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南の海のチキンライスは白くてエコ。
チキンライス。この言葉を聞いて、どんな絵が思い浮かびますか。
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たぶん、これじゃないでしょうか。ケチャップで炒めた赤いライス。
具には鶏肉や玉ねぎが入っていて、写真のように薄焼き卵に包めば、オムライスになる、あれ。ニッポンの洋食屋さんでチキンライスといえば、これ。おうちごはんもきっとそう。それくらい親しまれているメニューです。
でも今回作る“チキンライス”はこれとは別物。さて、どんなものなのかというと…。
🍗白いチキンライス
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これです。
チキンの横にライスが載ってます。うん、まちがいなくこれもチキンライス。チキンwithライス。
いまではけっこう知られるメニューになったと思いますが、チキンライスはチキンライスでも、“海南チキンライス”とか、“シンガポールチキンライス”と呼ばれるひと品です。
簡単にいうと、茹でた鶏に、その茹で汁で炊いたごはんを添えたひと品。シンプルですが、鶏肉の旨味をたっぷり味わえるメニューです。
🍗いろんな名前で出ています
この料理の名前ですが、けっこういろいろあって、
海南チキンライス
海南鶏飯(ハイナンチーファン)
シンガポールチキンライス
カオマンガイ
あたりがよく聞く名前ではないでしょうか。
海南鶏飯(かいなんけいはん、ハイナンチーファン、ホイナムカイファン)は、茹で鶏と、その茹で汁で調理した米飯を共に皿へ盛り付けた米料理。海南鶏飯は中国の海南省・広東省・香港、マレーシア、シンガポール、タイで広く浸透しているの屋台料理である。
中国の海南省をはじめとしたアジアの国々でよく似た料理が親しまれていて、それぞれの土地にその地の呼び名があるのが、このバリエーションの理由です。
おそらくいずれも米食文化圏ではないかと思います。鶏肉とお米という手に入りやすい材料を使って、それぞれの地で自然発生的に生まれた料理が、よく似た完成形に落ち着いたというところなのかもしれません。
バターやチーズを使うわけではないので、洋食に感じるよそゆき、ハイカラな印象は少なく、和食ではありませんが、どこか自然体で向き合える心落ち着く味という気がするひと品だという気がします。
🍗まずは鶏肉から
それではメインになる茹で鶏作りからスタートです。
🍗茹で鶏の材料
・鶏もも肉
・しょうが
・ねぎ
・水
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まずは下処理。鶏ももの皮の端の部分と、余分な脂肪を包丁の先で切り落とします。この脂ものちほど使うので、捨てずに取っておきます。
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ねぎの青い部分とスライスしたしょうがを準備。
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水と一緒にお鍋に入れて火にかけます。このとき、お湯を沸かしてから鶏肉を入れるのではなく、水から入れるのがポイント。じっくりと温度を上げながら煮込むことで、茹で汁にしっかり鶏肉の旨味を煮出します。
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沸騰してきたら弱めの中火にしてコトコト。
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鶏肉に火が通ったら、茹で汁ごと冷まします。
💧タレも準備しておきます
ここでタレづくり。鶏肉はシンブルに茹でるだけなので、食べるときはタレをかけて食べます。
💧タレの材料(作りやすい分量)
・醤油…1/4カップ
・みりん…1/4カップ
・砂糖…大さじ2
・酢…大さじ1
・おろししょうが…小さじ1
・おろしにんにく…小さじ1
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材料をあわせて混ぜるだけ。
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味を見て、お好みの材料を足してOKです。甘みがもっと欲しければお砂糖、コクが欲しければにんにくを足す、そんな感じです。
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個人的な好みでは、にんにくはしっかりきかせたほうが美味しいと思います。
🍚ごはんだ、ごはんだチキンライス
続いてごはんを炊く準備。ここで鶏肉の下処理のときに取っておいた、脂が登場します。もろちんごはんを炊く水分は、鶏肉の茹で汁です。
🍚チキンライスの材料(※1合分)
・米…1合(=1カップ)
・ごま油…大さじ1
・鶏の脂
・鶏の下茹でに使ったねぎとしょうが
・鶏肉の茹で汁…3カップ
今回はごはん1合、それを2人で食べる前提で進めます。鶏肉は1枚をふたりで半分こする計算。けっこうモリモリ食べるよという人であれば、鶏肉をひとり1枚用意して、ごはんも増量してください。そのとき炊飯に使う茹で汁が足りなければ、その分は水を足せばOKです。
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フライパンにごま油を敷いて、鶏の油を炒めます。
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お米は洗わずにそのまま投入。鶏肉を茹でるときに使ったねぎ、しょうがももったいないので刻んで加えて炒めます。
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ここで鶏肉の茹で汁を加えて強火にかけます。
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沸いてきたら、弱めの中火に落として蓋をします。
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そのまま12分くらいが目安。炊き上がったら火からおろし、底から返すように混ぜて、もう一度蓋をして15分ほど蒸らします。
🍗南の海のチキンライス完成
では盛り付けです。
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ごはんを茶碗に入れて、しゃもじで軽く押さえて形を落ち着かせます。
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そのままお茶碗をお皿に返して、ぽこっと盛り付け。
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鶏肉は冷ました状態で切り分けます。そのほうが切りやすいのもありますが、鶏肉を再加熱すると茹で汁を吸わせながら冷ましたぷりぷりの鶏肉が締まってしまうので、食感を優先するなら、冷めた状態がおすすめです。
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冷めているといっても、冷蔵庫で冷やしたわけではないので、あくまでアツアツではないだけで常温。温かいごはんに寄り添う常温の鶏肉という組み合わせがけっこう美味しいなあと思ったりもします。
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彩りと香りのポイントに、ごはんの上に刻んだパセリを飾りました。タレも添えて完成です。
🥄さあ、食べよう
洋食のチキンライスがケチャップの赤だとしたら、これはまさに白いチキンライス。白い鶏肉、白い鶏スープごはん。白い。白いチキンライスです。
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食べるときはタレを回しかけて、豪快にスプーンでごはん鶏肉を一緒にすくってぱくっといきます。
🍗究極のお手軽レシピもあります
鶏肉を茹でて、その茹で汁でごはんを炊くというのが、この料理の基本レシピですが、もっと簡単に作りたいときにおすすめのアレンジがあります。それはもう、究極のお手軽さです。
まずお米を炒めて炊く準備をしたら、お鍋にごはんと一緒に生の鶏肉を入れて炊くというレシピです。この方法の場合、ごはんの炊ける時間=鶏肉を茹でる時間になるので、別々に加熱するのと違い、鶏肉の旨味をスープに抽出する時間が短くなりますが、それでもじゅうぶん美味しくいただけます。
なんといっても、より短時間で仕上がるのと、洗い物がお鍋ひとつで済むのがいいですよね。もちろん、炊飯器で炊きこんでもOKです。
もともとアジアの屋台料理で人気というひと品なので、気軽に作って気軽に食べられるのも、このメニューのいいところかなと思います。
この料理は作る過程の下処理で外した鶏の脂も、茹で汁も捨てません。けっこうエコなレシピですよね。いま風にいうとSDGS的なメニューではないでしょうか。
そんなアジアのご当地ごはん、ぜひ試してみてください。
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