院試塾|有機化学、無機化学

院試で使う有機化学、無機化学の参考書はそれぞれ 1 冊だけです。その参考書を解説します。

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東工大に 2~3 カ月で院ロンダできるスケジュール

・院試はコスパ最強の自己投資 2024 年 5 月、私は自身の大学から内部推薦をもらえなかったため大学院試験の勉強にとりかかりました。結果は 2 カ月で東工大合格、自身の大学の院試は約 65 人中 1ケタ 位という好成績でした。 ここで言いたいのは私は頭がいいということではありません。私の所属していた研究室からは 6 人が東工大の大学院を受験し全員合格しています。そのうちの私を含めた 3 人の勉強期間はたった 2 カ月です。つまりやれば誰だって東工大に合格できます。

    • 院試塾 模試 第一回解答

      無機化学大問1 (2) (b), 大問3 (3) は出題ミスのため全員正解とします。 有機化学 大問1 (1) 各反応の詳細は各自教科書で確認してください。非常に基本的な問題です。 (2)沸点は液体状態で分子間に働く力の大きさを反映します。分子間力が大きいほど沸点が大きくなります。アルカンにおいては van der Waals 力が分子間に働く分子間力であり、この力は分子の表面積が大きいほど強くなります。さらに枝分かれが多いほど分子は球状に近くなり同じ炭素数のアルカンで

      • 第一回大学院入試模試 (有機化学、無機化学)

        試験問題の pdf ファイルをアップロードしています。試験時間は有機と無機の 2 科目で 120分です。試験終了後に解答用紙(形式自由)を X(twitter) の DM に送ってください。

        ¥0〜
        割引あり
        • 有機化学演習-基本から大学院入試まで-7章解説

          7章からは本格的に合成スキームの問題が多くなります。見るだけで覚えるのは不可能なので問題を解くたびにめんどくさいですが反応機構を求められていなくても反応機構ごと書いて覚えていきましょう。これを読んでロンダしようとしている時点で旧帝以上の大学の内部生以外でたいして頭のいい人はいません。書いて覚えてください。 例題7・1 (a) アルコールの命名法は母体のアルカン alkane をアルコール alkanol にするだけです。この場合母体が 2-ethyl-1-pentane

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        • 有機化学演習 基本から大学院入試まで
          7本
        • 無機化学演習大学院入試問題を中心に
          6本

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          有機化学演習-基本から大学院入試まで-6章解説

          例題6・1 この命名問題で新しく出てきたポイントはありません。2 章または 3 章で復習してください。 例題6・2 例題 6・1 と同様です。 例題6・3 (a)Sn2 反応では遷移状態が 5 配位(教科書 p70)ということからもわかるように、化合物にアタックしてくる求核試薬と脱離基が反応の同じ段階で近い位置にあります。よって求核試薬は立体障害が少ない化合物に対して Sn2 反応を起こしやすいです。つまり第一級>第二級>第三級の順ですね。そして脱離基の脱離能です

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-6章解説

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-5章解説

          はじめに この章はそこまで重要ではありません。少なくとも東工大の院試では合成項のほうが頻出です。R, S を決定できるくらいの実力があれば問題ないでしょう。 例題5・1 大学受験でやった不斉炭素原子を見つける問題と同じです。炭素についている置換基を H も含めて考えます。炭素についている 4 つの置換基がすべて異なればその炭素は不斉炭素原子、キラル炭素と呼ばれます。このキラル炭素が見つけられなければこの後の問題は一つも解けなくなってしまうのでできるようにしてください。

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-5章解説

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-4章解説

          例題 4・1 (a)二置換ベンゼンの命名ですが p40 1) にあるように置換基はアルファベット順に並べましょう。また p41 2) に慣用名を持つ一置換ベンゼンに第二の置換基がついたとみなせる化合物の場合はその慣用名の前に置換基名をつけて命名するとあります。この問題ではクロロベンゼンにブロモ基がついていると考えることもできますしブロモベンゼンにクロロ基がついていると考えることもできます。このような場合はアルファベット順に並べましょう。 (b)ニトロベンゼンにヒドロキシ

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-4章解説

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-6章解説

          例題 6・1 この問題は結晶場理論を用いて考えます。結晶場理論とは金属錯体が形成される際に金属イオンの d 軌道に入った d 電子と配位子のローンペアの相互作用によって軌道のエネルギーが増減する、という考え方です。実際に問題を解いて詳しく見ていきましょう。 (1) (ⅰ)六配位八面体錯体とは教科書 p123 の 図 6・4 (c) のようなものです。遷移金属 (Metal) に配位子(Ligand) が配位結合で配位しています。配位結合ですから M-L 結合はすべて配位

