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    心に刺さる作品をラインナップ。随時追加。

  • 伝説の【ロードムービー】特集

    旅、放浪、人探し、逃避行、巡業など、移動の風景が映し出されたロードムービーの魅力を紹介。随時追加。文・選/中野充浩

  • ミュージシャンの【伝記映画】特集

    ロック、カントリー、ブルーズ/R&B、ヒップホップ、ジャズ、クラシックなどジャンル問わず、ミュージシャンやソングライターの伝記映画をコラム化して紹介。随時追加。文・選/中野充浩

  • 【音楽愛】に溢れた映画特集

    「音楽が主役」「音楽が重要な役割を果たしている」など、音楽愛に満ち溢れたオススメ映画を紹介します。随時追加。文・選/中野充浩

  • 伝説の【青春映画】特集

    あの頃夢中になった青春映画や学園映画を紹介します。随時追加。文・選/中野充浩

最近の記事

ドリーム〜NASAでの差別や偏見に挑んだ黒人女性たちの“知性と強いハート”を描いた感動作

『ドリーム』(Hidden Figures/2016年) 1957年10月4日。アメリカと冷戦状態にあったソ連が人類初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功した。宇宙が「まだ見ぬ未知の光景」だった状況が、これによって一変。さらにその一ヶ月後には、ソ連は早くも犬を乗せて2号を打ち上げ。 “鉄のカーテン”の中で起こったこの立て続けの現実に一番衝撃を受けたのは、言うまでもなくアメリカだった。「もう先を越されてはならない」 アメリカは本格的な宇宙開発に取り組むべく、1958

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    • ライトスタッフ〜荒野の大空で宇宙を垣間見た孤高のパイロット

      『ライトスタッフ』(The Right Stuff/1983年) 宇宙がまだ見ぬ未知の光景だった頃。1957年10月、ソ連は遂に人類初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功。これを機に宇宙開発の幕が切って落とされた。そしてその一ヶ月後には、ソ連は早くも犬を乗せて2号を打ち上げ。 この立て続けの事態に一番衝撃を受けたのは、言うまでもなくソ連と冷戦状態にあったアメリカだった。 “鉄のカーテン”の中の出来事を現実として受け入れざるを得なかったアメリカは、本格的な宇宙開発に

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      • 時計じかけのオレンジ〜キューブリック監督が封印して25年も再上映されなかった衝撃作

        『時計じかけのオレンジ』(A Clockwork Orange/1971年) イギリスの俳優マルコム・マクダウェルがそう話すと、会場から笑いが起こった。講演に集まった人々には、ミックが政治家愛用の山高帽をかぶり、白い服を着てアイメイクをしている姿が容易に想像できたのだろう。 確かにドラッグ入りミルクを飲み、ロシア語と英語で作られたスラング「ナッドサット言葉」を多用しているロックスターも悪くはない。 当初はそういう案もあったらしいが、スタンリー・キューブリックの頭には、主

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        • バニラ・スカイ〜“哀切な現実”と“甘美な夢”の境界線で

          『バニラ・スカイ』(VANILLA SKY/2001年) 映画館を出た後や観終わった後、しばらくその映画のことが頭から離れない、という経験をしたことがないだろうか。 その場限りの娯楽大作や分かりやすい内容の作品ならそんなことは滅多にないが、稀に何日も、何週間経っても、心の中に存在している映画というものがある。 『バニラ・スカイ』(VANILLA SKY/2001年)は、そんな不思議な体験をさせてくれる映画だった。 正直言って、一度観ただけでは分からない。でも作品全編に

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        • 時計じかけのオレンジ〜キューブリック監督が封印して25年も再上映されなかった衝撃作

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          シェルタリング・スカイ〜ポール・ボウルズとベルトルッチ監督が描く砂漠のロードムービー

