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スクールカウンセラーに相談しようかなと思っている保護者さんへ
noteを始めてから5つの記事を書いてきましたが,これまではどちらかというと先生達向けの生徒指導・教育相談に関するものでした.
今回は少し趣向を変えて,タイトルにもある通り保護者のみなさん向けに書いてみたいと思います.(保護者さんにスクールカウンセラーへの相談を勧めるかどうかを考えている先生にも参考になると思うので,教員のみなさんも良ければぜひお付き合いください)
スクールカウンセラーへの相談はどうぞお気軽に
カウンセリングというと,すごく大きな心理的な課題を抱えた人を対象に,専門的な心理治療をするものと捉えていませんか?
もちろん,心療内科や精神科の医師として勤めながらスクールカウンセラーもしているという先生もおられるので,そういう先生ならかなり専門的な心理治療も行うかもしれません.
ただ私の知る限りでは,多くのスクールカウンセラーはそこまで専門的な心理治療を行なっているわけではないと思います(むしろ心理治療が必要な状況なら SCではなく医療につなぎます)
もちろん心理的な知見をもとに相談内容を聴き,問題状況の背景をアセスメントしたり,どのような対応が望ましいかの助言をしたり,解決の糸口を一緒に検討したりはします.
要するに,スクールカウンセラーへの相談をそんなに大げさに捉えることなく,”もっと気軽に活用しましょう”と思っているということです
スクールカウンセラーにどんな相談をすればいいの?
気軽に相談しろと言われても,どんなことについての,どんな内容の,どの程度の悩みや困り感を相談すればいいのか?
ここに保護者のみなさんからの相談で多いものをいくつか紹介します.
不登校・登校しぶり(教室に入りにくい)
今一番多いのは,やはりこの問題です.
子どもが,「学校に行きたいくない」「教室に入りたくない」と言い出したら,親としては焦りますし,”今のご時世無理に行かせるのも…”とも思ったり,”今のうちに無理にでも行かせないと!”とも思ったりすると思います.
ここで一つ言っておきます!
子どもはみんな,学校に行って友達とおしゃべりしたり遊んだり,時々勉強もしたりしたいと思っているし,そうすべきだとも思っています.それなのに,「学校に行きたくない」と決意して言うときには,それはもう相当に葛藤もし苦悩した末の言葉であるということです.
なので,その言葉を言ったとき,もしくはその兆候(行きたくないんだろうなという態度)が見られた段階で,”スクールカウンセラーに相談しよう!”とアクションを起こしてもらって早すぎるということは全くありません.
なんだかちょっと育てにくい
こだわりが強くて自分の考えを押し通す
じっとしていられなくてずっと動いたりしゃべったりしている
いきなり感情的になって暴れ出す(暴言・暴力もある)
イライラしやすく抑えられない(ものに当たったり人に手を出したり)
読み書きが苦手ですごく時間がかかる
注意や指導に対して反発したり固まったりする
一斉指導では話が聞けずみんなについていくのが難しい
友達にちょっかいをかけたりものを取ったりしてしまう
などなど,家庭や学校(どちらもの場合もあればどちらかだけの場合もあります)で,なんだか育てにくいな…扱いづらいな…と思う行動があって困っている保護者さんも多いです.
発達障害や愛着障害というと,医師からの診断があって,特別な病気かなんかで,一般から外れてしまった存在みたいなネガティブなものとして捉えていませんか?
そう思ってしまうからこそ,”スクールカウンセラーに相談するということ=自分の子が他の子とは違う特別な子”と思えて相談しにくくなるのかもしれません.
発達障害や愛着障害なんてものはあってないようなものだと思っています.
それらは,”人より少し強めの個性”であり,その個性ゆえに日常生活に大きな困り感があるときに,”サポートがあると助かりますと宣言するための目印”ぐらいに捉えればいいんです.
なので,”スクールカウンセラーに相談するなんて,自分の子を病気扱いするみたいでありえない”なんて思うことはありません.親が”育てにくい”と困っているときに,一番困っているのは子ども本人ですから,親以上に早く子どもを楽にしてあげましょう.
とにかく誰かに聞いてもらいたい
子どもの話ではないんだけど…
夫(子どもの父親)のことでちょっと…
家族関係や家庭環境のことで悩んでいて誰に相談すればいいか…
担任の先生や部活の顧問の先生のことって学校には言いにくし…
近所の人やママ友関係のこと
言わずもがなですが,親の心理状態や家族の関係,家庭環境は,子どもの心理面に影響します.
そんなことはわかっているのに,家族の問題が悩ましくてしんどくて,つい子どもに当たったり態度に出てしまったりしてしまう.
なんとかしたいけど,自分の親には言えないし,友達に話したところでって感じだし,ただただ一人で抱え込んで苦しい…
そんなときに都合のいい人がスクールカウンセラーです.
目の前の問題を解決することは難しいかもしれませんが,スクールカウンセラーと話すことを通じて,問題の捉え方が変化したり,しんどい日々の中にちょっとマシな例外的な日や時を見つけたりして,なんかちょっぴりできそうなことを見つけたり変化のきっかけになったりするかもしれません.
こんなふうに,子どもが学校にいるうちは,何かどこにもっていけば良いかわからないようなモヤモヤを相談するにはスクールカウンセラーはちょうどいい存在だと思いますよ(なんせタダですしね)
最後に…
問題状況にある子どもを取り巻く大人(親や先生)は本当に大変ですよね.
それでもなんとか少しでも子どもが良くなるように,今より日々を楽しく幸せに生きられるようにと,保護者のみなさんは本当に懸命にがんばっておられると思います.
そんな保護者のみなさんとお話しするときにいつも思うことがあります.
「お母さん,ご自分のことを思いやることを忘れはいませんか?」
子どものために悩み,本を読んだりいろいろ調べたり,いろんなところに足を運んだり…そうやって疲れた自分のこともしっかり労ってください.
私は,そんな保護者のみなさんを元気にできればと思っています.
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