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自分を大切にする―自己カウンセリング

こんにちは。TASです。この記事はもしかしたら少し特殊なお話で、全てをご参考にして頂けるものではないかも知れませんが、私の人生にとって、とても大切な”産業カウンセラー養成講座”との出会い、そして自己カウンセリングという方法で自分を大切にすることができるようになった過程についてお話しさせてください。

出口の見えないトンネルの中で

私は3回の休職経験がありますが、2回目の休職が自分にとって最も長く辛いものでした。冬の始まりから期間は8か月ほど、前半はほとんどベッドから起き上がることもできず寝たきり状態でした。
それでも少しずつネットを見るくらいはできるようになり、当時何がきっかけだったのか、どのような心境だったのかを明確には覚えていないのですが、とにかくネットで産業カウンセラーの養成講座の募集がされていることを知り、後先何も考えずに何かに引き寄せられるように申込をしていました。募集締切直前のことでした。別の記事に書いていますが、苦しいときに宗教にすがろうとしたのと、似ている部分もあったかも知れません。
妻は最初は受講に反対しました。うつ病(後年躁うつ病と分かるのですが、当時はうつ病の診断でした)で休職している身で、ベッドから起き上がるのがやっとな人間が、半年以上におよぶ通学講座にどうやって通えるのかと。ただなぜか私もこの時は譲りませんでした。講座自体は半ば公的なもので怪しいものではなかったため、妻も渋々了解してくれたのでした。

転機・仲間との出会い

4月から養成講座が始まりました。最初は電車に乗って通うので精一杯でしたが、なぜかこの講座だけは絶対に休まないという自分がいました(結局講座終了まで無欠席でした)。
生徒は1クラス10数名程度に分けられ、その後半年間学びをともにします。初回は1人1人自己紹介をするのですが、私は自分がうつ病であること、そしてこの講座を回復のきっかけにしたいこと、を正直に話したように記憶しています。そんな私に対して最初はどう接していいか困っている人も中にはいましたが、多くの人は一緒に頑張りましょうと、温かく優しく受け入れてくれました。この仲間達と出会えたことも、当時の私にとって、とても大きかったと思っています。

カウンセリングの学び

講座では、カウンセリングの技術である「傾聴」をひたすら学びます。傾聴の説明は難しいのですが、話し手から語られる言葉を通じて、相手の心の動き、言語化できない(辛い)想いを察してあげることなのだと思います。そして相手が想いを言語化できるまで、じっと待ってあげて、時には言語化できるように、自己洞察を促すような言葉を投げかけてあげて、自分の本当の想いに気づくことを手助けしてあげるのです。
講座では毎回聴き手と話し手を交互に体験します。私も徐々に聴き手としての力が付いてきて、話し手の言語化されていない本当の想いに近づけるように、そして相手が自己洞察をしてその想いに気付けるように援助することができるようになりました。
そして自身の傾聴の力が伸びていくのと歩調を合わせて、私の状態はどんどん回復していきました。最初は緊張していた講座でしたが、本音を語り合える仲間となり、私の顔色が良くなった、笑顔がすごく多くなったと言ってもらえたのを覚えています。良き仲間に支えられ、講座期間の途中で会社への復職も果たしました。

自分をカウンセリングする

前述の通り、恐らく傾聴の力が自身の回復を支えた部分が大きいと思っています。説明が少し難しいのですが、「自己カウンセリング」とは、私の場合は次のようなイメージなんです。
「もともとの自分」から「カウンセラーとしてのもう1人の自分」が分離して、「もともとの自分」を大切に見守ってくれている、本当の思いを丁寧に聴いてくれる、そして2人の自分が協力して1つ1つの辛さ、困難を乗り越えていく、そんなことが徐々にできるようになったように思います。
また、自分が自分を大切にすると、大切にされた自分は次に周囲の人を大切にしようとする、そうすると周囲の人もまた自分を大切にしてくれる、そういった好循環が少しずつ回り始めました。

このようにして、私は出口の見えない2回目の休職から回復することができました。数年後、3回目の休職も経験しますが、そこから回復できたのも、そしてその後現在に至るまで何とか日々を過ごすことができているのも、この「自分を大切にする―自己カウンセリング」ということが大きな要因だと思っています。
自分を大切にするというのは、言うは易しで、私も半年間の講座の中でなんとか得たものではありますが、努力すればきっと誰でも身に付けられると思います。
冒頭にお話ししました通り少し特殊な事例でかも知れませんが、何か少しでもご参考にして頂ける部分があれば嬉しいです。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

TAS

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