寄る辺
色がわからなくなった
理由もなく涙が溢れ
黒い影が纏わりついた
寄る辺ない身を憂いた
理由もなく悲しみに支配され
自分の姿を傍観していた
病を得たのだと気付くまでに
気が遠くなるほどの時を費やした
今は知ってる
やり過ごす術を
だってその病は
名まえを持ってるから
記憶が消えて無くなった
理由もなく恐怖が込み上げ
闇の中を彷徨い歩いた
病を得たという悦びに
浸る時は潤沢にあるのだ
今は知ってる
前に踏み出す意味を
だってその病は
名まえを持ってるから
病の名まえこそが
私の寄る辺なのだと
今は知ってる
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