          『シェルタリング・スカイ』(The Sheltering Sky/1990年) 『シェルタリング・スカイ』(The Sheltering Sky/1990年)は、壮大なロードムービーであると同時に、砂漠に魅せられた男と女の愛の物語だった。 原作はポール・ボウルズの同名小説。1910年生まれのボウルズは、1931年に初めてモロッコのタンジールを訪れ、1945年に再訪。2年後にニューヨークからこの地に妻のジェーンと共に自発的亡命し、自分たちをモデルにした最初の長編である本作を

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          シェルタリング・スカイ〜ポール・ボウルズとベルトルッチ監督が描く砂漠のロードムービー

          ニュー・シネマ・パラダイス〜80歳の淀川長治の胸をかきむしった“みんなのための実話”

          『ニュー・シネマ・パラダイス』(Nuovo Cinema Paradiso/1988年) 大人になればなるほど左胸が熱くなる映画、『ニュー・シネマ・パラダイス』(Nuovo Cinema Paradiso/1988年)。 人は決して一人では生きていないこと。行動しなければ何も始まらないこと。そこには年月というものの重みがあり、人の数だけ喜びや苦悩があること。 この映画は、本当にたくさんのことを思い出させてくれ、忘れていたことをもう一度教えてくれる。これは年の離れた友人同

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          コーヒー&シガレッツ〜同じテーブルで対話するイギー・ポップとトム・ウェイツの奇跡

          『コーヒー&シガレッツ』(Coffee and Cigarettes/2003年) ジム・ジャームッシュの映画作りは、一貫してキャスティングから始めることは有名だ。まず完成した脚本があって、それから打診するのが一般的な進め方だが、彼はそうしない。 その独特とも言える、役者が持つイメージや雰囲気を活かした映画作りは、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』とジョン・ルーリー、『ダウン・バイ・ロー』とロベルト・ベニーニあるいはトム・ウェイツ、『ミステリー・トレイン』とジョー・スト

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          デッドマン〜ニール・ヤングの即興演奏で“特別な域”に達した詩的なロードムービー

          『デッドマン』(DEAD MAN/1995年) ジム・ジャームッシュの長編第6作にあたる『デッドマン』(DEAD MAN/1995年)は、構想から7年の歳月をかけて完成させた傑作だった。 ジャームッシュ映画にしては珍しく予算をかけて製作されたそうだが、役者を想定してから脚本作りに入るやり方は変わらなかった。 主役のジョニー・デップと、ネイティブ・アメリカン(インディアン)のゲーリー・ファーマーをイメージしながら書いたのだ。ジョニーはジャームッシュの大ファンだったので、ろ

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          デッドマン〜ニール・ヤングの即興演奏で“特別な域”に達した詩的なロードムービー

          ファクトリー・ガール〜ウォーホルとディランの狭間で破滅した女神イーディ・セジウィック

          『ファクトリー・ガール』(Factory Girl/2006年) 現代アートの伝説アンディ・ウォーホル。その黄金期は言うまでもなく、ポップアートや実験映画などで、その名を美術史に永遠に刻んだ1960年代だ。 ニューヨークにある「ファクトリー」と呼ばれた自身のスタジオで、〈キャンベルスープ缶〉〈コカコーラ瓶〉〈マリリン・モンロー〉〈エルヴィス・プレスリー〉といったシルクスクリーンによる作品を次々と“大量生産”。 有名人、死、企業製品などをモチーフにしたシリーズのほか、「ア

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          欲望〜スウィンギング・ロンドンと60年代ポップカルチャー

          『欲望』(BLOW-UP/1967年) 1960年代のある特定の時期(つまり1965年〜67年頃)におけるロンドンは、「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれて、間違いなく世界のポップカルチャーの中心地だった。 それは、ファッション、デザイン、映画、文学、アート、写真、そして音楽などに携わる人々、それらを支持する人々が醸し出した、一つの確固たる文化革命ムードであり、ロンドンが最も輝いていた時代。「スウィンギング・ロンドン」は、今でも奇跡的な伝説として語られる。 それまでヨー

