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#一度は行きたいあの場所
ギリシャの兵士のように
その日、ウサギとカメは駒沢公園のランニングコースを軽やかに走っていた。二人は一心不乱に5周回した後、給水のために小さな休憩を取ることにした。ウサギがペットボトルのキャップを開ける音が静かな公園に響く中、ふと彼女は話し始めた。
「ねえ、マラソンの原点って知ってる? 私はマラソンの始まりの地を走りたくて、アテネにある古い競技場へ行ってきたのよ。それはもう、歴史を感じる神聖な場所だったわ」とウサギは目
逃げられなかった二人
図書館中庭のテラス席で目を細めて空を見上げるウサギは、春風に髪をなびかせながら、かつての冒険を、もう一つ思い出していた。「ポンペイの遺跡を訪れたときのことも忘れられないわ。火山灰に埋もれていた古代の街。あの時も私は、考古学者になる夢を膨らませていた」
カメは静かに彼女に視線を送った。「確か少し前に、ポンペイの遺跡で保存状態の良い戦車が発掘されたね。紀元79年のヴェスビオ火山の噴火により一瞬で火砕
星を観るために出来ること
その夜、ウサギとカメは街の灯りから離れ、小高い丘から夜空を見上げていた。周りを静寂がそっと包み込む中で、二人は星の光に導かれるように無限の宇宙へと思いを馳せていた。まるで星々のささやきが聞こえるかのように言葉を交わさずに、ただ静かに宇宙の広がりを感じていた。
「ウサギさんは知ってるかな? もうすぐ南米のチリに、世界で最も高い場所に建つ天文台が完成するんだよ。その標高はなんと5,640メートルもあ