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超人手不足時代の到来!専門職(技術技能職)が不足するが、事務職は余剰へ。

テレビ東京のNIKKEI NEWS NEXTによると、すでに2024年の時点で、専門職・サービス職・生産職を合わせて150万人以上の人手不足であることがわかった。これは、三菱総合研究所の試算である。少し不満なのは、人手不足(余剰)の理由までは解説が無かったことだ。そのため、私が推察してみる。

まず、専門職は、特にITや土木建設などの技術者の不足が深刻であると予想する。技術は2〜3年で身につくものではない。また、大学で学ぶ技術と現場で必要な技術にミスマッチもある。医療看護系の専門職も不足しているだろう。また、販売やサービス職は、賃金が低めだ。そのため、就労インセンティブが無いものと考えられる。事務職の余剰は、RPAやAIで事務仕事が効率化されていることが大きいと思われる。

不思議なのは、生産職だ。2026年頃までは不足なのに、2029年には大幅な余剰になっている。ロボットの普及や、日本で生産するメリットが薄れるのか、はたまた、町工場の倒産が増えるからなのか、わからない。一つ言えることは、生産職は「特定の製品の生産に特化した専門家が多い」ことだ。例えば、冷蔵庫のラインはできても、自動車のラインができない人は多い。部品も、求められる知識も異なる。

これから、人手不足解消のためにやるべきことを書く。

文理融合、実践スキル教育の普及

旧帝大、東工大、早慶以外は、専門職になるための職業大学にしても構わないと思われる。その際、文理融合として、全員が「ビジネス英会話・経済学・経営学・科学技術・IT」の基礎レベルは学ぶことだ。共通テストの科目も、その方向で変えてしまっても良いだろう。理系技術者はマーケティングや会計がわからない。文系は科学技術がわからない。これだと、リスキリングしようにも時間がかかる。

最低賃金2000円時代へ、低所得者の所得税ゼロ

2040年までに、最低賃金2000円を目指すと公約する。さらに、低所得者の所得税をゼロにする。これで、働く意欲の無い人も、働くインセンティブが増強されるだろう。また、かなり過激な意見だが、不労所得には厳しい課税をするべきだ。例えば、年間の配当金所得が1000万円を超える場合は、配当金所得に40パーセントほど課税する。不動産賃料も課税強化する。働かなくても問題ない人を減らすべきだ。相続税も税率アップ。国民年金第三号被保険者の制度も廃止する。また、障害や病気のある方への合理的な配慮を義務として、罰則を設けることで、全ての人が働きやすくする。同一労働同一賃金も実現する。男女や年齢による賃金差別を刑事犯罪とする。

リスキリング強化

全ての企業に、リスキリング休職制度を義務付ける。農業・漁業・土木建設・医療看護・IT・半導体技術などの専門職へのリスキリングだ。その代わりに、リスキリング中の給与と補助金を政府と自治体が支給する。

移民大国へ

移民と海外からの留学生を毎年50万人受け入れて、永住権の取得も簡素化するべきだ。また、移民が溶け込めるように、日本語学校を充実させる。日本人の側も、受け入れるためのダイバーシティを尊重する。日本人が英語やアジアの言語を学び、お互いに尊重できる社会を目指す。移民向けの賃貸住宅を充実させる。移民に住居を提供しない企業は刑事犯罪として立件する。一方で、犯罪を減らすために、警察官を増員し、監視カメラも多数設置する。もちろん、犯罪になる前に、移民の方々が相談しやすい環境を整える。日本人がイスラームなど異文化を理解し、モスクやハラール認証など受け入れ体制を整備する。

※参考

疎外感の放置はリスク

外国人労働者を受け入れる政策は転換点にある。6月に在留資格「特定技能」で長期就労や家族帯同ができる業種を大幅に増やし、永住に道を開いた。賃金不払いや失踪などトラブルが絶えない技能実習制度を廃止し、新制度に移行する議論も進む。

技能実習は国際貢献を名目にしながらも、実質的に外国人を景気変動に伴う一時的な雇用の調整弁として扱ってきた。人手不足が恒常化した今、これでは対応できない。人権侵害が指摘される制度でもあり、早急に廃止して特定技能に一本化すべきだ。

複雑になっている在留資格も整理したい。制度のわかりにくさは外国人が日本を避ける理由になりかねないためだ。

日本にはすでに総人口の2%に相当する約300万人の外国人が暮らしている。外国人比率が1割ある欧州ほどには社会のあつれきはまだ目立たないが、技能実習の受け入れから30年たち、第2世代が社会に出始めている。なかには日本語がままならないまま社会に放り出され、疎外感を感じている若者もいよう。

日本社会に溶け込めない外国人を放置しておくのは、欧州の移民問題のようなリスクを抱えていると考えるべきだ。それが顕在化しないうちに社会的に包摂する手立てを考える必要がある。最も重要なのが日本語教育である。

多文化共生を進める浜松市は、外国人家庭を訪問して相談に応じるなど、きめ細かな支援で学校に通っていない子どもをゼロにするようにしている。だが多くの自治体はそこまで手が回らない。

外国人に日本語教育が行き届かないのは、自治体やNPO任せにしてきたためだ。憲法は義務教育の対象を「国民」としているが、日本は「すべての者」への教育の提供を定めた国連人権規約と児童の権利条約を批准している。国籍を問わず、子どもに教育を受けさせるのは政府の責任である。

明治の市町村合併は小学校、昭和の大合併は中学校を運営できるよう自治体を強化するのが目的だった。外国人の住民登録がない自治体はいまや全国に3つしかない。外国人がどこにいても一定の教育を受けられるようにするのが令和の公教育のあるべき姿だ。

そこでは教育だけでなく、福祉なども含めて外国人受け入れのあり方を一から考えていく必要がある。これまでは移民の是非をめぐる対立から入り口で思考停止に陥っていた。「移民政策はとらない」「単純労働者は受け入れない」といった制約をいったん取り払い、日本にふさわしい外国人受け入れ制度を議論するときだ。

共生社会は国の責務

外国人政策を議論する日本国際交流センターの円卓会議は「在留外国人基本法」を提唱している。外国人を日本社会の一員とし、対等な社会参加で共生社会を築くことを理念に掲げる。そのための基盤整備、財源確保は国の責務とした。賛同できる。

各論はさまざま議論があろう。だが、基本法で外国人を歓迎する姿勢を打ち出すことは、人口減少を日本の成長の制約とみている世界に向けて、日本は変わるとのメッセージになるだろう。

企業も意識を変えなければならない。長期就労を前提に昇給・昇進や能力開発を日本人と同等にする必要がある。優秀な人材は幹部候補として育て、独立を支援するくらいの度量がないと魅力的な会社に映らないのではないか。

外国人を積極的に受け入れる韓国や台湾などとの競争は激しさを増している。外国人に選んでもらえる職場づくりは、多様な人材が活躍できるオープンで創造的な企業風土につながると考えたい。

豊かで活力ある経済を維持してゆくには、開放的な社会であることが前提になる。それは古来、海外との交流を深めることで発展してきた我が国の歴史そのものだ。そのDNAを呼び覚ましたい。

日本経済新聞

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