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自分を助ける心理学『わたしが「わたし」を助けに行こう』で恐怖心と向き合う
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橋本翔太さんの『わたしが「わたし」を助けに行こう』は、「心のボディガード」というユニークな概念を用いて、恐怖や不安を克服する具体的な方法を紹介する一冊です。誰もが抱えがちな対人不安や自己否定の感情と優しく向き合い、心を少しずつ軽くしていくヒントが満載です。
あなたを癒やせるのは、あなただけ。悩みのすべては心に住む「もうひとりの自分」が引き起こしていた。
「部屋が片付けられない」「忙しくて時間がない」「相手に思ったことが言えない」「お金が貯まらない」「がんばっているのに成果がでない」……。
あなたが、なかなか解決できないこと。いつも問題を繰り返してしまうこと。これらの問題や悩みは、心の中に住む「もうひとりのあなた」が引き起こしていたのです。
そして、その理由はけっして嫌がらせではなく「あなたを守る」ため。
たとえば、「部屋が片付けられない」は、部屋がスッキリすると気持ちもクリアになり、抑え込んでいた不安や焦燥感が湧いてきてしまうのを防ぐため。
「忙しくて時間がない」は、時間ができてしまったら、“いつかやればできる”という可能性がなくなってしまうのを防ぐため。
このように、あなたを傷つけまいと問題を引き起こす「もうひとりのあなた」である「心の防衛機能」を、この本の中では「ナイト(騎士)くん」と呼びます。
悩みを解決して、本当にやりたかったことをやるためには、あなたの「ナイトくん」を見つけ、安心してもらうこと。
これから、あなたの知らなかった「あなた自身」の謎を解き明かしながら、誰かに頼るのではなく、あなたがあなた自身を助けることができる方法をお伝えします。
恐怖心の正体は「心のボディガード」
私たちが感じる不安や恐怖心の多くは、実は心の中の「ボディガード」が発する警戒信号です。心のボディガードは、幼少期に経験した辛い出来事や心の傷から生まれ、「二度と傷つかないように」という目的で私たちの行動や感情をコントロールしています。たとえば、過去に人から嫌な言葉をかけられた経験があると、人と接することに無意識にブレーキをかけてしまうのもその一例です。
心のボディガードは保護のために働いてくれますが、その過剰な警戒心が私たちの成長や挑戦を妨げることもあります。この本では、心のボディガードを無理に消そうとせず、むしろその存在を理解して安心させる方法が重要だと説かれています。
恐怖心を和らげる7つのステップ
心のボディガードに対する恐怖心を和らげるための7つのステップが紹介されており、この方法を実践することで少しずつ心の負担が軽くなることが期待できます。
ボディガードが表れる瞬間を知る
自分が不安や恐怖を感じる場面や状況を振り返り、その場面を認識することから始めます。これにより、心のボディガードが働き出す瞬間が明確になり、意識的に対処するきっかけになります。ボディガードに名前をつける
心のボディガードを「ナイト君」や「心の番人」など親しみやすい名前で呼び、対話しやすい相手として扱います。名前をつけることで心が軽くなり、不安や恐怖を他人事のように捉えられる効果があります。ボディガードに質問する
次に、「なぜその行動をとるの?」「目的は何?」といった質問を心のボディガードに投げかけます。質問を通じて心のボディガードの役割や意図を明確にすることで、自分の感情がどこから来ているのか理解できます。感謝の気持ちを伝える
自分を守ろうとしてくれるボディガードに対し、「今まで守ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えます。感謝することで、ボディガードが少しだけ安心し、不安を和らげることにつながります。自分が大人になったことを伝える
心のボディガードは、あなたのことを「子供のままの弱い存在」として見ています。そこで、自分が成長し、自立した大人であることを伝えます。例えば「もう大人だから傷ついても大丈夫だよ」と知らせることで、ボディガードも少しずつ安心して過剰なガードを緩めてくれます。これからも一緒にいてほしいと伝える
心のボディガードに「一緒に生きていこう」と伝えることで、その存在を否定せず共存する姿勢を持ちます。恐怖や不安の存在を完全に消そうとするのではなく、少しずつ和らげることを目的とします。また話そうと約束して対話を終える
最後に「また話そうね」と伝えて対話を締めくくります。これにより、心のボディガードが安心し、不安や恐怖に襲われる場面で無理に感情を抑え込まずに済むようになります。
まとめ
『わたしが「わたし」を助けに行こう』は、心の中にある恐怖心を「心のボディガード」として見立て、否定するのではなく、共に歩む方法を優しく教えてくれる一冊です。恐怖や不安は私たちを守るための反応ですが、それが過剰になると新しい挑戦や人間関係を妨げることも。
本書で紹介されている7つのステップは、自分の心と向き合いながら少しずつ安心感を取り戻し、心の負担を和らげてくれるでしょう。