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-6章解説

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-5章解説

          例題 5・1 初見で解くのは難しいでしょう。以下のカリキュラムにも教科書の使い方として書いたと思いますが例題と章末問題を繰り返し解いて暗記することが重要です。この 5 章と 6 章は少し重いかもしれませんが半分以上やってきたのだからここであきらめないでください。 さて、解説に進みますが p91~93 は簡単にこの後重要になってくるポイントだけ示します。 ・塩橋について 塩橋とはなにか、どんな役割があるのかという問題が章末問題にも出てきます。章末問題は実際の院試で出た問

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-5章解説

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-3章解説

          例題 3・1 (a) p 23 にあるように炭素数 4 以上の直鎖アルケンでは二重結合に近い末端から炭素鎖に番号を振り、最初の二重結合炭素の番号を、その二重結合の位置番号として名称の前に置きます。 ブテンの右端、左端のどちらから数えても二重結合の位置は 2 番目です。よってその 2 という番号を二重結合の位置番号としてブテンという化合物の名称の前に置きます。ここまでで 2-ブテンとなります。 そしてメチル基がついていますからそれも名前に含まなければいけません。ブテンは

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-3章解説

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-4章解説

          例題 4・1 解説参照。定義なので暗記してください。ルイス酸は電子対受容体、ルイス塩基は電子対供与体でブレンステッド酸は プロトン供与体、ブレンステッド塩基はプロトン受容体です。 例題 4・2 (1) ①空の軌道に電子の満たされた軌道から電子が流れ込むことを超共役と言います。   ②解説参照。共鳴構造の書き方ですがわからない人は p69 の図に巻き矢印を書き込みましょう。一番上の F の非共有電子対からその F と B の結合部分に巻き矢印を書きます。そうすると左から

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-4章解説

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-2章解説

          例題2・1 いずれも直鎖アルカンが枝分かれした分岐アルカンの命名です。 p13 にある解説を見ながらやっていきましょう。 ①分岐アルカンの命名は最も長い炭素鎖を母体としそれから枝分かれした部分を置換基として命名します。 ②置換基の位置番号がより小さくなる末端から母体炭素鎖に番号を振り置換基の位置番号を決める。 ③置換基名をアルファベット順に並べて母体アルカンの前におき、各置換基の前に位置番号を付ける。同一置換基が複数ある場合は倍数接頭辞 di-, tri-, tetra-

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-2章解説

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-2 章解説

          例題2・1 各原子が何個電子を持っているかは学部時代の受験でもやったので知っていると思います。参考までですがある原子のもつ最外殻電子の数はその原子が属する族番号の 1 の位です。例えば教科書にあるように 15 族の原子の災害各電子の数は 5 個となります。 このこととオクテット則を知っていればこの問題で問われている。ルイス構造は簡単に書くことができます。ルイス式、ルイス構造の定義は自身でしっかりと確認しておいてください。 オクテット則についてですがある原子の周りの電子

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-2 章解説

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-3 章解説

          例題3・1 (1)解説参照。 hcp と ccp について覚えておきましょう。また ccp は面心立方格子をとるということも今後の問題を解くにあたって重要な知識です。 (2) (a)最密充填構造は hcp と ccp の種類に関わらず配位数は 12 です。 (b)面心立方格子に含まれる原子数の求め方は大学受験でやりました。復習してください。また体心立方格子についてもできるようにしましょう。 立方格子の頂点に位置する剛体球は 1/8, 立方格子の面に位置する剛体球は

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-3 章解説

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-1 章解説

          例題例題1・1 Hund の規則:縮絨した軌道には平衡スピンの数が最大になるように入る 軌道のエネルギー準位は 1s, 2s, 2p, 3s, 3p, 4s の順に大きくなっていきます。s, p, d 軌道にはそれぞれ電子が 2, 6, 10 個入ります。 例題1・2 オクテット則に従ってルイス構造を書きましょう。CO₂を例に挙げると O は非共有電子対 2 つで 4 個、炭素酸素間の二重結合の部分に 4 つで計 8 個の電子が O の周りに存在しておりオクテットを満た

          有機化学演習-基本から大学院入試まで-1 章解説

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-1章解説

          1 章 例題例題1・1 解説参照。リュードベリ定数の問題は頻出ではありません。 例題1・2 解説参照。p 5 の図 14 と方位量子数 ℓ が 軌道の形(s, p, d…)を決定することをおさえましょう。基本的な問題です。 例題1・3 スレーター則の問題です。 [1s] [2s,2p] [3s,3p] [3d] [4s,4p] [4d] [4f] [5s,5p]と軌道が分類されています。条件③、④をよく見ないと例えば(4) の 4s 軌道についての計算を Z*=3

          無機化学演習-大学院入試問題を中心に-1章解説