ぼっかけ炊いとお、スジ焼き焼いとお。
“ぼっかけ”て知っとお。
神戸に住んでいた頃、神戸弁、神戸の名物とかいろいろ目新しいものがありました。
たとえば“知っとお”という問いかけ。自分も関西の出身ですが、故郷の地域ならおなじ関西弁でも、“知っとる”と訊くところ。でも神戸では“とお”なんですよね。
🥚神戸のご当地グルメ
知っとお、持っとお、集めよお。
こんな問いかけをされると、神戸の人なんだな、と思います。
神戸も関西なので大阪とおなじく“粉もん”のお店はたくさんありましたが、気になったのが焼きそばの呼び名。お好み焼き屋さんにいくと、焼きそばのことを“そば焼き”と呼んでいるお店が多くありました。これもおなじ関西地区なのに不思議だなと思った点だったりします。
そして“ぼっかけ”も神戸ならではの呼び名。
いわゆる“すじこん”も神戸にいくと、“ぼっかけ”の名前で親しまれています。ぶっかけはうどんですが、ぼっかけは煮込み。どっちも美味しくて関西の人には親しみがありますが、ひと文字違えば大違い。
まずはそんなぼっかけを作ります。そして今回は、それを使ってさらにもうひと品、神戸のご当地グルメを作っていこうと思います。
🥩まずはぼっかけよう
🥩下ごしらえの材料
・牛すじ肉
・玉ねぎ
・にんじん
・セロリ
・赤ワイン
・水
すじ肉は食べやすく切り分けます。煮込むと縮むのでそのあたりも考慮してちょっと大きめのひと口大くらいの感じです。
いっしょに煮込むのは香味野菜。
まずは香味野菜を焼き色がつくまで焼きます。ひんぱんに混ぜるとなかなか色かつかないので、焼くときはしばらく置いて、底から返す感じです。炒めるのではなく、焼く。じっくり焼く。これがポイントです。
焼き色を付けたすじ肉を加えたら、赤ワインと水でコトコト2時間ほど。
すじ肉が柔らかくなったら下煮はOK。煮汁は濾して、そのまま冷ましてフリーザーバッグに入れて冷凍しておきます。今回は使いませんが、少し手を加えればお肉を焼いたときのソースやハヤシライス風にもいただけるので、捨てずにストックがおすすめです。
🥩もうすぐぼっかけできあがり
続いて味付けです。ぼっかけを仕上げていきましょう。
🥩ぼっかけのメイン材料
・下ごしらえしたすじ肉
・つきこんにゃく
🥩味付けの材料
・しょうが
・醤油
・砂糖
・みりん
・日本酒
・水
つきこんにゃくは食べやすい長さに切ってさっと茹でて下処理します。
あとはすじ肉と千切りのしょうがと一緒に水、醤油、砂糖、みりん、日本酒で煮込むだけ。
これでぼっかけが完成です。ねぎを散らして盛り付ければ、美味しいおつまみのひと品に。でも、今回はさらにこれを使ったご当地グルメを作っていきます。
🥚すじ焼きまであと少し
そう、神戸の人気グルメ、すじ焼きです。
🔥すじ焼きの材料
・ぼっかけ
・キャベツ
・天かす
・ねぎ
・粉末かつおだし
・小麦粉
・卵
・水
すじ焼きは要は具にぼっかけを使ったお好み焼き。
小麦粉、卵、水、粉末だし、キャベツ、天かす、ねぎを混ぜて生地を作ります。
あとは生地を広げたうえにぼっかけを載せて焼くだけ。
こんがりといい感じ。
ソースを塗ってお好みでマヨネーズを。かつおと青のりですじ焼き完成です。
🐮関西の肉は牛
なじみのある豚玉とは違って、牛肉が具というのが珍しいですよね。でも、関西はもともと肉といえば牛。そんな牛肉の中でも、庶民の味、牛すじを使っているところに親しみを感じます。
いつもの味にちょっと変化をつけたいとき、こんなお好み焼きも思い出してもらえると嬉しいです。
神戸は、人生ではじめてひとり暮らしをした想い出の街だったりします。大家族に囲まれて育った自分にとって、それは干渉されない自由である反面、家に帰ると話し相手が誰もいないというはじめての孤独体験でもありました。
そんなとき、近くのお好み焼き屋さんにいくと、お店のおばちゃんたちがフレンドリーに声をかけてくれたのを思い出します。お母さんみたいな感じで心配してくれたり、ときにはお漬け物をサービスしてくれたり。
実家のお好み焼きが広島風の焼き方だったのもあって、自分にとって、このスタイルのお好み焼きは、若い日の神戸の街でおばちゃんたちにもらった元気や勇気の感覚をいまも思い出させてくれる味です。
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