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          欲望〜スウィンギング・ロンドンと60年代ポップカルチャー

          パルプ・フィクション〜世界のポップカルチャーの記号になったタランティーノ

          『パルプ・フィクション』(Pulp Fiction/1994年) デビュー作『レザボア・ドッグス』(1992)や脚本作品『トゥルー・ロマンス』(1993)で、「新しい才能の登場」として騒がれていたクエンティン・タランティーノ。 世界的に脚光を浴びることになったのが、カンヌ映画祭を制した『パルプ・フィクション』(Pulp Fiction/1994年)だった。 映画・音楽・コミックなど膨大なポップカルチャーを吸収分析する“オタク/コレクター気質”と、それを消化して自己表現へ

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          アンダー・ザ・シルバーレイク〜LAとポップカルチャーと陰謀論を描く新感覚サスペンス

          『アンダー・ザ・シルバーレイク』(Under the Silver Lake/2018年) アメリカ映画には、「時」と「場所」が大きく作用する。 何年頃? 季節は? 朝それとも夜? ニューヨーク? ロサンゼルス? それとも北部や南部?…… この“いつ・どこで”を経て、魅力的な「人物」や興味深い「出来事」が描かれていく。特に場所や土地は、映画全体のムードを示すこともある。誰もが特定の風景を思い浮かべるからだ。 デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督は、ある日そんなことを

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          カンバセーション‥‥盗聴‥〜コッポラ監督が『ゴッドファーザー』の次に手掛けた名作

          『カンバセーション‥‥盗聴‥』(The Conversation/1974年) 『ゴッドファーザー』(1972年)での成功以降、フランシス・フォード・コッポラ監督は物凄いスピードで仕事に取り組んでいた。 舞台やオペラの演出、『華麗なるギャツビー』の脚色、『アメリカン・グラフィティ』の製作、そして監督・脚本を手掛けた『カンバセーション‥‥盗聴‥』(The Conversation/1974年)。 つまり、コッポラは、1973年に起きたウォーターゲートなど一連の事件をこの時

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          T2 トレインスポッティング〜“どうしようもない奴ら”が未来を選んで大人になるということ

          『T2 トレインスポッティング』(T2 Trainspotting/2017年) 日本では2017年4月8日に劇場公開された『T2 トレインスポッティング』は、ある世代のための映画のように思える。それは、20代の多くを1990年代に過ごし、30代をゼロ年代、そして10年代は40代として生きた世代。 1993年に出版されたアーヴィン・ウェルシュの小説『トレインスポッティング』が、ダニー・ボイル監督によって映画化されたのは1996年。当時のイギリスはブリット・ポップやクラブ・

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          T2 トレインスポッティング〜“どうしようもない奴ら”が未来を選んで大人になるということ

          ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ〜スティングも出資した英国映画の傑作

          『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(Lock, Stock and Two Smoking Barrels/1998年) 1996年、企画は動き始めた。音楽ビデオやCMで生計を立てながら、稼いだ金で短編映画を撮っていたガイ・リッチーは、同世代のアメリカ帰りの若手プロデューサーであるマシュー・ボーンと意気投合。温めていた映画の脚本作りに一緒に没頭する。 当初は250ページもあった脚本から贅肉が省かれたのち、マシューは制作資金集めに乗り出した。 そんな中、

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          カジノ〜絶対に損はしない“帝国のルール”を築き上げた男と女たちの運命

          『カジノ』(Casino/1995年) 1990年の『グッドフェローズ』の成功で、手応えを感じたマーティン・スコセッシ監督。 再びノンフィクション作家のニコラス・ピレッジと脚本に取り組み、ロバート・デ・ニーロとジョー・ぺシをキャスティング。舞台を1970年代のラスベガスに変え、続編的なムードを漂わす『カジノ』(Casino/1995年)を撮影した。 今でこそラスベガスのカジノは大資本が投下され、徹底したビジネス・マニュアルが行き届き、年間数千万人もの観光客が訪れる家族向

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