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東工大に 2~3 カ月で院ロンダできるスケジュール


・院試はコスパ最強の自己投資

2024 年 5 月、私は自身の大学から内部推薦をもらえなかったため大学院試験の勉強にとりかかりました。結果は 2 カ月で東工大合格、自身の大学の院試は約 65 人中 1ケタ 位という好成績でした。

ここで言いたいのは私は頭がいいということではありません。私の所属していた研究室からは 6 人が東工大の大学院を受験し全員合格しています。そのうちの私を含めた 3 人の勉強期間はたった 2 カ月です。つまりやれば誰だって東工大に合格できます。

この記事で私の院試経験を伝えることで院ロンダを目指す皆様の助けに少しでもなれたらと思います。また院試を考えていない皆様もこの記事を読めば院ロンダを選択肢に入れるはずです。たった 2 カ月の院試勉強でより良い環境、年収などその他もろもろが手に入ります。院試はコスパ最強の自己投資なのです。

・東工大の試験科目と難易度

私の受験した系は TOEIC などの英語資格試験が 100 点、有機、無機、物理化学の 3 科目から 2 科目選択の 400 点の合計 500 点の試験です。 6~7 割の点を取ることができれば合格と言われています。

東工大の問題で 6~7 割と聞くと無理だとあきらめてしまう人がいるかもしれませんがその必要はありません。大学院試験はどこの大学も期末テストレベルの難易度です。学部時代とは違って高度な思考力は必要とされず、知っているか知らないかが問われます。つまり 2 カ月本気で勉強すれば簡単に合格するのです。

・英語対策

TOEIC や TOEFL のような外部英語資格試験のスコアを提出すると大学側が100 点満点で換算してその点がそのまま英語の試験の点数となります。基本的にはスピーキングとライティングがなく難易度の低い TOEIC をお勧めします。噂によると 600~800 点あれば充分です。そこそこの点数を取得済みならば無理にスコアを上げようとするよりも配点の高い専門科目をやりこむことをお勧めします。

TOEIC 600 点までの勉強法については自身が 920 点を取得しているので本記事の反響があれば別に記事として出します。

・専門科目対策

お勧めの参考書を示します。またその解説を上げています。


私の受験した系では有機化学、無機化学、物理化学の 3 科目から 2 科目を選択します。ほぼすべての受験者が有機化学と無機化学を選択します。理由は物理化学は繁雑な計算が多く時間を取られる、量子化学など対策しにくい分野からの出題がある、網羅性の高い参考書がないなどデメリットだらけですが有機化学と無機化学に関しては基本さえ叩き込めば 8~9 割はとれる、知らない問題が出ても推測が可能というメリットがあります。

さらに大学院試験では得点調整がないのではと言われています。得点調整とはセンター試験や共通テストであったように受験者が科目の違いによる不公平を受けないように各科目の平均点に応じて調製されるものです。例えば生物の平均点が物理と化学と比べて極端に低ければ生物受験者の得点は上がりますが物理と化学の受験者の点数は下がります。

よってほぼすべての受験者と同様に有機化学と無機化学を受験することで物理化学で事故るというリスクを回避できます。ですからよっぽど数学や物理系の頭の持ち主以外は有機化学と無機化学を選択することをお勧めします。

・使う参考書とスケジュール

使う参考書は主に 2 つだけです。2 冊だけ買えば十分です。

<有機化学演習-基本から大学院入試まで-> 山本学・伊与田正彦・豊田真司 著 東京化学同人 2008年 
1~14 章まであります。14 章は総合問題で 今回は短い期間での勉強なので手を付けません。各章が例題と章末問題で構成されています。

例題にしか載っていない有名な人名反応(favorski 転移など)があるので初めの内は例題と章末問題をどちらもやる必要があります。私は慣れてきたら章末問題だけ解く、実際の入試では反応経路が頻出なので立体異性体などの章は飛ばすなどの工夫をしていました。

また基本的に 1~2 週間目は新しい知識を覚える、定期テストの知識を思い出すなどの作業になるためこの問題集だけでわからなければ大学図書館でマクマリー有機化学、ブルース有機化学などの教科書も併用しましょう。私はマクマリーを使いましたが東工大内部生が授業で使用しているのはブルースのほうらしいです。

実際の試験では有機合成、反応経路、反応機構、NMR が頻出です。2,3,7~13 章の問題は絶対に解けるようにして下さい。

<無機化学演習 大学院入試問題を中心に> 中沢浩 編著
西岡考訓・篠田哲史・廣津昌和・三宅弘之・板崎真澄 著 東京化学同人
2012年
 1~7 章まであります。7 章は総合問題で 今回は短い期間での勉強なので手を付けません。各章が例題と章末問題で構成されています。

無機・分析化学演習-基本から大学院入試問題を中心に-という似た名前の参考書がありますがこちらはレベルが高い教科書となっています。これを完璧に仕上げたらオーバーキルどころではありません。絶対に間違えないでください。

