2024年11月3日(日)・4日(月祝)に,札幌創成高校で行われた日本ピア・サポート学会の内容をレポートします。 記念公演『ブーカ(VUCA)の時代〜ピア・サポートで生き抜く〜中野武房(日本ピア・サポート学会名誉会長) 日本におけるピア・サポートのパイオニアの一人である中野武房名誉会長の公演は,単に”ピア・サポートは大事”とか,”みんなでピア・サポートをやりましょう”といったメッセージではなく,ますます難しくなるこれからの時代を生き抜くために,”ピアの精神に満ちた社会を作
不登校の原因を探したり,不登校の受け皿をどうするかを考えていていいのですか?ある日子どもが,「もう学校にはいきたくない」と言い出したら,親も教師も,「なんで?」「どうしたの?」「学校で嫌なことでもあったの?」と,”行きたくない理由”を見つけようとするでしょう。 ちなみに,文部科学省の令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753
私は,中学校教員を24年間務めたのち,スクールカウンセラーに転身して3年目の「元中学校教員で現役スクールカウンセラー」です。 教員時代は,まだまだ未熟な子どもたちを教え導くことが務めであるとの信念から,ついつい「ああしなさい」,「こうしなさい」「こうするべきだ」と言ってきました。 その後,カウンセリングについて学びカウンセラーとして務めるうちに,”あぁ,教員時代からカウンセリングマインドをもって子どもたちに関わっていれば,もっと多くの子どもの成長を支えることができたのに”
まず断っておきますが,私は男子(おじさん)です。 子どもの頃はそれなりに悪ガキでして,高いところは大体登ってみたり(近所の大きな公園の木はほぼ制覇した),マンションの屋上からたっしょん(立小便)したり,猫に石をぶつけようとして隣のマンションの窓ガラスを割ったりと,まぁ色々やりました。 とにかく友達と一緒になって悪さをしたり,定番の秘密基地を作ったりチャリでそこらじゅうを探検したりと,仲間と行動を共にすることが何よりの楽しみでした。 心理学では,このような男子に多くみられ
いきなり怒り出して,ものに当たるわ,怒鳴ったり叩いたりするわ… あまりにもバレバレの見えすいたウソをつく(その後認めてめっちゃ謝る) 遊んでほしいんやろうけど,ものを取ったり悪口を言っては逃げていく そんな子ども達の扱いに困っている先生や保護者の方はきっとたくさんいるのではないでしょうか? その行動があまりにも「不適切」なので,つい大声で叱ったり,ものを取り上げるなどの罰を与えたりしていませんか? でも,”なぜ,そんな行動をしてしまうのか?”をよく考えて関わらないと,そ
”人とのかかわり”って,いつどこで学ぶの?みなさんは人とのかかわり方って,いつどこで誰から学びましたか? 人とのかかわりって本当に難しいですよね? 今この場面でどんな言葉を言うのが適切なの? どんな表情でどれくらいの声の大きさ言うのが正解? 相手が今言った言葉の真意は何? 今,目の前にいる人は怒ってるの?悲しいの? あの人困ってそうだけど何て声をかければいいの? 手伝ってもらったけど「ごめん」「ありがとう」どっち? そもそも,人は自分のことをどう思ってるの? こ
noteを始めてから5つの記事を書いてきましたが,これまではどちらかというと先生達向けの生徒指導・教育相談に関するものでした. 今回は少し趣向を変えて,タイトルにもある通り保護者のみなさん向けに書いてみたいと思います.(保護者さんにスクールカウンセラーへの相談を勧めるかどうかを考えている先生にも参考になると思うので,教員のみなさんも良ければぜひお付き合いください) スクールカウンセラーへの相談はどうぞお気軽にカウンセリングというと,すごく大きな心理的な課題を抱えた人を対象
学校でおすすめのピア・サポートプログラムの具体的な実践とは??前回のnote(https://note.com/tanoshii_gakko/n/nfd43afc01dfe)で,ピア・サポートプログラムのねらっていること,実践上のポイントをお伝えしました. 今回は,ピア・サポートプログラムのおすすめの具体的な実践をお伝えしますね. ピア・サポートプログラムを実践することで,子ども達に仲間を思いやり互いに支え合うことの大切さを感じてもらい,人とつながって人生を豊かにする生
なぜ今,ピア・サポートプログラムなのか?ピア(Peer)は仲間のこと. ピア・サポートは,仲間との支え合いの活動. つまり,ピア・サポートプログラムは,”ピア・サポート=仲間との支え合い”の風土を創造するための教育プログラムのことです. ピア・サポートプログラムはカナダで生まれましたが,日本のように「学級」という単位が学校生活のベースとしてある日本の教育にこそ,とてもぴったりくるものだと思います. もともと日本の学校には,運動会,文化祭,遠足,野外活動,修学旅行などなど
子どもが大変!クラスが大変!さてどうしよう?中学校教員時代にこんな生徒がいました. 友達からの注意や教員からの指導にカッとなって暴言・暴力.いわゆる”瞬間湯沸かし器”状態で,思い通りにならないと急にキレるんです.ある時は,急に雷が鳴り出して楽しみにしていた水泳ができなくなって大暴れ!なんてこともありました. いったん怒り出すと自分ではコントロールできないので,いきなり怒鳴り出したり殴りかかったり…ステンレスの水筒で友達を殴ってしまったこともありました. 他の生徒に危害
生徒指導提要のポイントのポイント令和4年に改定された生徒指導提要では,図のような重層的支援構造が示されました。この図において最も重要なことは,全ての児童生徒を対象とした「発達支持的生徒指導」が強調されたことです. スクールカウンセラーをしていると,1週間に一度の勤務を待ち望んでいたかのように面接の予約がいっぱい入ってきます.期待されて相談されるのはありがたいのですが,一日中カウンセリング面接をすると相当に疲弊してしまうのも事実です… スクールカウンセラーに相談にくる児童
経歴元中学校教員(数学・サッカー)24年間 広島大学大学院2022年度修了(教育心理学) 広島大学大学院博士課程後期在籍中(2023年度〜) 広島市/広島県スクールカウンセラー(2021年度〜) 周南公立大学非常勤講師_教育相談I,Ⅱ担当(2022年度〜) 下関市立大学客員准教授(2024年度〜) 私のめざすゴールいろんな立場で教育に関わっている私のめざすゴールはズバリ! ”日本中の学校を子どもも先生も楽しい学校本来の姿にする” 現代の学校は本当に多くの課題