「ショートショート」千年の恋。
「僕の前にいるのが、神様って言うなら、僕の命と引き換えに妻を元気にして頂けませんか?」
シャボン玉の様に薄くなってしまった妻の命をベットと挟んで僕は神様と向かい合っていた。深々と深く積もる雪の様に柔らかく冷たくなる妻の前で僕は神様に震える声でそう願った。
妻と僕は虹の掛かる橋の上で恋に落ちた。
最初は僕から妻を好きになったのだと思っていた。でも、妻は「いえ。私からあなたを好きになったのよ。だからね」っと指で空に掛かる虹をなぞりながら「一緒にこうやって渡っていくの」っと白