例題でやった問題が章末問題によく出てきます。例題と章末問題を繰り返し解くことで反復練習が可能です。無機化学は実際の試験でも思考力は必要とせず知っているか知らないかなのでやりこみましょう。私は慣れてきたら章末問題だけにシフトして例題に割いていた時間を過去問に充てるなどの工夫をしました。

有機化学同様に 1~2 週間目は新しい知識を覚える、定期テストの知識を思い出すなどの作業になるためこの問題集だけでわからなければ大学図書館でシュライバーアトキンス無機化学を併用しましょう。この教科書は私も使っていましたし、東工大内部生も使っているようです。

実際の試験では固体構造と錯体が頻出です。該当箇所の 3 章と 6 章に自身を持てるようになって下さい。

<スケジュール>
1 週間目
目標:問題に慣れる。自分の知らない知識が多くめげそうになるかもしれませんがそれが普通です。目を通しながら少しでも覚えられれば十分です。

内容:無機化学教科書(例題+章末問題)1 周終了(6 章まで)、有機化学 (例題+章末問題) 7 章まで

2 週間目
目標:まだ完全に知識が定着していないと思います。すこしづつ覚えていきましょう。 2 周目に入った無機化学では"この問題分かりそうでわからない、"
というような問題が出てきたでしょうか。でてきたらいいペースです。有機化学はかなり覚えることが多く重い章が続きます。一度でも知識に触れておけば次が楽になると信じて手を動かして覚えていきましょう

内容:無機化学教科書(例題+章末問題)2 周終了(6 章まで)、有機化学 (例題+章末問題) 13 章まで終了( 1 周終了)

3 週間目
目標:無機化学は徐々に解ける問題が増え始めたでしょうか。大事な問題は例題と章末問題に重複して出題されていますからその基本は絶対におさえておきましょう。有機化学は 2 周目に入りました。手を動かす。有機化学はこれにつきます。手を動かして覚えていきましょう。見ているだけでは覚えられません。

内容:無機化学教科書(例題+章末問題)3 周終了(6 章まで)、有機化学 (例題+章末問題) 7 章まで

4 週間目
目標:無機化学は見ただけで答えが分かるようになってくるように徐々に仕上げていきましょう。有機化学は 2 周目が終わります。"この問題分かりそうでわからない、"というような問題が出てきたでしょうか。でてきたらいいペースです。引き続き手を動かして覚えてください。

内容:無機化学教科書(例題+章末問題)4 周終了(6 章まで)、有機化学 (例題+章末問題) 13 章まで終了( 2 周終了)

5 週間目
目標:無機化学は例題を解くのをやめて章末問題だけを解きましょう。そして例題に充てていた時間は過去問に充ててください。 5 割程度できれば上出来 です。本番は 6~7 割程度でいいのです。できる人はすでにそのくらいクリアしているかもしれません。そういう人は本番で 9 割とれるように勉強してください。有機化学はまだ例題と章末問題を解きましょう。焦る必要はありません。無機化学に比べて有機化学は覚えることが多い。ただそれだけのことです。

内容:無機化学教科書(章末問題)5 周終了+過去問 2 年分、有機化学 (例題+章末問題) 7 章まで

 6 週間目
目標:無機化学はもう言うことはありません。ひたすら反復を繰り返すだけです。そこそこできるようになってきたのではないでしょうか。有機化学は 3 周目が終了です。はじめは重かった後半の章がすこし簡単に感じたと思います。有機化学は章が違っても基本は同じです。プラスとマイナスがくっつくともろぴー有機化学でも言っていますね。このようなYoutube の動画も活用していきましょう。

内容:無機化学教科書(章末問題)6 周終了+過去問 2 年分、有機化学 (例題+章末問題) 13 章まで終了( 3 周終了)

7 週間目
目標:有機化学も例題を解くのをやめます。章末問題は 1 日 2 章です。試験に頻出の 2, 3, 7~13 章で十分です。さらに過去問を解き始めましょう。問題集に乗っていない反応もあるとは思いますが気にしすぎてはいけません。あなたと同様に他の受験生の問題集にその問題は載っていません。もろぴー有機化学や sin 有機化学の動画をみて問題集に書き込んでおいてください。

内容:無機化学教科書(章末問題)6 周終了+過去問 2 年分、有機化学(2, 3, 7~13 章の章末問題を 1 日 2 章) 4周終了+過去問 2 年分

8 週間目
目標:過去問で 7 割とれるまで繰り返し解きこむ。試験まで時間がないのでひたすら過去問を解きます。知識の抜けがあったらその都度覚えましょう。

内容:過去問

・最後に

このスケジュールでやれば絶対に東工大に 2 カ月でロンダ可能です。頭の良しあしは関係ありません。ただやるだけです。

またところどころ本記事で紹介した教科書の解説に分かりにくい部分があるので少しづつ解説を載せていきたいと思います。


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