マガジンのカバー画像

火星人のエッセイ

44
日々のこと。 統合失調症はなかなか気難しいやつだ。たぶん、きっと、多数のひとがわけわからんという駄々をこねています。
運営しているクリエイター

#文芸

赤ちゃんなりに生きてます。

赤ちゃんなりに生きてます。

 わたしの文学。なにも考えずに書くのが好きだった。追究したり執着したりするのが苦手だし、参考文献を集めてみたり物語に必要なことは調べたりするけれど役に立っているのかわからないくらい作品には反映されていない気がするし、いや、きっと土台にはなってくれているから知っておくというのは大事ではあるが、とにかくわたしは昔から学校が好きではなかったし勉強もきらい集中力もそれほどない。学とつくとどうしても固っ苦し

もっとみる
青いいのちの詩(折原みと著)

青いいのちの詩(折原みと著)

世界でいちばん遠い島。
東京から約千キロ。
小麦色の肌の女の子。
小笠原諸島。
父島。
母島。

実は、ひとに紹介したい本を思い浮かべたとき、「青いいのちの詩」というタイトルを思い出せなかった。
幼い頃、確かに感動して記憶に残っているのに、それは散り散りになって埋もれているのだ。本来あるべき場所の本棚に、ちゃんと片付けられないように。すぐ読むだろうからと枕元やテーブルに置きっ放しにして、どんどん積

もっとみる
ヤギのいる病院

ヤギのいる病院

 あついなか、三角屋根で涼んでいるヤギ二匹。二匹? 二頭? ヒツジみたいなもんだから、数えかたは二匹だろうか。つぶらな瞳がかわいいしろいヤギさんたち。ヤギを数えて眠ってもいいと思えるあいらしさ。某病院の庭に、夏のあいだだけ飼われているようなのでした。

 そう。お盆に手術をしました。八月十四日。我が妹の誕生日です。おめでたい日にわたくしは手術。歯が欠けたことでレントゲンをとり、偶然みつかった歯茎の

もっとみる
愛しのシャーロック・ホームズ

愛しのシャーロック・ホームズ

原稿用紙百枚程度のものがたりは中編だ。本にするとかなり薄い。通常なら三百枚くらいがちょうどいい厚さになる。私はこのくらいの本が好きだ。上下巻わかれていたりすると買うのを躊躇ってしまう。

シリーズなんかは最悪だ。上下巻どころか五、六冊続くことの苦痛。集めたくなるのもサガだけど、集めたところで全部読むのかはそのものがたりにかかっている。唯一私が持っているシリーズものはシャーロック・ホームズで、苦手で

もっとみる