを知らなかった自分に深い感慨を抱き「まあ人間に出来る事

          生命はすごい、私もすごくなりたい

          あなたと話している

          SNSやネットが広がってから、リアルの会話にネットからの情報を持ってくる場面が増えました。 そんな中、自分の感想や意見より前に、SNSでの他人の反応や、それについて検索した結果の話をする…という話の流れが最近とても気になっています。例えば「こういう事があって、それに対してネットではこういう反応があった。一方でこういう反応もあったんだよね(うんうん)」という感じ。 私はこういう場面になるとなんだか、誰と話しているのかよくわからなくなります。 私自身もそれをやってしまうことがあ

          あなたと話している