『西郷従道』維新革命を追求した最強の「弟」 小川原正道
ひとり遅れの読書みち 第48号
西郷隆盛の15歳年下の実弟、従道の生涯を描く。父を幼くして亡くし、父代わりの存在だった隆盛だが、西南戦争で「賊軍の将」となった。従道にとっては「重荷」であり「負債」にもなる。その中で「維新大業の基礎」を確立すべく国家発展に尽力する従道の姿を、著者は貴重な書簡や書類をもとにして明らかにする。
従道は幕末期に兄や大久保利通のもとで尊王攘夷の志士として活動し、薩摩を代表する若手官僚、政治家として新政府に登用された。さらに政治