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掌編小説

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2021年1月の記事一覧

【小説】10年後、約束の欅の木で

「この欅の木に、10年後の今日集合な」 6年3組のリーダー格であった片山君が、クラスの面々に…

たま
3年前
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【小説】超能力OL

昔、『超能力少年』と持て囃され、様々なテレビ番組に出演している少年がいた。 その少年は、…

たま
3年前
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【小説】実はカップ焼きそば嫌いなんです

夏目漱石が「I love you」を「月がキレイですね」と訳したそうだけど、僕が訳すのだとしたら「…

たま
3年前
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【小説】あの夢をもう一度

大泉蒼子ーー。 その名前を忘れた事は、一度だってなかった。 それは葵が14歳の頃、夢で出会…

たま
3年前
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【小説】結婚

恋人がシャワーを浴びている音を聞く、この時間が私は苦手だった。 一人暮らしの自宅なのだか…

たま
3年前
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【小説】夢の話

妻は毎朝、朝食を食べる僕に、その日見た夢の話をする。 正直なところ、それを聞くのは1日の中…

たま
3年前
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【小説】小さな恋のうた

「カラオケで、歌ってる時に店員入ってくるとなんか気まずいよなー」 大学の講義室で、後ろの席から聞こえる使い古されたあるあるに、望月結海はへきへきとする。 カラオケ店でバイトをしている結海は、気まずそうに歌を中断したり、恥ずかしながらも歌い続ける客に、こちらも気まずさを感じているんだぞと伝えたくなる。 ただ、喋ったこともない、“イケてる感じ”の学生達に、そんなことを言えるはずはない。 もどかしい気持ちを抱えながら、カバンから次の講義で使用する教科書を取り出した。 大学での講義

【小説】噂の種田さん

「ねえ、今日の種田さんさ」 ぞろぞろと歩く社員達の中から聞こえたその言葉に、キーボードを…

たま
3年前
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【小説】サブリミナル・マルゲリータ

山下加奈には、生まれてから28年間誰にも言っていない秘密がある。 それは、相手の目を強く見…

たま
3年前
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【小説】からしの会

実家に帰ると、見慣れない家具が増えて、なんだか違和感を感じる事がある。 ただ今回ばかりは…

たま
3年前
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