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蛸文(たこふみ)
2023年1月20日 14:02
オススメ度(最大☆5つ)☆☆☆〜第166回芥川賞受賞作品〜昨日、ちょうど第168回芥川賞直木賞の受賞作品が発表されたところである。本作は昨年、第166回芥川賞を受賞した作品で、個人的な話だが「芥川賞って年に2回受賞があるんだ」という事を初めて知った(笑)それはさておき、芥川賞受賞作品というのは今まで何冊か読んだことがあるが、いずれも薄い本の割にはなかなか体力を使うイメージがある。文
2022年2月9日 23:23
オススメ度(最大☆5つ)☆☆☆☆〜安部公房は訳がわからない〜人に「好きな作家は?」と聞かれると、まず思い浮かべるのが安部公房である。しかし、「安部公房って面白いの?」と聞かれると言葉に詰まる。「砂の女」は比較的読みやすい小説なのだが、安部公房の作品は基本的には読みにくいと思う。一言で言うと「訳がわからない」からだ。主人公が訳の分からない状況に陥り、その周りの人物も訳のわからない事を
2021年7月21日 22:30
オススメ度(最大☆5つ)☆☆☆☆☆〜「普通」という不気味なもの〜「普通ってなんだよ!?」「常識なんて関係ない!」僕は昔、この手の事を口にする人が嫌いだった。そんな人たちを、自分にとって都合の悪い法律やルールを曲解し、「自分はルールに縛られない」と言いながらその思想を免罪符のようにして、社会や周りの人に迷惑をかける事をなんとも思わないような人種だと思っていた。しかしながら、それは僕
2021年2月7日 21:20
オススメ度(最大☆5つ)☆☆☆☆〜純文学の入門書として〜2015年当時、お笑い芸人であるピースの又吉さんが本作で芥川賞を受賞したことでも一躍話題になった本書。芥川賞を受賞した、ということからも、この小説は"純文学"ということになる。"純文学"とは、一言で言うと、芸術性を重視した小説のことを指し、いわるゆ娯楽小説とは分けられているが、本作の著者である又吉さん曰く、昨今の小説作品ではこの