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【上司と部下の会話】曖昧な問いかけは曖昧に返ってくる
こんばんは、毎日投稿を再開しようとしているアドバイザーのこうたです。
今回は、相反する2つのテーマを2日に分けて紹介したいと思います。
【上司と部下の会話】
・曖昧な問いかけは曖昧に返ってくる
だから具体性のある会話を意識しようというのが今回の内容
・曖昧な問いかけをすることで、部下の思考力は鍛えられる
だから一から十まで説明するのではなく、自分で考えさせようというのが次回の内容
「結局どっちだよ!」と突っ込んだかと思います。
どっちもです。
要は使い分けですね。
その辺も含めて解説していきますので、ぜひご覧ください。
1.部下の思考力は弱いことを認識する
見下すわけではありません。
社会人の思考力、業界人の思考力と、思考とは適応することで発達していくとも言えます。
仕事の経験が浅く、乗り越える実力もない状態で、仕事に関する思考力だけが発達しているなんてことはない、ということです。
経験や知識が不足している状態で、「どうにかしろ」「どうすればいいと思う?」と言ったところで、答えは導き出せません。
しかし部下だってなんとかしたい、できることならスムーズに解決していきたいと思っています。
やる気のない人ですら、怒られたり面倒なことになったりするのは避けたいもの。
それにやる気のない人の大半は、自分ではロクに活躍ができないからと、自信のなさが原因だったりします。
上司は、いかにして部下が自信を持って業務を遂行できたと思わせる必要があるのです。
2.まずは部下にどう動いてほしいのかを上司が意識する
物事には優先順位があります。
クライアントが大炎上した場合、部下の成長よりも事態の鎮火を優先することもあるでしょう。
一方で、部下が焦っていても上司からしたら大した問題ではないため、経験の一部として学ばせたいと思うこともありますね。
前者であれば、上司は適切な指示を具体的に行うことで解決へと導きます。
ここで曖昧な指示をしてしまえば、何も分からない部下はさらに混乱して暴走してしまいます。
後者であれば、上司が見えているゴールへ、部下に気づかせる必要がありますよね。
今回は後者について深掘りしていきます。
3.曖昧な質問とは
イメージとしては、曖昧な5W1Hですね。
「どうするの?」
「何から手をつけるの?」
「それはなぜ?」
「(その業務は)どこでするの?」
「いつまでに終えるの?」
「誰が(または誰と)やるの?」
いやいや、「どこ」と「いつ」くらいはいいでしょと思ったかもしれません。
ですが、部下の気持ちになって想像してみてください。
「○○の案件をやっています」
「それ、いつまでに終わるの?」
ある程度慣れた人やしっかりした人であれば、簡単に返せる内容ですね。
しかし、実際にどのくらいで終わるのかが漠然としか分からない場合や、自分の仕事スピードが遅いと自覚している場合、ある不安を抱えてしまっています。
「遅いと文句を言われないかな?」
「どのくらいで終わるのかが分からなくて(怖くて)言えない……」
つまり、圧を感じて素直な言葉が出てこない状態です。
私もたまにあるのが、クライアントに期日を聞かれて、予想では1週間もあれば確実だけど、高確率で難色を示すだろうなという時。
まあクライアントと上司とでは状況がまるで違いますけど、抱えている感情は同じです。
その場合、少し短縮してメチャクチャ急ぐなんてことがよくあります。
相手がクライアントならそれも一つの正解ですが、上司であれば不十分です。
なぜなら、『なぜそんなに時間がかかるのか?』『他に短縮する手段はないのか?』が明らかにされないまま終わるから。
部下の成長に重要なのはこの部分です。
上司が知っている最適解を教えてあげる必要があります。
では、会話の続きをシミュレートしてみましょう。
・パターンその1
「○○の案件をやっています」
「それ、いつまでに終わるの?」
「1週間です」
「かかりすぎじゃない? なんで?」
「…………」
・パターンその2
「○○の案件をやっています」
「それ、いつまでに終わるの?」
「1週間です」
「(まあ他に業務もないからいいか)了解」
2パターン出しました。
具体的なイメージができていない人に、曖昧な質問を続けてしまうのがパターンその1です。
悪循環でしかありません。
また、業務の効率化は成長に必須の要素と言えます。
しかしそれが分からないまま会話が終わってしまうのがパターンその2です。
場所にしても時間にしても、なぜその方針を選んだのかが分からないと教えられるものも教えられません。
しかしその理由を「なぜ?」と曖昧にしてしまうと、結局部下自身の意見も曖昧なまま、なんとか会話を終えようとしてしまうのです。
4.具体的な質問とは
前章の会話を例に解説していきます。
部下「○○の案件をやっています」
上司「その案件で君がしなければならないことはなに?」
※リスト化させる
部下「AとBの2つです」
上司「その2つはどのくらいで終わりそう?」
部下「1週間もあればできるかと」
上司「それは余裕を持った場合だよね? 実際にAとBはそれぞれどのくらいでいけると思う?」
部下「Aが2日で、Bが2,3日でしょうか」
上司「じゃあ5日を目標にやってみようか。延びそうなら事前に教えて」
部下「分かりました」
案件を聞いた時点で、上司はせいぜい5日くらいだろうと予想しています。
なので、5日を目標にさせるように誘導する方針で会話を進めます。
内容によっては、AとBのやることをさらに深掘りしてリスト化させるといいかもしれませんね。
リスト化することで、どうやっても2日で終わるのに3〜4日はかかりすぎだと気づかせられます。
もし5日で終わらないのであれば、仕事の効率が悪い(やり方が間違っている)かイレギュラーが発生したか。
イレギュラーが発生したというホウレンソウの漏れも防げますね。
もっとも、上司は途中で様子を確認するのがベスト。
今回のもう一つのテーマは、部下は自発的に素直な意見を言えない、です。
たとえ5日を過ぎそうになってもギリギリまで言わないか、そもそも言わない人すらいるでしょう。
そしたら「なぜ間に合わなかったのか?」を深掘りする必要がありますけど、前段階で行ったほうが上司にとっても部下にとっても効率的です。
もちろん、あえて失敗させて成長を促すという方針もありですが。
この辺はお互いの状況次第でしょう。
5.まとめ
ポイントは2つあります。
一つは、部下の頭を会話の流れで整理させ、答えを分かりやすくさせること。
もう一つは、部下の状況を上司が把握していると部下に認識させることです。
先の会話で、案件を聞いてから「5日でやれ」と指示だけしてしまった場合、「状況も分からないくせに適当なことを言うな」と部下から反感を買ってしまうかもしれません。
俗に言う、『管理職は現場のことをよく知らずに無茶振りする』というやつですね。
難しいのが、効率を指摘・指示すると、どうやっても一方的な命令だと受け取られてしまうことです。
具体を意識することで上司と部下の認識違いも避けられるので、業務の一部分でも試してみてください。