院試塾 模試 第一回解答
無機化学大問1 (2) (b), 大問3 (3) は出題ミスのため全員正解とします。
有機化学
大問1
(1) 各反応の詳細は各自教科書で確認してください。非常に基本的な問題です。
(2)沸点は液体状態で分子間に働く力の大きさを反映します。分子間力が大きいほど沸点が大きくなります。アルカンにおいては van der Waals 力が分子間に働く分子間力であり、この力は分子の表面積が大きいほど強くなります。さらに枝分かれが多いほど分子は球状に近くなり同じ炭素数のアルカンであれば表面積は減少するため沸点は小さくなります。
(3)アニオンとして不安定であるほど塩基性は強くなります。周期表の同一周期の原子では右にいくほど塩基性が弱くなります。さらに同族の中では下に行くほど塩基性が弱くなります。
(4)周期表の右に行くほど求核性は低くなります。一方で同族の下に行くほど求核性は強くなります。
大問2
(1)置換基の分類わけは芳香族の範囲だけでなく重要です。各自確認してください。
(2)バーチ還元の問題です。置換基が電子吸引基か電子供与基かで結果が変わってきます。
(3)フリーデルクラフツアルキル化の反応です。(b) に関しては解答のもののみ正当とします。
(4)
クロロ基はメチル基よりも活性化基としては劣りますが共鳴効果によるオルトパラ支配が誘起効果より強くききます。
より活性化されたベンゼンに置換が起こります。よって不活性化期のヨウ素がついた右のベンゼン環ではなく左のベンゼンで反応が起こります。
(5)これが分かっているとなぜニトロ化の時には酸を加えるかのどの問題も解けるでしょう。書けるようにしておきましょう。
大問3
(1)基本的な反応です。各自で確認してください。
(2)こちらも各自で確認してください。
(3)カニッツァロ反応です。
(4)エナミンの生成機構です。
無機化学
各自で確認すれば解決しそうな問題のみ載せていますので解説はほとんど省略させていただきます。
大問1
(2)
(b) 出題ミスなので全員正解とします。
大問2 (4)
スピン多重度は 2S+1 (Sは不対電子の数)で計算します。
大問3
(3) 出題ミスなので全員正解にします。
(5)
(a)配位数と結晶構造、イオン半径比には関係があることを思い出してください。八配位だと塩化セシウム型、六配位だと塩化ナトリウム型でした。この問題では塩化ナトリウム型の結晶構造をとれるイオン半径比の範囲を聞かれていますから塩化ナトリウム型の限界と塩化セシウム型の限界を答えればよくなります。
(b)四面体間隙に入ったイオンが最密充填しているイオンに接するのは最密充填したイオンの作る 1辺 2r の正四面体の頂点から重心までの距離が両者のイオン半径の和 r+R に等しくなる時です。
正四面体を作る 4 個の原子は立方帝の 8 個の頂点のうち半分の位置を占め正四面体と立方体の重心は一致するので頂点から重心までの距離は立方体の対角線の半分に相当します。