7年前、持つことに抵抗のあった魔法の杖
今年還暦を迎えた私は白杖がなければ外を出歩けない。7年ほど前に水疱性角膜症という病気を診断された。この病気は角膜の細胞が新陳代謝せず、どんどん少なくなっていく病気で、角膜が白濁して、やがて失明をする。
角膜自体を治療する術はなく、角膜移植をすれば見えるようになる可能性はあるらしい。しかし、私の目の状態は手術に適した状態ではなく、リスクが高い。なので、術後に見えなくなる覚悟をしなければならないと告知された。
実は高校生の頃に別の病気で片目の視力を失っており、失敗をすれば、微