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【読書日記】ティンブクトゥ / ポール・オースター
2024年4月30日、ポール・オースターが亡くなった。享年77歳。
自分がもし「好きな作家は?」と聞かれたら間違いなく名前を上げるほど好きな作家で、まだ新作が読めるものと信じていた。明らかにオースター自身がモデルの登場人物が作品内によく出てくる(名前もそのままポール・オースターである場合すらある)上に、ひと一人の人生を色濃く描く作風であるために、親しい人物が亡くなってしまったような悲しさがあった。
【読書日記】最近読んで面白かった本をまとめて紹介する
もう2024年も半分に到達しようという今日、気づけばこのnoteを2024年になってから一度も更新していないことに気づく。
読書感想記録を書きたいときに書く目的で開設したnoteだったけれど、最近更新していなかったのは本を読んでいないわけではなく、むしろたくさん読んでいてアウトプットが追いついていないから。「この本面白かったからnoteに感想書くぞ!」と思っている間に、次から次へとそういう本が溜
【日記】カメとの生活に慣れてきて感じること
2023年8月末にリクガメをお迎えしてから、3ヶ月が経った。
リクガメを飼う経緯については以前noteに書いたので、そちらを見てほしい。
「ポアロ」と名付けたヒガシヘルマンリクガメをお迎えした当初は、想像していたよりずっと大変だった。お迎え前から十分に準備をしてきたと思っていたけれど、毎日のように予期せぬトラブルが起き、生き物を飼うということの難しさに打ちのめされた。その苦労についても、飼い始
【日記】読書会で「読んでいない本」について語ってきた
7月、本読み友達が欲しすぎて生まれて初めて読書会に行ってみたら楽しすぎワロタ、という日記を書いたのだけれど、読書会の"悦び"を知ってしまった自分は早速つぎの読書会に向かったのだった。
今回参加したのは「つまずく本屋ホォル」さんという古本屋さんで開催された、「読んでいない本を堂々と語る会」という読書会だ。
積読というのは本好きなら誰もが現在進行形で経験していることだと思うけれど、その「ずっと本棚
【読書日記】まとまらない言葉を生きる / 荒井裕樹
2023年6月25日 読了。
普段小説ばかり読んでいる自分が、小説以外の本も読みたいなと思って手に取ったのがこの本。
最近は自分の心との向き合いがとても大切だと思っていて、小説も良いけれどそれ以外の、哲学や心理学、社会に関すること、そういった本を読んでみたいと考え始めていたのだけれど、何から手を付けてよいかわからずにいた。
そんなとき、noteでたまたま見つけたとある選書サービスが気になって
【読書日記】ゴールデンボーイ ─恐怖の四季 春夏編 / スティーヴン・キング
2023年4月4日 読了。
スティーヴン・キングが四季それぞれの中編を描いた作品集『恐怖の四季』のうち、春と夏の2作をまとめた文庫本がこの『ゴールデンボーイ ー恐怖の四季 春夏編』。この本には、春編として映画『ショーシャンクの空に』の原作である『刑務所のリタ・ヘイワース』と、夏編として『ゴールデンボーイ』という中編が収録されている。
『刑務所のリタ・ヘイワース』があまりにも素晴らしく、自分が映
映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』を見て思ったこと
もう1ヶ月以上前の話になるけど、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』という映画を観に行った。
自分は映画を普段は全然観ないのだけど、Twitterのタイムラインで多く話題に上がっているこの映画のタイトルを見て、ぬいぐるみ好きとしては観ないわけにはいかない!となって、ゴールデンウィークに暇だったので一人で行ってきた。
とはいえ意気揚々と楽しみに観に行ったわけではない。どちらかというと不安要素の方