【材料】日本茜の発芽
日本茜栽培
昨年冬、大学の工芸科の庭で栽培されていた日本茜の黒く光沢のある種を集め、黒ポットに直播きしました。一時期は大変な積雪でしたが、4月に入って金沢もずいぶんと暖かくなってきました。そしてついに、日本茜が発芽しました🌱
日本茜は、その根が赤色の染料としてかなり古い時代から利用されてきました。絵画に使われたか気になるところですが、染料の特定は現在の調査ではなかなか難しいようです。
日本茜は現在市販されておらず、貴重な染料となっています。しかし、ちょっとした里山には生えているようです。先日金沢市内を散歩していましたら、日本茜が生えていました。平安時代、金沢市がある加賀国は、茜を朝廷に貢納していたことが『延喜式』を読むとわかります。1100年前と変わることなく、現代も小規模ながら加賀の地に自生していることが嬉しいです。
古代の茜染め
今年の春休みは、法隆寺大宝蔵院(奈良)と法隆寺宝物館(東京)をめぐり、古代の茜色を目に刷り込んでおきました。今年の秋は日本茜が手に入りそうなので、実際に染めるのが楽しみです。今春発芽した苗が染められるまでに生長するのは、3年後になります。初めてのことで不安も多いですが、大切に育てたいと思います。
執筆:田中良征(金沢美術工芸大学日本画専攻2年在学)
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