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デザイナーに「思想」は不要なのか問題
私の中の問題なのですが、デザイナーを続けていると、ある地点で疑問に思うことがあります。
A社の「世の中にはAが必要である」という価値観のもと発信されるメッセージとB社の「AがあるためにBという課題がある」というメッセージがあり、依頼をうけた外部のデザイナーはそれらが対立したメッセージであることを知りながら、代弁するためのビジュアルを制作します。
ビジュアルをつくるにはコンセプトメイキングが必要
声に出して読む「モモ」
娘が小学4年生になってから、夜眠る前にミヒャエル・エンデの「モモ」(1973)の読み聞かせを始めた。読まない夜も多々あったので、先週の土曜日にようやく全355ページを読み終えた。ラストスパートでは、娘と続きが気になりすぎて止められず、1ページづつ交代で読みながら3時間も音読をしていた。
惜しむようにあとがきまで読み終え、目を閉じると、たくさんの灰色の男たち、ベッポじいさん、カシオペイヤ、ジジ、マ
花ちゃんがなくなった
2年5ヶ月、人間でいうと94歳で、うちの花ちゃんが亡くなった。
二年半まえ、娘がどうしてもほしかったハムスターを家族3人で買いに行った。それから毎日餌をやり、水を換え、たまにケージを掃除してやり、娘は本当によく花ちゃんを可愛がっていた。
ちんまりとした花ちゃんは世話の甲斐あってか、むくむくとぽっちゃり気味に成長し、回し車をよく爆走しては夜中のリビングにカタカタカタ、と鳴り響かしていた。生きてる
「現代における不幸の諸類型」見田宗介著作集Vより
講座の先生より借りた本。読み終わった後、感想をお話するために読書記録を残しています。
見田宗介さん。大澤真幸さんや宮台真司さんが見田ゼミ出身でもある。大澤さんの著書は数冊読んだけど、見田さんの本を読むのは初めて。
著作集Vの中の1章「現代における不幸の諸類型」を読み終えた。どんなに難しい事が書いてあるか…と構えていたけれどこの章はとても読みやすかった上に、実生活とも結びつけやすかった。
とい
語らないと伝わらない
当然のことなのだけど、話さないと伝わらないですよね。
当たり前のことを、なんだかずいぶん長い間控えていた気がします。
わたしはこう思う、こう感じて、だからこうしてる。
理解して欲しいのに、その思いや考えを話すと、ほんとうに「自分の行動が伴っているのか?」が気になって、カッコ悪い気がして言えなくなる。そんな時期が続きました。
語るなら、伝えるなら、結果が見えてから、なんて思っていましたが、結果が
映画「ヒトラーVSピカソ 奪われた名画の行方」
映画を見たので備忘録。ナチスに奪われた60万点もの名画と、その行方を追ったドキュメンタリー。
若い頃に画家志望だったヒトラー。古典的な表現の芸術を賛美し「大ドイツ芸術展」を開催する反面、ピカソ、ゴッホ、マティス、カンディンスキーなどの近代・前衛芸術を「退廃芸術」として排除しようとした。
芸術を通してドイツ人を優れた民族だと啓蒙し、総統美術館の設立を目指してユダヤ人が所有する数多くの美術品の没収